翌朝は8時に起床、ただし一晩中隣の部屋からの爆音いびきにさらされたせいでいささか睡眠不足感がある。こういうのは安ホテルのリスク。まあカプセルホテルよりはマシだが。
さて今日の予定だが、仕事は午後からである。だから午前中の内に上野の美術館を回っておきたい。朝食に買い込んでいたおにぎりを腹に入れると、9時にはホテルを出る。
平日だというのに上野は人で一杯。相変わらずのパンダ騒動は続いているようである。週末よりは修学旅行風の学生の団体が多いのは平日の特徴か。その人混みをかき分けて国立博物館へと急ぐ。
「名作誕生-つながる日本美術」東京国立博物館で5/27まで
世に「名作」と呼ばれる作品はいくつかあるが、それらは作者が突発的に作り出したというものではなく、先人の作品を参考にしたり触発されながらいろいろな創意工夫の元に生まれたものである。それらの背景も含めて名作を鑑賞するということらしい。
要は近しいテイストを持つ作品を概観したというような印象のある展覧会。最初は仏像から始まり、次は雪舟から始まる日本絵画。ここでは雪舟の作品を初めてとして伊藤若冲に至るまで名作がゾロゾロ。さらに工芸品を挟んで、山水風俗画といった構成になっている。
ラストで北斎から岸田劉生につなげていた辺りなどは観点が面白かったが、それ以外には特にどうこうというのはあまりなかったのが本音。単純に名作を堪能するだけで良いようである。
国立博物館を出た時にはやや微妙な時間。次に行くかどうか迷ったが、とりあえず行くことにする。
「プーシキン美術館展-旅するフランス風景画」東京都美術館で7/8まで
プーシキン美術館所蔵の17~20世紀の風景画を展示。ジャン=フランソワ・ミレー辺りから始まって、モネら印象派を経てゴーガン、ルソー、ドニといった辺りまで。
結構一般受けしやすいタイプの絵画が多かったので、見ていて楽しめる展覧会である。作品のインパクトで言えば一番印象に残ったのはルソーの色彩鮮やかなジャングルの絵画か。
やや駆け足の見学となってしまった。この展覧会は関西への巡回もあるようなので、場合によっては関西でまたもう一回行くか。
これでプライベートでの予定は終了。後は仕事モードに切り替える必要があるが、その前に昼食である。遠くまで行く時間はないので「文化亭」でランチメニューを摂る。
さあこれから仕事である。ネクタイを締めると気持ちを仕事モードに切り替えて出張先へと移動するのである。ここまでの私はただの遊び人であるが、ここからの私は必殺仕事人である。