徒然草枕

クラシックのコンサートや展覧会の感想など、さらには山城から鉄道など脈絡のない趣味の網羅

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アニメ関係の記事は新設した「白鷺館アニメ棟」に移行します。

白鷺館アニメ棟

長年の悲願かなって阿蘇火口見学の後、阿蘇の司ホテルで宿泊する

竹田を後にするといよいよ阿蘇へ

 竹田を出る前に阿蘇の情報をチェックしたら、ガスの影響で一部地域に立ち入り規制がかかっているとのこと。これが全域になる前に阿蘇に急ぐことにする。阿蘇に向けて国道57号をインプレッサで突っ走る。

 快速に突っ走るインプレッサは途中で外輪山越えの急傾斜のワインディング道路を経由することになる。登りはオートマに任せたままで、下りはマニュアルモードにしてギアをガチャガチャやりながらの走行。スポーティーにシャープな走りとまでは到底行かないが、ようやくこの車の走らせ方が少し分かってきたような気がする。それにしてもパワーレンジに余裕のある車は運転が楽だ。

 外輪山を越えると阿蘇駅の手前で南下、一直線に阿蘇山を目指す。これは今まで何度か通ったことのある道だ。かなり急な斜面を直登することになるが、やはりパワーに余裕のある車は楽である。アクセルを踏んだ時の反応性が段違い。これがノートやヴィッツなら、アクセルを思い切り踏み込んだ途端にガタンとギアが落ち、そこから2拍ぐらい置いてからスピードが上がり出すのだが、インプレッサはパワーに余裕があるので、車重が重いにもかかわらず直ちに反応する。だからちょっとアクセルをふかしたら後の車を置き去りにしていくことになる。こういう車に乗っていたら、自分の運転が上手いと勘違いしそうだ。

 阿蘇山には多くの観光客が来ている。山頂が混んでいないかが気になるところ。草千里の手前ぐらいまで来たところで急に車列が停止するので、まさかこんなところから渋滞が?とビビったのだが(以前に実際にこの辺りが車列が続いているのを帰りの対向車線から見たことがある)、単にバカップルが道路の真ん中に車を停めて記念写真を撮っていただけだった(あまりの非常識さに、思わずその馬鹿面を写真に撮って晒してやろうかとの考えさえ一瞬頭をよぎった)。

 山頂が近づくと向こうの方で白煙が上がっているのが見える。山頂に行けるだろうかとネットを調べたところ、逆に一部規制も解除になって全面見学可能になっている模様。どうやら今回はお山が私の見学を許してくれたようだ。長年の片思いがようやく実ったというところである。

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前方で白煙が上がっている

 山頂の阿蘇山ロープウェイの廃墟(以前来た時にはロープウェイはまだ運休中で残存していたが、どうやら廃止が決まって撤去したらしい)までたどり着くと、そこからは有料道路に入る。

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有料道路の風景

 この有料道路が長さは大したことないが、風景が急にいかにも火山のものとなるので自然にテンションが上がる。

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山頂駐車場に到着

 

火口を見学する

 山頂の駐車場は結構大勢の観光客でごった返している。車から降りると「ガスが出ているので、ぜんそくの方、気管や心臓に疾患のある方は見学を中止してください」の案内がずっと流れている。実を言うとは私はぜんそく持ちなんだが、まあそんなに重症なわけでもないのでここは決行する。

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山頂の風景

 火口に近づくともうもうと白煙が上がっている。煙が激しすぎて火口の中は見えない。まさにホットスポット、地球のエネルギーをもろに感じる地である。

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阿蘇の火口

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まさに大地のパワーを感じる

 あちこちに万一の場合の避難小屋があるが、かなり朽ちているものもあり、果たしていざという時にこれで役に立つのだろうかの疑問はある。それに多分、ここにいる全員を収容するのは無理だろう。万一の際は運を天に任せて走ってでも良いから逃げ出すしかないようだ。待避壕に逃げたところでもし火砕流が発生するような状況にでもなれば一巻の終わりだし。しかし車で逃げ出したら渋滞で動けないと思うし、斜面を全力で駆け下りるのとどちらが正解だろう?

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トーチカのような避難小屋

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しかし噴石が直撃したら保ちそうにない

 山頂は活発に活動している現在の火口の他にもかつての火口が複数並んでおり、そういうところは独特の地形を見せている。非常にダイナミックな光景であり、思わず「これが日本の風景か?」と言いたくなるところ。全てが壮大すぎて今ひとつピンとこないところもある。

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これだけ火口があるらしい

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第3火口

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第4火口には柱状節理が見える

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溶岩が結晶化した柱状節理

 

阿蘇の司ホテルで宿泊することに

 お山を散々堪能した頃には日は西に傾き始めていたので山を下りることにする。結局はこの日は昼食抜きになってしまった。石垣で満腹してしまって昼食を摂っている暇がなかった(笑)。腹が減っているが、今頃何かを食べると夕食の時間を考えると中途半端になってしまうので、空腹のままホテルを目指すことにする。今日の宿泊ホテルは阿蘇の司。大昔から阿蘇にある有名な老舗ホテルで、私が小学生の時に修学旅行で宿泊した記憶がある・・・と言ってもはるかに昔なので何の記憶も残ってないし、施設も当然ながら完全に変わっているだろう。

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阿蘇の司ホテル

 山を下りるとホテルはすぐにそこ。かなり大きなホテルである。ちょうどゾロゾロとチェックインしている時間なので手続きでしばし待たされる。体温チェックがあったりなどなかなかに警戒厳重である。ホテル内は熊本のVIPであるくまモンと、このホテルの若女将をモデルにしたというゆっきーなるキャラで溢れている。

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熊本のVIPとゆっきー

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アマビエゆっきー・・・最早意味不明

 部屋はかなり広い。ツインの部屋のようである。しばらくくつろいでから大浴場へ繰り出す。ナトリウム・マグネシウム一硫酸塩・炭酸水素塩温泉という湯はややヌルっとした感触のある湯。

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立派な部屋だ

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しかしさり気にくまモン王国

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ここにもいた

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窓からは阿蘇山が

 入浴を終えるとホテル内をプラッと散策する。複数の建物があるかなり複雑で巨大なホテルだ。下手すると迷いそう。一回りして戻ってくると部屋で原稿入力作業。本遠征は何かとワーケーションの時間が多い。最近になって運営ブログを3つに増やしたのが祟って年がら年中原稿書きに追われているような状況になっている。全く何を好き好んで自ら締め切りに追われる漫画家のような状態になっているんやら・・・やっぱり何か人生を間違ったような気がする今日この頃。

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風呂上がりのかぼすちゃん

 しばし原稿書きで時間をつぶしていると夕食の時間がやって来るので夕食に出向くことにする。

 

夕食は豪華な会席料理

 夕食はレストランで。いわゆる会席料理というやつである。私は飲み物にコーラを頼んだが、そもそも酒を飲まない人間なので、ご飯を先に持ってきてもらうように頼む。最近は飲まない人間が増えたのか、ご飯を先にというパターンが結構普通に通用するようになって来たのはありがたいところ。

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豪華会席料理だ

 食前酒が甘酒というのが私にはうれしい。梅酒やワインなら飲めないが、これなら私にも飲める。さっぱりとした飲み口のなかなかに美味い甘酒だ。

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刺身とあん肝豆腐

 小鉢と前菜から頂くが、小鉢の鮟肝豆腐が美味い。この味の深さが鮟肝か。そして前菜も可不足なく美味い。これで大体料理人の腕に間違いがないことが分かる。

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留椀の塩ちゃんこ

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絶品の土瓶蒸し

 刺身はこんなもの。留椀の塩ちゃんこが無性に美味いが、それ以上に美味いのが吸い物の土瓶蒸し。蓋を盃にして一杯頂いたところで「なんだこりゃ」という声が思わず出た。美味すぎる。松茸やエビに鶏などが混然一体となったところに、後から絞ったスダチが効いて何とも言えない複雑な美味。

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すき焼きが煮えてきた

 そうこうしているうちにすき焼きが煮えてくる。あか牛のすき焼きだが、霜降り牛肉よりもさっぱりしていて私好み。最近はあかうしの評価が上がってきているというが、それが正解だろう。霜降りは霜降りで美味いが、少々しつこさを感じることが多い。あかうしはこのさっぱりした風味が売りだ。

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茶碗蒸し

 後は茶碗蒸しがついて、最後にお汁粉が出てきて終わり。このお汁粉がなぜか妙に香ばしくて奇妙な美味さがあった。

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最後はお汁粉

 夕食を思い切り堪能したのである。この辺りの満足度はさすがに高級旅館(なんて言ったら鼻で笑う人もいるだろうが、私基準ではここは完全に高級旅館である)。

 

和菓子をつまみつつ夜のお仕事

 この後は部屋に戻ってワーケーション。テレビをつけたがろくな番組がないのですぐに切ってしまう。ある程度作業したところで竹田で買い求めた菓子を出してきて夜食。片方の饅頭はいわゆる上用とは違って中は黄身餡で、衣もゼラチン的なプルっとしたもの。もう一つの饅頭は焼いた皮でこしあんをくるんだというよくあるタイプ。どちらも餡の味が良いのでなかなか美味い。やはり和菓子は餡の味がほぼすべてを決める。伊達に老舗を名乗っていなかったようである。

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竹田で買い求めた和菓子

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美味そうである

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こちらの饅頭は黄身餡

 寝る前にもう一度ゆったり入浴して再度体をほぐす。今日は岡城に加えて阿蘇の火口でも結構歩いているので軽く1万4千歩を超えている。足に時々引きつったような痛みが出ているので、よくほぐしておかないと明日以降に響く恐れがある。

 たっぷり入浴して戻ってくると、昨日の今日でしかもハードワークだったことからやはり疲れは濃いので、今日もやや早めに就寝することにする。