ディスプレイのためにスペースにあった台を自作する
私は元々は工作は得意な方ではないのだが、以前から家具に関してはスペースに合わせて合板で自作するという習慣になっている。しかしこの数年は部屋にスペースがなくなっていることから自作はほとんどしてなかったのだが、今回デスク横の物置になっているデッドスペースを有効活用するために台を製作することにした。
そもそもここに台を置こうと考えたのは、3台目(4台目)のディスプレイを設置するため。現在の私の環境は、主にWUXGA(1940×1200)のディスプレイ2台をメインに使用しており、USB接続で以前に使っていたIO-DATAの15インチ(1024×748)を補助として接続しているが、この15インチは実際には作業スペースとしては生きておらず(Googleカレンダーを出しっ放しにしてスケジューラとして使用しているだけ)、メインの2台でのみ作業を行っていた。しかし昨今はChromeの画面を次々と切り替えて作業を行うことが多く、デスクトップスペースが狭いと感じ始めていた。そこで今時はWUXGAのディスプレイも3万円以下であることだし、これにUSB用のアダプタをつけてトリプルディスプレイにしようと考えた次第。
そうなるとディスプレイ設置スペースが必要となるので、PCデスク左のデッドスペースを台で塞いでここにディスプレイを設置してやろうと考えたわけである。
こういう「空きスペースに無理矢理に押し込む台」となると、まずは市販品でピッタリのサイズの者が見つかる可能性は皆無。そこでここはやはり自作するしかないという考えに至った次第である。
機能重視のお手軽木工(不器用な私向き)
なお私の自作には大原則がある。それは「見栄えよりも機能重視」ということに尽きる。そもそも見栄えの美しいものを作るだけのテクニックを持ち合わせていない上に、見栄えを良くしようとすると塗装したり何やらととにかく時間と手間がかかるので「そこまで暇を割けない」というのが一番の原則。だから「使えればそれで良い」という考えてある。そのために昔に私が作った家具類はすべて合板製(デッドスペースの奥に見える家具類がすべてそうである)で、塗装をしなくても良いように荒いラワン合板でなく目の細かいシナ合板を使用していた(本来はこのシナ合板を塗装すれば非常に綺麗に仕上がるのだが)。もっともデスクに使用するとなると、天板が合板のままではあまりに滑らかさ等で劣ることになるので、今回は天板にはパインの集成材、足の部分にはヒノキの角材を使用することにした。
このタイプの工作は数年前に現在のPCラック兼サイドデスクを製作した際に用いた手法であるが、作ってみると思いの外具合が良かったので、今回もこのパターンを用いることにした。なおサイドデスクの場合は釘を使わずに木工用ボンドによる貼り付けだけで製作したのであるが、今回は構造的にやや無理のある形をとらざるをえない事情もあり、強度を持たせるために補強金具を併用することにした。
ホームセンターで材料調達
まずはホームセンターまで行って材料を調達。天板はパインの集成材の600×450×18のものを、スペースに合わせて550にカットしてもらった。足になる部分はヒノキの1820×40×27の角材を奥に隠れることになる棚の高さに合わせてカットしたものを二組。高さを合わせたのは、そうしないと奥の本棚の本が取り出せなくなるから。なお本箱のような複雑なものを製作する時は設計図及び板取図を製作するが、今回は天板に足をつけるだけという単純極まりないものなので構造は頭の中で組み立てて計算した。
これに木工細工には必須の木工用ボンドを調達(永らく使っていなかったので、所有していたものは固化して使用不可になっていた)。後は金具大小を4組×2セット。さらにこれを固定するための皿型のステンレス木ねじである。
使用する工具は今回は釘を使わないので金槌は不使用。なお釘が上手に打てないという人は金槌の選択を間違っている場合が多い。釘を打つのが下手な人は軽めの金槌で怖々とチョコチョコ叩くので曲がるのである。実は私も昔は釘を打つのが下手だったが、ある時に金槌が悪いのではないかと思い至って、頭の重めのしっかりした金槌を購入したら、面白いほどに釘が真っ直ぐに打てるようになった。最初にキリやドリルなどでガイド穴を作って釘を立ててから、それを板の中途まで打ち込んだら、最後はズレないように木を押さえて、力任せに数回で釘を打ち込んでしまうのが鍵である。
なお初心者でも持っていると便利な電動工具と言えば、何と言っても電動ドリル。私も部屋に合わせて木工を多数する必要に迫られた時にこれを購入した。釘を打つ下穴を開けるのにも使えるし、今回のようにネジ止めを使用する場合にはこれは不可欠である。自分で木工などはしなくても、組み立て家具などを製作する時に使用できるので、一台持っていて損はない。
製作は至って簡単
以上の材料を揃えたらまずは足の製作から。基本的には3本の角材を貼り合わせて片側の足を作ったものを金具で止めるだけ。まずは木工用ボンドで貼り合わせてから、数時間経ってそれが動かなくなってから金具を後で取り付けた方がズレたりしないので楽である。
結局はそれを二組作ってから、天板に裏側から取り付けてこれで完成。実にお気楽木工である。本来なら強度を持たせるためにはコの字の足の中央にもう一本桟を付け、さらに二組の足の間を桟で接続するべきなのだが、今回はそれをしたらデスク下のスペースにアクセスするのに困ることになるのであえて省略した。だからこそ強度不足を補うための金具の使用である。
非常にお気楽極楽な木工である。不器用な私でも一応の物が出来るように、なるべく簡単にアレンジしての木工なので、本格的にDIYをやる人が見たら鼻で笑うだろう。元々私は子供の頃から、計画は壮大だが手がそれに付いていかないので、出来上がった作品が構想と似ても似つかないものになっている「構想倒れ男」と散々言われていた人間なのであるから、まあこの程度が限界である。
そもそも私の木工知識や経験なんて、中学校時代の技術家庭科で学んだものがベースである。そこから始まって、今では金槌を奮い、時には半田ゴテまで持つ(ただしノコギリはまともに引けないので板のカットはいつもホームセンターにお任せである)のであるから、中学校の実技教科のありがたみを今更ながら感じている。実際に音楽と美術はそれがベースで生涯の趣味となり、体育は現在運動する時のベースとなっているのだから、実技教科侮り難しである。私のブログを読んでいる現役中学生なんかいないだろうと思うが、もしいたら「入試に役立たないと実技教科を侮るな。これらは人生に役に立つ。」と声を大にして言っておきたい。
今回の経費の復習
さて、これで台は完成した。後はディスプレイの到着を待つだけである。昨今はテレワークのご時世に合わせて自分のデスク周りをリフォームする人が増えているらしいが、私もコロナが流行しだしてから、PCの音響システムを強化したりなどを行っており、今回はさらにその集大成となりそうである。
ちなみに今回の経費は
天板用パイン集成材 1350円
足用ヒノキ材 1067円×2
カット費用 30円×4
ステン金具小 249円×4
ステン金具大 299円×4
木ねじ短 150円
木ねじ長 150円×3
木工用ボンド 189円
合計 6585円(税込み7243円)
金具やヒノキ材などで意外と費用がかかってしまったので、もしサイズがピッタリの市販品があればその方が見栄えも良くて安くつきそうだが、まあそんな都合の良いものは存在しないだろう。それにしても改めて消費税の高さが身に染みる。