徒然草枕

クラシックのコンサートや展覧会の感想など、さらには山城から鉄道など脈絡のない趣味の網羅

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アニメ関係の記事は新設した「白鷺館アニメ棟」に移行します。

白鷺館アニメ棟

秘湯長湯温泉で極上の湯を堪能する

雨の中を長湯温泉に移動する

 翌朝は7時ごろには起床する。朝食はバイキングだが、ご時世柄小分けにしてあるので、これは相当に手間がかかっている。なお最初に洋食の方しか目につかなかったので、時世柄朝食を簡略化してトーストだけにしたのかと思ってそちらで済まそうとしたのだが、よく見ると食堂の奥の方で和食も出していた。と言うわけで今日もいつものように和洋両様朝食となる。

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ドーミー洋食

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和食は奥にありました

 朝食の後はしっかりと入浴して身体を温める。チェックアウト時刻は11時なので、それまでタップリとホテルに滞在して原稿入力。本当に私の遠征ってワーケーションそのものなんだよな・・・。

 

 昨晩から雨がぱらつきだしていたが、今日は本格的に雨が降っている。幸いにして今日は特別にどこかに立ち寄る予定はなく、宿泊地である長湯温泉を目指すだけ。かなりの雨なので観光を予定していたら眺望が全くないところである。11時までホテルで粘ってからチェックアウト、そのまま長駆して長湯温泉を目指すことにする。

 カーナビに記載されていない復興道路を経由して阿蘇を抜ける。こういう時はGoogleマップのみが頼り。途中から国道57号に合流して外輪山越えだが、霧で視界が悪い上に路面がウェットコンディションなので往路に比べるとかなり走りにくい。事故ったら洒落にならないのでかなりスピードを落として慎重に走行することにする。

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雨の中、復興道路を突っ走る

 途中で県道40号に折れて北上することになるが、その前にその手前の道の駅にあるそば処岩戸開で昼食を摂ることにする。オーソドックスにカツ丼のセットを注文。可もなく不可もなくの無難な昼食である。

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可もなく不可もなくのカツ丼セット

 

長湯温泉に到着した

 昼食の後はひたすら北東方向に向かって走ることになる。乗り慣れない3ナンバーの車で狭い山道を走るのは嫌だなと考えていたが、幸いにしてセンターラインがなくなったのは一瞬で、その間に対向車に出くわすこともなく順調に目的の宿に到着。今回の宿泊宿は「長湯温泉かじか庵」。日帰り温泉施設+食堂が宿泊もやっているという雰囲気。

 あまりに順調すぎてチェックイン時刻の1時間前に到着してしまったが、部屋には入れる模様なので部屋に入ってくつろぐことにする。

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オーソドックな和室である

 しばしはワーケーション状態だったのだが、やはり風呂には入っておくべきだと大浴場に向かう。チェックインの際に、貸切風呂を使うこともできると言われたのを思い出しので、まずは貸切風呂に入浴することにする。

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貸切風呂

 貸切風呂は内風呂一つのシンプルなものだが、そこに湯の花がたっぷりと浮いた新鮮なお湯がなみなみと注がれている。一切のごまかしなしのまさに源泉かけ流しである。ここの風呂は新しい湯を底入れして、中の湯は底出しで排出しているとのことだから、湯の花などは大量に浮くことになる。今どきはこれが湯垢と区別がつかずに「大量の湯垢が浮いていて不潔で入浴できなかった。星1つ。」なんて口コミしてしまう輩もいるから大丈夫だろうか? といささか心配になる。湯舟なんかも温泉析出物で茶色い層が付着していたりするが、こういうのも「清掃ができていない。不潔。」なんて口コミしたりSNSで流すバカが今時は本当にいるからな・・・。何も知らずにしたり顔で馬鹿情報を垂れ流しする奴の弊害は実は今時無視出来ない。実際に鯉料理なんかでも「ウロコがついていて気持ちが悪い」なんていう馬鹿が増えたせいで、甘露煮にした時に抜群に美味いウロコ(ゼラチン質そのものなのである)をわざわざはがして煮る店が増えて、ガッカリさせられたことが何度もある。とにかく「何も知らない馬鹿は何も言うな」と言いたいのが本音。

 

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表面には湯の花がビッシリである

 泉質はマグネシウム・ナトリウム・カルシウム-炭酸水素塩泉とのことだが、溶存炭酸ガス成分も多い。そして湧出温度46.6℃という奇跡の湯なので、非加熱、非加水、非循環の純然たる源泉かけ流しである。そのために湯は若干ぬるめなのであるが、炭酸ガス成分が多いせいもあり実は温まる湯である。炭酸ガスを圧力かけて溶かし込んでいる人工炭酸泉のようなこれ見よがしな泡の付着はないが、湯の肌触りで炭酸を含んでいるのはよく分かる。何よりもやや温湯にもかかわらず、浸かっていると体がポカポカ温まってくるし、一番驚いたのは湯に浸かっていない肩が触ってみたら表面は冷たいにもかかわらず、内部からポカポカしてきたこと。明らかに血行促進が行われている。

 これは何とも強力な湯である。実にわざわざこんなところまで来てよかったと思わせるだけのポテンシャルがある。山間の秘湯などと言われているのは全く伊達ではなく、今まで私が遭遇した中でも有数のレベルの湯である。

 結局は貸切風呂で30分以上湯を堪能した。まさに今回の温泉巡りツアーのクライマックスと言っても良い湯であった。

 タップリと湯を堪能した後はまた部屋に戻ってひたすら原稿執筆。そして書いた原稿を片っ端からネットにアップ。何だかんだで数時間をそれで過ごす。何か旅先になるとやけに仕事に勤勉になる私。本職の方をこの勤勉さで次々と解決していっていたら、恐らくは今頃は少なくとも所長ぐらいには・・・。

 

夕食は現地食

 夕食は昼食が若干遅めだった上にこの日は身体を動かしていないことから、夜の7時に指定しているのでその時間に大広間へ。個別に区切ったスペースに夕食が用意されている。メインの小鉢を集めた籠に、鍋と刺身、それに私のプランはさらに馬刺しとステーキが付くことになっている。

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夕食の会席

 小鉢類は素朴さを感じさせるものだが、なかなかに美味い。野菜類が結構美味い。

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籠盛の小鉢類

 そうこうしているうちに川魚を揚げたものが出てくるが、これが実に美味い。頭からバリバリと骨ごといける。

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この川魚が抜群に美味かった

 刺身と馬刺しはまあ普通に美味しいと言うところか。これに鍋とステーキを頂いたら完全に満腹である。

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刺身と馬刺し

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ステーキ

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さらに鍋

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ハマグリの吸い物

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デザート

 もし腹が不十分だったら近くのコンビニに行くまででも車で相当な距離がある上に、こんな真っ暗な夜道を走るのは嫌だなと思っていたのだが、幸いにしてその心配はなかったようだ。

 この夜は再び今度は大浴場の方で入浴。内湯と露天風呂があるが、さすがに屋外の露天風呂はいささか湯の温度が低すぎて寒いので内湯の方で温まる。体が温まってきたところでこの日は就寝するのである。