徒然草枕

クラシックのコンサートや展覧会の感想など、さらには山城から鉄道など脈絡のない趣味の網羅

格安のDaiwaシートが当たったので、BBC Proms in OSAKAを聴きに行った

 今日はBBC Promsの公演を聴きに行くために大阪に出向いた。この秋は来日オケが目白押しで経済的に破綻状態にあるため、平日のこの公演はパスするでいたのだが、スポンサーの大和証券による格安のDaiwaチケット(1000円)が販売されるとのことなので、その抽選販売に応募したところ何と当選したという次第。本場のBBC Promsは格安の立ち見席があるらしいので、それに習ってスポンサーのご厚意により格安チケットを販売したとのこと(日本のホールに立ち見席はないので着席できます)。くじ運の持ち合わせが皆無でクジの類いにはまずは当たらないという私なのだが、購入希望者が少なかったのか、それともようやく私にも運が向いてきたのかは不明だが、とにかく当たったものは行かないとというわけで大阪まで出向いた次第。

 

大阪駅で夕食は博多ラーメン

 仕事を早めに終えてから大阪に移動すると、会場であるザ・シンフォニーホールに駆けつける前に夕食を腹に入れておくことにする。立ち寄ったのは大阪駅の「博多一幸舎」「味玉チャーシュー麺」に「ご飯」と「餃子」を付ける。「魅惑の炭水化物フルコース」だが、同時に「糖尿病患者はさっさと死ねコース」でもある。

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博多一幸舎

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ラーメンと白ご飯

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そして餃子

 細麺のいかにも博多ラーメンという麺が実に美味いが、正直なところスープが私には濃すぎ、いささか塩っぱすぎるように感じられる。こういうのに慣れてしまうと、健康カプセルで言っていた「デブ味覚」ってやつになってしまうんだろうか。

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 夕食を終えるとホールへ移動する。ホール内は9割方埋まっていて結構な入りである。なお私の席は正面2階席の隅。格安席だからどうせ3階の2列目の見切れ席かP席だろうと思っていたのだが、予想よりも遥かに良い席である。なお本公演はP席には観客は入れなかった模様。

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予想していたよりは遥かに良い席

 

大和証券グループpresents BBC Proms JAPAN 2019 Prom2(プロム2)BBC Proms in OSAKA(BBC プロムス・イン・大阪)

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[管弦楽]BBCスコティッシュ交響楽団
[指揮]トーマス・ダウスゴー
[ピアノ]ユリアンナ・アヴデーエワ

メンデルスゾーン:序曲「フィンガルの洞窟」 op.26
チャイコフスキー:ピアノ協奏曲 第1番 変ロ短調 op.23
マーラー:交響曲 第5番 嬰ハ短調

 最初のフィンガルはあまりにも前のめりの演奏。ダウスゴーがかなりのペースで突っ走ってしまい、海に面した洞窟の曲と言うよりも、その洞窟の前をモーターボートですっ飛んでいくというイメージ。正直なところ情緒もへったくれもない。またBBCスコティッシュ交響楽団も精緻なアンサンブルを聴かせるというタイプのオケではないようで、ところどころでアンサンブルの怪しいところが耳につく。さらにはダウスゴーの痙攣のような指揮スタイルが極めてタイミングを取りにくいものであり、もしかするとこれもアンサンブルが甘くなる一因かもしれない。

 アヴデーエワをソリストに迎えてのチャイコフスキーは、いきなり冒頭からダウスゴーがすっ飛んでいきそうになるところを、アヴデーエワが主導権を握った途端にテンポを抑え気味にするという印象。オケは飛ばそうとし、ピアノはそれを抑えるという奇妙な緊張感のある第一楽章となった。第二楽章も似たような様子だったのだが、第三楽章になると今度はアヴデーエワがオケよりもペースを上げてくるというように立場が反転。怒濤のように曲を終えてしまった。さすがにアヴデーエワの演奏は堂々とした見事なものであったが、バックとのどことなくギクシャクした雰囲気が曲への集中を妨げてしまうきらいがあった。

 正直なところここまでで「何かイマイチだな」という印象を抱いたが、元々1000円の公演だし仕方ないかと考えていたところ、休憩後のマーラーになると演奏が一変した。あれだけせわしない演奏をしていたダウスゴーが、一転して腰を据えてじっくりとマーラーの音楽を描き出したのである。14編成から16編成に拡大したBBCスコティッシュ交響楽団の演奏も、前半と違って気合いの入ったキレの良いものとなっており、かなりノリが良くなっているのがビンビンと伝わってくる。もしかして後半のマーラーをじっくりやるために前半を急いだのか?との疑問まで湧いてくる状態。それなら最初からフィンガルをプログラムに入れるなよと言いたくなるところ。

 ダウスゴーのマーラーはかなり細かいテンポ変動も多い濃厚で劇的な表現である。テンポを落とし目でドラマチックに描いた第一楽章に、徹底的に美しく表現した第四楽章などが印象に残る。そしてクライマックスの第五楽章は様々なニュアンスを含みつつ見事に完結。マーラーの心の機微さえ表現しようとしているかのような濃厚で熱さのある演奏であった。ダウスゴーの指揮スタイルは相変わらずギクシャクとした奇妙なものではあったが、かなり熱が入っていたのは間違いなかった。

 この時点で場内は結構な盛り上がりとなったのだが、アンコールは威風堂々。歌詞が配られていたので場内の皆さんも歌ってくださいという趣向だったのだが、さすがに英語の歌をぶっつけ本番で歌える観客はほとんどおらず(たとえカタカナで読みを振ってあっても)、歌声はあまり聞こえては来なかったのだが、オケの熱の入った演奏に場内は大盛り上がりで、演奏終了直前に既に場内は「ウォーッ」状態。お祭りに相応しい大盛り上がりとなってコンサートは終了したのである。

 終了した時点で21時半。なかなかの長時間公演になった。だから前半あんなに急いだのか? しかしそれならやはりフィンガルをプログラムから抜いておけば良いのに・・・。


 最初はパスするつもりの公演だったのだが、結果としてはめっけものということになった。ただ予定していたよりも終演がかなり遅かったので、駅まで早足で移動することになったのである。明日も仕事だ。ああ、休みてぇ(笑)。