徒然草枕

クラシックのコンサートや展覧会の感想など、さらには山城から鉄道など脈絡のない趣味の網羅

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白鷺館アニメ棟

二階堂美術館で名画を鑑賞すると、別府名物ボルシチを堪能してから筋湯温泉へ

大分上陸、まずは・・・ネカフェに籠もる(笑)

 翌朝は6時頃に目覚ましで目覚める。昨晩は疲労で爆睡していた模様なのだが、疲れが完全には取れておらずやや眠い。眠っている最中も体がずっと上下する感覚があったのでそのせいだろうか。間もなく船内に起床の合図の放送が流れると大分港が目前である。私はとりあえず昨日乗船前にコンビニで買い込んでいた朝食を腹に入れる。フェリーが完全に接岸するまで駐車場フロアには立ち入れないとのことなので、合図があるまでしばし部屋でゴロゴロしながら待つ。

 フェリーがスケジュール通りに7時20分に接岸するとゾロゾロと大移動。この船は駐車場へのエレベータが大混雑するのが難点である。船内では随所で密回避がなされているが、このエレベータだけはかなり密。

大分は気持ちの良い青空だが・・・

 早朝の大分の町に解放される。気持ちの良い青空だが、これは裏を返すと今日はまた灼熱地獄にさらされることを意味する。さて朝一番から行動開始と言いたいところだが、正直なところこの後の予定はない。そもそもこんな早くからどこも空いていない。そこで一番のダラダラプランを実行することにする。別府まで車を走らせると、快活クラブ別府店に入店する。禁煙のマットブースを確保するとそこでしばしひたすら爆睡。30代の頃と違って、朝一番から一日走り回る体力は既に今の私にはない。

 10時半頃まで爆睡してから行動を再開する。しかし外に出た途端に灼熱地獄にさらされる。車の中はサウナ状態で、朝はまだヒンヤリしていた凍結ミネラル麦茶が、完全にぬる茶になってしまっており、ダッシュボード上に放置していたタブレットは加熱のせいでスイッチさえ入らない状態に。この暑さではなおのこと行動は制限されそうである。

 一応別府のプランで考えてあるのは、日出にある二階堂美術館の訪問。焼酎で有名な二階堂酒造がコレクションを公開している美術館である。日出には今まで数回行っているが、どうもこの美術館のことは失念していたので、今回は初めての訪問である。

 

 

二階堂美術館

二階堂美術館

 日本画の掛け軸を中心に収蔵している美術館だが、コレクションについては横山大観を初めとして、川合玉堂、下村観山、菱田春草、幸野楳嶺、村上華岳、橋本雅邦に冨田渓仙に小川芋銭など非常に多彩かつ蒼々たる作品が並んでいてレベルが高い。

横山大観「海邊」

菱田春草「雪後」

橋本雅邦「臨済一喝図」

冨田渓仙「隠者」

川合玉堂「長閑」

村上華岳「天人図」

 二階展示室には横山大観の特集がされており、いわゆる朦朧体の時期からそれ以降の作品までこれまた多彩な展示である。

横山大観「月、四題」より

横山大観「瀧」

横山大観「観音」

 正直なところ予想以上の秀品にかなり堪能した。企業収蔵品でここまでのコレクションとは驚いた次第。これは全く予想外だった。

 

 

別府名物(個人認定)ボルシチを昼食に

 美術品で心を満たすと、今度は腹を満たすことにする。別府に舞い戻ると昼食はこれは最初から予定していた「馬家溝」へ。別府名物(私の個人的認定)ボルシチを食べにである。ある意味では、これは今回の全く何の目的もない遠征の中の唯一の目的とも言える。

 馬家溝にはちょうど営業開始時刻の12時に到着。私が最初の客のようで貸し切り状態である。いつもは満席の印象のあったこの店だが、しばらくしてやって来たのは2組。何かあったのか? と勘繰りたくなったが、やっぱりこの灼熱地獄下で熱々のボルシチという発想は、流石にかまど地獄に入りに行くようなものなので、別府の人でもあまり考えないか。

 しかし最初からボルシチ目当ての私は迷わず「ボルシチ(サラダ付き)」を注文。これに「自家製タンサンド」を加える。いわゆるいつものお約束である。

 最初にサラダが登場するが、これがなかなかボリューミーであるだけでなく美味い。キュウリもトマトも本来は大嫌いである私が言うのだから間違いない。

ボルシチの付け合わせのサラダ

 その後に登場するのが自家製タンサンド。やはりこの絶妙の塩味がたまらない。派手に発汗して塩分が不足している時にはちょうど良い。

絶品の自家製タンサンド

 最後がボルシチ。思わず「ああ、この酸味だよな」という言葉が出る。トマトの酸味が心地よく、さらに旨味がある。まさにこれを食べに別府まで来たのである。

絶品のボルシチ

 一渡り腹に入れたところで、デザートは「プリン」を注文する。いわゆる蒸しプリンであるが、これが意外と難しいと聞く。今回はやや舌触りが硬い感がある。

デザートはプリン

 

 

大分温泉ツアー開始

 満足して昼食を終えるとこれで別府での課題は解決である(笑)、まだ昼過ぎだが今日の宿泊ホテル目指して移動することにする。今日宿泊するのは筋湯温泉の九重悠々亭。今回の遠征はさすがに別府内をウロウロするのではあまりに芸がないので、九重高原の温泉をウロウロするつもりでいる。

 九重高原へは高速経由で、途中で別府湾SAに立ち寄って風景を観賞。下り側SAの向こうに展望台が見えるが、この灼熱地獄の中をそこまで歩いて行ったら途中で死にそうなのでやめて引き返す。日中まともに外で活動できるような状況ではない。

別府湾SAには私を遠ざけるかのような「恋人達の聖地」が

別府湾を望む

 高速を九重ICまで突っ走ると、そこを降りて山道を南に向かって走行することになる。道路はシッカリ整備されているので決して走りにくい道路ではないが、やはりアップダウンは激しいので非力なノートだとエンジンパワーを振り絞るような感じになる。

九重ICまで突っ走る

 

 

高原の茶屋で一服

 筋湯温泉が近づいてきたところで時間を見るとチェックイン時間よりも早くなりそう。そこで途中で見つけたあいのせ茶屋で冷やし甘酒を頂いて一服。優しい甘さが実に心地よい。甘酒は冷やで飲めるかどうかが本物かどうかの一つの判断基準になる。コンビニなんかで売っているような加糖したまがい物は、冷やにすると甘ったるくて胸が悪くて飲めたものでなくなる。

あいのせ茶屋

これがあまがたに渓谷とのこと

夏の甘酒は冷やで

 

 

筋湯温泉に到着

 かなり鄙びた風情の漂う湯坪温泉街を走り抜けると、一山越えて先が筋湯温泉である。こちらも湯坪温泉に負けず劣らず鄙びた風情だが、民宿が多かった湯坪温泉よりは、本業の旅館が多い印象。目的の九重悠々亭は橋で川を越えた対岸の小高い丘の上にある。規模的には多分この界隈で一番大きなホテルだろう。

九重悠々亭

 ピーク時には多くの観光客で賑わい、大勢の従業員を雇用していたのだろうと推測する。しかし今は数十室ある客室の稼働率はかなり寂しい状況で、経費節減のために従業員を最小限人数にしているようで、館内に人影自体がほとんどなくて閑散としている。大規模な浴場などを備えているのだが、客の数に比べると明らかに設備が過剰になっている。おかげで私はこの日は数回入浴したが、いずれもほぼ貸し切りに近い状態だった。コロナの直撃の影響もあるだろうが、全国における温泉旅館の衰退の波をもろに被っているのではという印象である。もっとも冬のスキーシーズンになるともっと大勢の客が来るのかもしれないので、この閑散とした雰囲気はシーズンオフだからと思いたいところである。

立派な部屋に通される

 ホテルにチェックイン手続きをすると、近くのうたせ湯の入場コインを渡すとのことなので、温泉街に外湯入浴に行く。うたせ湯は公衆浴場で日帰り入浴客が結構来ているようだ。3メートルの高さから落ちてくるうたせ湯があり、一応自称日本一とのこと。湯はアルカリ泉のヌルっとしたもので、硫黄とは違う何か独特の匂いがある。湯の質はなかなかなんだが、ただ入浴客が多くてやや落ち着かないので早々にホテルに引き上げる。なおこのうたせ湯の隣に九重の名水が湧いており、これは優しい美味い水。

共同浴場のうたせ湯

隣には名水が

 

 

ホテルで入浴することにする

 ホテルに戻ると暑さのせいか看板犬のエンジェル君はへばり気味の模様。私も少し外を歩いてきただけで疲れた。またこのホテルの前の坂がかなりキツイ。

看板犬のエンジェル君はお疲れの模様

ホテル内はエンジェル君だらけ

部屋にあったお菓子もこれ

 とりあえずホテルに戻ってきてから入浴。このホテルは一階と二階に大浴場がある。どちらもアルカリ泉であるが、一階の方はナトリウム・塩化物のアルカリ泉とのこと。最初にこちらから入浴したのだが、ややアルカリ泉のヌルっとした感触に、ナトリウム・塩化物泉のネチャッとした肌触りが加わっている。内風呂とその先に露天風呂があるのでその露天でしばし入浴。疲れてあちこち凝っている体をほぐしておく。

やけにものものしい大浴場アプローチ

 

 

 部屋に戻ると仕事環境構築だが作業用デスクがないのでせまっ苦しいうえに椅子の高さが作業に適していない。その上にマシンがやけに不安定(なぜか無線マウスを全く認識しなくなってしまったので、使い勝手の悪いパットを使用せざるを得ないのだが、それが不安定でしょっちゅう暴走する)な上に、私自身が今日の暑さに当てられていささか脱水症状気味になったのか体がグッタリとしてしまって起き上がること自体が困難。結局はベッドでゴロゴロしながら、たまにpomeraを触るという程度になってしまい、そのうちにしばし意識消失。

仕事環境を構築はしたものの・・・

 1時間ほど完全に意識を失っていた。活動再開すると今度は2階の大浴場に行ってみる。こちらも内湯に露天の構成は同じだが、露天が変わった構成になっていて、グルッと回り込んだ離れた場所にも露天が隠れているという構造。まるで探検のような趣だが、全裸でウロウロするのはいささか心細い。一応は衣服には防具の働きもあるんだななんてことを感じたりする次第。

2階の大浴場

この手の露天風呂がある

実はこの奥にもさらに露天風呂が

 こちらの浴場の湯はアルカリ泉。シットリとした湯で、一階のものよりはサッパリした肌触り。私的にはこちらの方が好みか。

 入浴して部屋に戻ってくるとしばしまたゴロゴロする。もう今日はどうしようもないようで、こういう時に無理をしてもろくな文章は書けない。この日は徹底的にゴロゴロすることに決める。

 

 

夕食を堪能

 しばらくゴロゴロしていたら夕食の時間が来たので食事処に出向く。

 夕食はいわゆるお約束の会席料理。ちなみに食前酒のようにグラスに入っているのはカボチャスープ。

夕食の会食膳

 ご飯はかまど炊き豆ごはん。これがまた美味い。

かまど炊きごはんが美味い

 焼き物は豚肉である。これがボリューミーである。

豚肉を焼く

 煮物の鉢なども出てくるが、こういう煮魚は美味い。

煮物

 なお汁物は大分名物のやせうま。もっちりしてこれがなかなか。

大分名物やせうまの汁

 で、デザートで締め。なかなか満足できる夕食であった。

デザートの抹茶ムース

 この後は寝る前にもう一度入浴してから早めに就寝する。

 

 

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