徒然草枕

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白鷺館アニメ棟

大フィル定期演奏会で、3年ぶりに炸裂したデュトワマジック

コンサート連荘に繰り出す

 この火・水は大フィルと読響の連荘である。火曜日の大フィル定期は今期最大のイベントともいえるデュトワ登場である。思えばデュトワは3年前に大フィル定期に登場して圧倒的名演を披露したのだが、続けて急病の尾高の代演で「サロメ」に登板するというあり得ないような格上振替で、伝説的ともいえる名演を残した。その感動にファンからもデュトワの再登板を望む声が多く、翌年にもデュトワ出演の予定が組まれたのだが、コロナの影響で公演中止、その翌年もコロナのせいで来日不可となって、ようやく3年越しの再登板となった次第。

 水曜日は読響の大阪公演。今回は指揮が上岡敏之でチャイコの「悲愴」とのことであり、かなり個性的な演奏が期待できるところである。しかし連日大阪への行き帰りでは体がもたない。ちょうど京都方面で見に行きたい展覧会があることもあり、水曜日は休暇を取って大阪で一泊することで手配した。

 火曜日は万全を期して仕事を通常より早めに切り上げて車で大阪に向かう。しかしこういう時に限って道路がスムーズに流れたりするのが阪神高速に住み着く魔物の仕業。予定よりも相当早めに現地に着きそうになったことから、途中の京橋SAで夕食を摂ることにする。

京橋SAで夕食を摂る

 ここで若干時間をつぶすが、それでも現地到着はかなり早すぎる時間になってしまった。駐車場を確保している時間のかなり前に現地に到着してしまったことから、しばし駐車場の手前で時間をつぶすことに。HuaweiのパッドをカーコンにBluetoothで接続しているので、これで「ガイア」のバックナンバーを2本ほど倍速再生で見終わったころにようやく駐車場の予約時間になる。

 先月の大フィル定期以来のフェスティバルホールだが、やはりデュトワとなると集客が違うのか、いつもならチラホラと空きがある会員席もほとんど埋まっているし、その周辺の席もかなりが埋まっていて、場内は満席にかなり近い。

 

 

大阪フィルハーモニー交響楽団 第558回定期演奏会

かなり入っている

指揮/シャルル・デュトワ
曲目/ハイドン:交響曲 第104番 二長調 Hob.I-104「ロンドン」
   ラヴェル:組曲「クープランの墓」
   ストラヴィンスキー:バレエ音楽「ペトルーシュカ」(1911年版)

 いきなり大フィルの音が普段と全く違うことに驚かされる。非常に煌びやかで色彩的、そしてピリリとしたキレがある。大フィルはとにかく指揮者によって音色が変わりやすいオケであるが、見事なまでデュトワの音を出している。

 一曲目のハイドンはかなり驚くというか、正直なところかなり笑える。というのは、古典派ハイドンのイメージをぶち破るかなりロマンティックで色っぽい演奏が繰り広げられるからである。一聴した印象では、ハイドンというよりもシューマン辺りに聞こえるロマンティックさ。確かにハイドンの晩年になると時代はロマン派登場までわずかなのであるが、ハイドン自身に既にロマン派の萌芽があったのではないかと思わせる。

 これがラヴェルになると煌びやかさがさらに増す。こんなに華々しい音色を出す大フィルは久々に聴いたという印象である。実に色気にあふれてウィットに富んだチャーミングな音楽である。

 休憩後の後半はメインのペトルーシュカ。もうこれはデュトワマジック炸裂と言っても良い趣。煌びやかで伸びやかな音色は極めて心地よく。大フィルとは思えないような極彩色の音楽が炸裂する。音楽の輪郭が極めて明快でシャープであるので、メロディが錯綜しても音楽の本質を見失うことがない。そしてデュトワの真髄と言うべきか、妙に音楽が色っぽい。

 完全にデュトワマジックで呆気にとられた感のある場内は、終演後に爆発的な拍手に包まれた。大フィル定期演奏会では近年には珍しいぐらいの盛り上がりである。やはりデュトワはただのエロ爺ではないということである。あの大フィルの音をここまで変化させるその手腕はやはりただ者ではない。これは来年以降も是非とも聞きたいというのが本音である。

 

 

宿泊はいつもの定宿で

 コンサートを終えると今日の宿泊ホテルを目指すことにする。今日宿泊するのは私の定宿・ホテル中央オアシス。新今宮界隈では高級クラスに属するホテルだ(星野リゾートなどは最初からアウトオブ眼中なので考慮に入っていない)。

 ホテルにチェックインするとまずは仕事環境構築。先日購入したモバイルサブディスプレイを出してきて早速接続。まずまず快適な仕事環境が構築できる。

仕事環境構築

モバイルサブディスプレイ導入記事はこちら

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 しばし原稿入力の後に夜食及び明日の朝食の買い出し。夜食にサラダを買ってきたのだが、進次郎の思い付きのせいで箸やスプーンの類が同封されておらず、サラダを手で食う羽目に。全くろくな政策をしない大臣である。なんか原始人になった気分。

 夜食を腹に入れると風呂に湯を張って入浴することにする。このホテルの一番の売りはトイレとセパレートになった洗い場付きの風呂が部屋にあるところ。やはり体の疲れをいやすには湯船に浸かるのが一番。コンサート終了後だと大浴場タイプのホテルは入浴時間を過ぎていることが多いのも、コンサート後にこのホテルを使用することが多い理由である。今日は朝からの座り仕事に長時間運転、さらにホールでじっと座りっぱなしということで背中がかなり凝っているのでそれをほぐしておく。

 入浴してホッとすると再び原稿執筆。こうしてこの夜は更けていくのである。

 

 

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