チェコフィルもライブ配信をやってました
各地のオーケストラがコンサート中止を余儀なくされている中、チェコフィルも同様の状況のようで、収録映像のライブ配信が行われたのでそれを視聴する。
内容はラベック姉妹(かなり久しぶりに聞く名である)によるブライス・デスナーの二台のピアノのための協奏曲と、ビシュコフ指揮でメンデルスゾーンのスコットランドである。
しかしロンドン交響楽団やミュンヘン交響楽団と言ったところがライブ配信をしているのは知っていたが、チェコフィルとは意外なところまでライブ配信を始めたようである。もっともチェコフィルはヨーロッパ屈指の一流オケなので、当然ながらそのような試みがあっても良いのではあるが。
なおなぜかChromeではバグってまともに再生できなかったので、今回はEdgeを使用して視聴している。未だにこんなことも起こるようである。
チェコフィルハーモニー管弦楽団ライブ配信
セミヨン・ビシュコフ指揮
カティア&マリエル・ラベック(ピアノ)
ブライス・デスナー 二台のピアノのための協奏曲
メンデルスゾーン 交響曲第3番「スコットランド」
ラベック姉妹は30年以上前にまだ学生だった私がクラシックを聴いていた頃に登場し、当時は「美人ピアノデュオ」としてもてはやされた存在だった。それからかなり久しぶりに名を聞いたことになるが、彼女たちもかなり年輪を重ねたようであるが、演奏の方には円熟味が増した感がある。ちなみにマリエル・ラベックがビシュコフの妻とのこと。
正直なところロックギタリストであるというブライス・デスナーの曲は今ひとつ良く分からないのであるが、とにかく終始ピアノがかなり早いフレーズを繰り広げるいかにもしんどそうな曲。この辺りの息の合わせ方は流石に姉妹デュオか。
さてスコットランドであるが、ビシュコフの演奏は情感タップリのなかなかのメロドラマを思わせる。とにかく細かい仕掛けも多い演奏であり、随所に揺らしの類いを加え、それがロマンティックさを増している。指揮中のビシュコフも実に表情豊かなのであるが、それが反映された非常に表情が豊かな演奏。この曲はとかくロマンティックと古典の両極端になりがちだが、ビシュコフの演奏はかなりロマン方向。もっともそれでも端正さが失われないのはさすがのチェコフィルである。キビキビ進める部分と、徹底的に甘く謳わせる部分の対比が非常に見事。