今日は西宮でのベルリン放送交響楽団のコンサートに行くつもり。
昼前に出ると西宮を目指す前に大阪で昼食を摂ることにする。阪急梅田の地下のレストラン街をウロウロするが、例によってどこの店も異常に混雑で長蛇の列。そこで行列のなかった「はまぐり庵」に入店する。お膳のメニューがあるのでそれを注文。
いかにもの会席膳である。料理は非常に美味い。ただこの手の料理の常としてはボリュームは圧倒的に不足で価格は高め。税込みで1800円以上というのは正直きつい。
昼食を終えると西宮に向かう。ホールの入りは8割というところか。
ベルリン放送交響楽団
指揮者:ウラディーミル・ユロフスキー
ピアノ:レイフ・オヴェ・アンスネス
モーツァルト:歌劇『フィガロの結婚』序曲
モーツァルト:ピアノ協奏曲 第21番 ハ長調K.467 ピアノ:レイフ・オヴェ・アンスネス
ベートーヴェン:交響曲第7番(マーラー編曲版)
最初の2曲は10型の室内楽編成。最初はこの編成で室内楽的フィガロである。ただベルリン放送響のアンサンブルは室内楽というほどには精緻でないように感じた。特段な印象もなく音楽がサラッと流れてしまったような感覚を受ける。
2曲目はソリストのアンスネスが肘の不調ということでブラームスのピアノ協奏曲第1番からモーツァルトの21番に変更。現在のアンスネスの調子が本来の何割程度なのかは分からないが演奏に破綻はない。ただ曲想もあってさらっと弾き流したような印象を受ける。彼の本領はアンコール曲で披露されたもっとニュアンスのある演奏だろう。
最後は16編成でベートーヴェンの交響曲第7番。ちょうど一昨日にルイージで同曲を聴いた直後だが、ユロフスキのアプローチはルイージと対照的である。テンポはやや遅めでじっくりとした演奏であるし、何よりもノリで突っ走った印象のあるルイージに対し、ユロフスキはかなり綿密な計算に基づいた演奏をしているのがよく分かる。マーラー編曲版ということで、どうも楽器の響き方などの効果を考えて編曲された部分もあるようだが、ユロフスキはこれをさらにテンポの変動、音色の対比などすべて細かく計算してあるのがよく分かる。つまりは非常に精緻でクレバーな演奏であるのだが、問題なのはその醒めた感覚が演奏を通してこちらにまで伝わってくること。そのために感心はするのだが感動はしない。スケールの大きな演奏に圧倒はされても熱狂は出来ないということになってしまう。あまりに感情が通っていなくて、正直なところサイボーグか何かの演奏のように聞こえてしまうのである。
悪い演奏ではないが好きな演奏ではないというのが正直な感想。なお会場に汚い声でフラブラをするオッサンが一人いて、これがさらに興を削ぐことになってしまった。ああいう輩は何を考えてあんなことをしているんだろう。誰よりも早く声を上げれば自分が音楽を理解しているようにアピールできるとでも考えているのだろうか。あまりにも迷惑であり、あれは今後は出禁などの規制をするべきレベル。
コンサートを終えると梅田の地下で早めの夕食を摂って帰ることにする。立ち寄ったのは「グリルロン」。いつも大行列が出来ている店だが、今は夕食時よりもいささか早いために数人が待っているだけだ。10分程度で入店できる。注文したのは「ステーキとハンバーグのセット(1750円)」。
ハンバーグは普通に美味しく、ステーキの方も特別に良い肉というほどでもないがまずまずである。何よりもこれで1750円というのはCPがすごく、これがこの店が客から支持されている最大の理由だろう。
満腹になったところで戻ることにする。結局コンサートに明け暮れた週末であった。