今日は大阪フィルの定期演奏会である。ここのところ、ウィーンだの、ベルリンだの、ロイヤルコンセルトヘボウだのと洋物の高級品ばかりを賞味してやや胃がもたれてきた感があったので、久しぶりの地産地消である(笑)。
木曜の仕事を終えると大阪に移動する。夕食をどこで取るかに迷ったが、時間の余裕がないので遠くまで行ってられないし、やや疲れ気味で特に何を食べたいという気が起こらないので、久しぶりに駅ナカの「えん」で「鯛茶漬け」を食べることにする。
濃いめのごまだれに和えた鯛の身を出汁茶漬けで頂く。一番シンプルかつ一番ホッとするメニューでもある。
夕食を手早く終えるとフェスティバルホールに向かう。
大阪フィルハーモニー交響楽団 第533回定期演奏会
指揮/準・メルクル
ピアノ/児玉麻里、児玉桃
ドビュッシー:子供の領分
:牧神の午後への前奏曲
武満徹:夢の引用
シューマン:交響曲 第3番 変ホ長調 作品97「ライン」
ドビュッシーに関してはもう少しキラキラした感じが欲しいような気がする。メルクルは色彩的な演奏を目指している印象を受けるのであるが、大フィルの管楽器に今ひとつの冴えがなく、音色がやや暗いめ。そのせいか今ひとつ輝きを感じない演奏になってしまった。
児玉姉妹のピアノは優美という印象。これが武満のキラキラした曲調と相まって非常に美しいサウンド。ただし曲自体はあまり印象に残らないところがある。
ラインについてはメルクルの指揮は非常にキビキビしたややアップテンポ気味のものであるのだが、どうも大フィルがこのテンポについて行けていない印象を受ける。特に冒頭からいきなり飛ばし始めたメルクルについていけずに、弦楽器がややグチャグチャした印象に。その後も今ひとつのアンサンブルの甘さを感じさせる場面が多く、全体的にキレや冴えを感じさせない演奏になってしまった感がある。
どうもメルクルの意図と大フィルの意志が今ひとつかみ合っていないというか、十分に意思疎通が取れていない印象を受けた。メルクルの指揮は躍動感のあるものなのであるが、大フィルから出てくる音楽には今ひとつ躍動感がなかったという印象。最後までどことなくちぐはぐな感覚が拭いきれなかったのである。世界の一流を立て続けに聞いたせいで耳が肥えてしまったのではないと思うが、今日の大フィルは正直なところ今ひとつという印象であった。
コンサートを終えると直行で帰宅する。まだ明日も仕事である。正直しんどい。