翌朝は7時に目が覚めると朝食を摂ってから朝風呂。熱めの湯で目を覚ます。この日はチェックアウトは9時前。今日は大フィルのコンサートだが、その前にMETのライブビューイングに行くことにしている。
METライブビューイング ヴェルディ「椿姫」
ヴェルディの人気作を新演出で。この演出では最初にヴィオレッタの臨終シーンから始まり、すべては彼女の回想というようなニュアンスで展開する。いわゆる舞台替えがなくてずっと同じステージで話が展開するのも特徴だが、舞踏会会場の真ん中に鎮座するベッドはいささかの違和感があって邪魔に思えた。
ディアナ・タムラウは名歌手であり名優でもあると言われているが、さすがにその表現力は見事なもの。ヒロインの苦悩が観客にビンビンと伝わってきて胸を打つ。またその彼女に絡む男性二人。ファン・ディエゴはいかにも一途でありながらやや暴走気味の若者を、クイン・ケルシーは子供達のことを思いながら結果として彼女を過酷な境遇に追いやったことを悩む父親を好演した。
やはり人気タイトルなのか場内は8割以上の入りで、私の周辺はほぼ満席状態だった。今まででこういうことは初めて。まあ確かにそれだけの内容はあったが。
昼食はフェスティバルゲート地下の洋食店で
上映を終えるとすぐにフェスティバルホールまで移動。昼食はフェスティバルゲートの「キッチンジロー」でホタテのクリームコロッケとエビフライのランチを頂く。例によって可もなく不可もなくというところ。
遅めの昼食を終えてホールに移動。フェスティバルホールは8割程度の入りといったところ。
大阪フィルハーモニー交響楽団 第525回定期演奏会
指揮/コンスタンティン・トリンクス
ピアノ/小菅 優
曲目/モーツァルト:交響曲 第36番 ハ長調 K.425 「リンツ」
R.シュトラウス:ブルレスケ ニ短調
R.シュトラウス:歌劇「ばらの騎士」組曲 作品59
トリンクスの指揮はどことなく優雅な感じのもの。リンツに関してはいかにも軽快で上品な演奏でまとめた。いかにもモーツァルトの時代のサロンの音楽というイメージ。
それに対して小菅のピアノはかなり豪快にガツンガツンとくる。ブルレスケはピアノが全編フル回転というなかなか過酷な曲だが、それをパワーで押しきった印象。ところでこの曲は初めて聴くんだが、曲の終わりが分かりにくい。やたらにフェイントが多いのにはまいった。
最後のばらの騎士は、いかにもこの曲らしいロマンティックな演奏となった。トリンクスの指揮は妙な誇張とかのない正攻法のものであり、どことなく品のある演奏はこの曲想とも合致していたように感じられたところ。
若手の指揮者はとかく過剰な演出に走る場合があるのだが、トリンクスは非常に手堅さを感じさせる。ツボは押さえているが虚仮威しはしないというところ。ただそれが中庸的に聞こえないわけでもないので、印象の薄さにつながる危険性はある。
明日に備えて京都のホテルで宿泊と夕食
公演を終えると明日に備えて京都に移動する。今日はチェックインホテル四条烏丸で宿泊する予定。京都に到着するとホテルに入る前に「そじ坊」で夕食を摂る。この店はそばは平凡だが、居酒屋系メニューが多いので夜は賑わっているようだ。
ホテルに入ると疲労が出てグッタリしてしまう。しばらく部屋でへたっていたが、とりあえず気力を振り起こして入浴にだけは行く。
風呂から上がって部屋でBDで「サイエンスZERO」「歴史科学捜査班」「美の巨人たち」などを見ていたが、そのうちにかなり強い眠気がこみ上げてくるので、この日はそのまま寝てしまう。