徒然草枕

クラシックのコンサートや展覧会の感想など、さらには山城から鉄道など脈絡のない趣味の網羅

姫路界隈の美術館巡り

 今日は姫路界隈の美術館巡り。昼過ぎに姫路に到着して、いつもの駐車場に車を入れようと思ったら・・・駐車場の前には長蛇の列。どうも何やら姫路城でイベントが行われているようで、周辺は大混雑になっている。これはまいったと姫路城北の駐車場に車を置きに行くが、ここも数台が行列しておりしばし待たされる。

 ようやく車を置くとここの南にある博物館へ。姫路で美術館と言えば姫路市立美術館なんだが、そちらは現在はチームラボの展示とのことだが、この展覧会は何かとあちこちで行っているのでパスすることにする。

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兵庫県立歴史博物館

「歌麿 写楽 北斎 広重 国芳 五大浮世絵師展」 兵庫県立歴史博物館で6/16まで

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 人気浮世絵師五人の作品を集めて展示するといういかにもの展覧会。展示作はどうやら中右コレクションによるもののようだが、ボストンコレクションなどのように色鮮やかな作品は少なく、全体的に黄色がかったややくすんだ色彩となるのは、国内コレクションの場合致し方ないところ。

 歌麿は正統派の極めて端正な美人画が中心。一目見ただけで「ああ、歌麿だな」と分かるような作品が並んでいる。同様に写楽も「いかにも写楽」。定番どころ中心である。

 北斎も一部初期作品などもあるが、中心は富嶽三十六景から有名な三点セットなど。正直なところこれといって驚く作品はあまりないというところ。広重に関してもほぼ同様。

 やはり一番面白かったのは国芳か。大判の動きの激しい作品が中心に展示してあり、いかにもの劇画的効果が凄い。また馬を描いた作品は明らかに通常とタッチが異なっており、これは西洋絵画に対するオマージュか。何にせよ、国芳の「一筋縄ではいかない」というところが多分に現れていたので興味深い。


 浮世絵展の後は博物館の通常展示も一回りするが、これが意外に面白い。歴史資料としては当然ながら姫路城となるのだが、ここに1/50サイズで現存12天守の模型を並べてあり、姫路城の大きさが際立つ展示となっている。さらに同様の1/50サイズの江戸城の天守閣もあるのだが、さすがにこれを姫路城と並べてしまうと姫路城が小さく見えてしまう(確かに江戸城天守閣と比べると、姫路城天守閣は小天守ぐらいである)ので、これだけは少し離れたところに置いてあるという気の使いよう(笑)。

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手前から、丸岡城、犬山城、松本城、彦根城、そして姫路城

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姫路城

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手前から、松山城、備中松山城、高知城、宇和島城、丸亀城、松江城

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最北の現存天守、弘前城

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江戸城天守だけは少し離れたところに置いてありました

 企画展として昭和やそれ以前の玩具などが展示されていたが、これがなかなかに泣ける。特に昭和の展示は泣ける。もっとも対比として現在として展示されていた作品が明らかに現在よりは古すぎるんだが・・・。セラムンは平成最初期だし、ガンダムやアンパンマン、さらにファミコンに至っては完全に昭和なんですが・・・。ところでレイちゃんはどこいった?

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これは泣ける

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昭和中期の玩具

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現在とあるんだが、どう見ても少々古い

 急いで駐車場に戻ると(ここの駐車料金は1時間までが200円でそれを過ぎると600円に急上昇する)、車を出して次の目的地へ。私が駐車場に入る時には数台だった行列が、この間に数十台の行列に伸びていることに唖然とする。今日の姫路はどうなってるんだ?

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北側から見た姫路城

 次はこの近くの三木美術館へ移動する。。無料の立体駐車場までついているという小さいが綺麗な美術館である。そもそもは美樹工業株式会社の創業者の三木茂克氏が個人コレクションを元にして開館した美術館であり、典型的な「オーナー社長が道楽で作った美術館」である。もう三木茂克氏は故人とのことであるし、事業としては全く採算が合わないのは確実なので、この美術館の今後は美樹工業株式会社のこれからの業績如何だろう。所詮は美術や音楽などは道楽の世界になるので、このような趣味人がいないと成立しない。目の前の決算で右往左往する守銭奴経営者ばかりになると、真っ先に無駄として切り捨てられる運命にある。とにかく今の日本はこういう無駄を楽しむ余裕がなくなった。それが最近の日本に貧しさを感じる原因の一つでもある。

「人物画の世界」三木美術館で5/19まで

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 所蔵品の人物画などを展示。展示点数は決して多くはないが、伊藤深水や鴨居玲、さらには小磯良平に東郷青児などといったところの良品が展示されていた。個人的には岡田三郎助の作品まであったのがうれしいところ。

 また同時に今井政之氏の陶器なども展示してあり、これもなかなか面白い。また隠﨑 隆一氏の大胆な陶器作品もかなり目を惹くものであった。


 先ほど姫路城周辺をうろついていた時に、姫路文学館で動物画展があるとの案内を目にしたので、ついでにそこに立ち寄ることにする。それにしても今日は暑い。車でウロウロしているのに脱水で死にそうである。途中でローソンに立ち寄って麦茶を買い込んで給水。これからのシーズンはミネラル麦茶や伊右衛門がマジでライフラインになってくる。

 姫路文学館は姫路城西の込み入った住宅街の中。そんな中に斜面を活かしたいかにも今風のコンリート建築が建っている。

 常設展示には物語を通して姫路の歴史をの類いのものもあり、じっくり見ていくとそれなりに時間をつぶせそうだが、今回はそんなにゆっくりするつもりもなかったのでこの辺りはザッと流して、特別展の方を見学する。

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姫路文学館

「いきものだいすき! 藪内正幸の動物画展」姫路文学館で6/16まで

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 動物画の第一人者であり、図鑑だけでなく絵本、挿絵、広告など幅広く展開して活躍した藪内正幸氏の作品を展示。

 そもそも図鑑絵だったというだけあって、とにかく精緻で正確という印象の作品。絵本用の絵などもあるのだが、決して漫画チックなものではなく、やはりあくまで正確かつ緻密な描き込みを行っている。とにかくその絵は羽の一筋までにもこだわりが見られる。作品を通じて感じられるのは、とにかく動物を好きな人なんだなということ。


 それにしても今日は灼熱地獄のせいかやけに疲れた。帰宅する前に文学館の南館にある喫茶「水屋珈琲」に立ち寄り、フレッシュミックスジュースとベーコンエッグサンドで一息つくことにする。フレッシュジュースのやや酸味のある刺激が心地よい。

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フレッシュミックスジュース&ベーコンエッグサンド

 ゆったりと一息ついたところで帰宅することにした。それにしても意外に疲れた。これからの季節は外出はなかなかしんどいところだ。