徒然草枕

クラシックのコンサートや展覧会の感想など、さらには山城から鉄道など脈絡のない趣味の網羅

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アニメ関係の記事は新設した「白鷺館アニメ棟」に移行します。

白鷺館アニメ棟

熊本に移動して、熊本城の現状を視察する

熊本へ移動することにする

 翌朝は6時前に起床。まずは風呂で体を温める。その後はレストランで和定食。なかなかに高級感がある上に美味い。

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高級感のある和定食

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釜戸ご飯がうれしい

 部屋に戻ってくると中華パッドを出してきて家のBDレコーダーに接続してみる。昨晩は途切れ途切れ再生だったが、今朝は接続者が減ったのか良好に再生できているので録画済み深夜アニメをまとめてチェックする。

 さて今日の予定であるが、熊本まで移動して熊本城を見学したい。これも本遠征の主要目的の一つ。熊本城には以前にあの地震の直後に訪問しており、あちこちの惨状を目の当たりにしている。それから修復事業がどこまで進んでいるかの現状を見ておきたい。

 チェックアウト時刻直前まで今回の旅行記や新ブログ用の記事などを執筆して時間をつぶす。ホテルをチェックアウトしたのは10時ちょうどぐらい。ここからは車でひたすら熊本まで突っ走る。先の地震では阿蘇大橋が崩落するなどの大被害が出ていたのだが、道路は一応整備されて走れるようにはなっている。橋の方も建設中との話。一応震災復興はインフラレベルでは進められているようだ。

 東の方は西と違ってあからさまな外輪山越えがない(と言ってもある程度のアップダウンはあるが)から運転は随分楽だ。熊本までは順調に到着する。

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熊本市街に到着した

 しかし熊本は市内に入ってからが大変だ。道路は渋滞しているし、入り組んでいる。しかも熊本城までようやく到着して車を置こうとしたら駐車場が分からない。ナビに従って熊本城内をウロウロとしていると途中で神社近くの渋滞に捕まって万事休す。駐車場を目指すならここからUターンした方が良いと誘導の人に言われたので車を引き返すことに。かなり手こずってからようやく二の丸駐車場に到着する。

 

熊本城の復興状況を視察する

 ここが熊本城観光の拠点のようだ。駐車場の脇に熊本城見学のためのチケット売り場がある。そこでチケットを入手して熊本城天守へ。どうやら見学用の空中歩道が設置されていて、そこから熊本城を見学するようになっているようだ。

 西大手櫓門の跡を抜けて天守閣に向かう。北方に見える戍亥櫓は健在だが、その手前の石垣は大規模に崩落しており、それは手つかずのようだ。

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戍亥櫓手前の石垣は崩落したまま

 天守のある本丸へは陸橋で門の跡や石垣を越えて入る形になっている。全体的に石垣の崩落にはまだ本格的に手がつけられていない印象。さらなる土の崩落を防ぐために表面にモルタルを吹き付けている箇所もある。石垣は元通りに積み直すために、まずは石の場所をチェックするという気の遠くなるような作業が必要なために簡単には手をつけられないのだろう。

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天守方面へは陸橋で進む

 宇土櫓が近くに見えるが、遠目にはほぼ無傷に見えた宇土櫓もこうして見ると壁の崩落などかなりの被害を受けている。とにかくこの現存櫓が倒壊しなかったのは救いだが。

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宇土櫓も近くで見ると損傷が著しい

 振り返ってみた南大手櫓門も建物全体が歪む大被害を受けている。鉄材をかまして支えてあるが、これもいずれは解体修復だろうか? 手前の西大手櫓門などは既に解体した模様である。土台の石垣からやられているから、解体して組み直すしか手がないんだろう。

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完全に歪んでいる南大手櫓門

 

天守だけは修復が結構進んでいるようだが・・・

 鉄筋コンクリートの天守は修復が進んで見た目は綺麗になっている。小天守との間の石が崩れたと聞いているが、そこは今どうなっているのかはここからはよく見えない。

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修復工事の進む天守閣

 ここから復元された本丸御殿の下を潜って天空回廊に進むことになる。本丸御殿の建物もかなりの被害が出たと聞くが、立ち入り禁止なので内部の状態は分からない。ただ外から見ただけでも壁の崩落はあちこちで起こっている

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本丸御殿の下を潜る

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壁の崩落ななどの被害はかなり出ている

 

本丸南部は石垣が壊滅的

 本丸の南側の石垣群も惨憺たるものだ。奇跡の一本石垣で支えられて話題となっていた飯田丸五階櫓はもう既に解体されて撤去されたようだ。これから石垣からやり直しをする模様。これも修復されるのはかなりかかるだろう。

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本丸南部石垣の惨憺たる有様

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震災直後の飯田丸五階櫓

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現在は完全に解体撤去されている

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土台の石垣からやり直している模様

 さらに進むと数寄屋丸の下の石垣が崩れて建物が歪んでいるのが目に入ってくる。ここは見たところ手つかずに見える。

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数寄屋丸は石垣が崩落して建物が歪んでいる

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天空回廊

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モルタルで仮止めした崩落箇所も多い

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この櫓は無事そう

 一回りして降りて来たが、全体の印象としては「確かに復旧作業は始まっているが、まだ実質的にはほとんど手つかずに近い」というものである。とにかく石垣一つ積み直すにしても、各石の元の場所を定めるところから始めないといけないから膨大な手間である。そのためにまだ手をつけられていない箇所が大半であるという印象を受けた。正直なところ完全修復には何年かかるんだろうと気が遠くなりそうで、私が生きているうちに完全復活した熊本城の姿を拝めるだろうかと不安になってきた。

 

桜の馬場のわくわく座を見学

 駐車場に戻る前に桜の馬場に降りてこの辺りにある土産物屋や飲食店を覗くことにする。まず最初に覗いたのは熊本城ミュージアムわくわく座。実は天守見学とここの入場券がセット販売となっている(セットでない券もある)ので、それを購入していた次第。

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桜の馬場

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わくわく座

 内部には熊本城の被害の惨状を伝える展示が大半。元々は熊本城の歴史を伝える主旨の施設だったようだが、この惨状に主旨が変わったようだ。

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熊本城プロジェクションマッピング

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震災での被害の状況

 2階ではステージがあって江戸時代の熊本城をVRで復元するなどの企画上映がされている。また熊本城の古写真を展示したコーナーなどもあり。正直なところ博物館としては大したことはないが、ザクッと一回りするのも悪くない。

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VR熊本城

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こんな出し物もあり

 

喫茶で一息つくことにする

 かなり疲れてきたので一息入れることにする。「香梅庵」に立ち寄る。ここは有名な熊本の銘菓である陣太鼓を販売している会社のようだ。陣太鼓を入れた陣太鼓ソフトなどもあり、実はこれは以前に食べたことがある。しかし今日はそれよりはぜんざいの気分。

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香梅庵

 焼き餅が香ばしくて美味い。あずきもなかなかに上質。ホッと落ち着く一品である。添えられているのはほうじ茶だろうか。また甘いぜんざいには塩昆布はなかなかに合う。

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ぜんざいでホッとする

 

このまま桜の馬場で昼食を済ませるが・・・

 とりあえず一息ついたところで土産物などを物色してウロウロ。そうこうしているうちに雨がぱらつき始める。城下に昼食を摂りに繰り出そうかと考えていたのだが、それも面倒臭くなってきたのと、雨宿りも兼ねて近くにあった「海まる」に飛びこむ。

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海まる

 しかし待ち客が3組ほどいたようでかなり待たされる。中を覗くと空き席が結構ある様子なのになぜか客を入れない。コロナ対策と言うよりもどうも厨房が対応しきれなくて回っていない模様。実際に何も出ないままテーブルで待たされている客が多いようだ。この時点でかなり怪しげな雰囲気だったが、他所の店も似たり寄ったりだし、諦めて待つことにする。

 結局は30分以上待たされてから入店。この店はウニが中心の店のようだが、肉丼などもあるようで、組み合わせた「うにく丼」なるメニューがあったのでそれを注文する。

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うにく丼

 見た目は悪くないのだが、ここの海外から輸入したというウニが若干の苦味があって今ひとつ。やはり北海道産などのようにはいかないようだ。2000円ちょっとで昨日のGoToクーポンが2000円あるから自己負担は数百円だが、まあCPが良いとは言えないだろう。まあこの場所で昼食を摂ることを決めた時点でそれは捨てているが。

 昼食を終えたところでやや早いがもうそろそろホテルに入ろうかと考える。