航空チケットを惜しんだ結果、九州遠征実行することに
さてこの週末三連休だが、これを活かして九州に飛ぶことにした。と言ってもこの遠征はそもそもあまり計画的なものではなく、本来は昨年度の冬に合わせて企画していたものだった。そのメインの目的はポリャンスキー指揮の九州交響楽団のコンサートだった。しかしその頃になると国内のコロナの感染状況が極めて悪化、さらにそれを受けてポリャンスキーの来日自体も中止ということになり、私自身もポリャンスキーなき九州交響楽団に危険を冒してまで出かける気にもならず、コンサートチケットはお布施ということに相成ったのである。
ただホテルについては事前にキャンセルが可能だったのだが、その時にどうにもならなかったのがスカイマークの航空券。格安航空会社の常として、キャンセル時にはほとんど料金が戻ってこないので丸損となる。しかし同クラスの別の日の便への振り替えは可能ということから、とりあえずコロナ情勢の好転を願って可能な限り先の日の便に振り替えることにした。その時にこの時期に開催される小泉和裕指揮の九州交響楽団のマーラーの「復活」の公演を想定して、お流れになったプランを時期を変えてほぼ流用する形でこの時期に振り替えた次第。
そういうわけなので、実はさして強力に組んでいたプランではないのだが、まあ一応コロナも小康状態になった(?)ようであるし、もう再度の延期は不可能であることから決行することにしたのである。もっともそのような状態だから全国旅行割の開始直前という非常に時期の悪いものにもなったのであるが・・・。
三連休を利用してというが、実際は元のプランがコンサートだけでなく、ついでに九州北部の未訪問城郭と温泉に立ち寄ろうという結構大きなプランだったので、三連休の前と後に年有休暇を取得しての四泊五日の大型プランになっている。まあ現在の私はストレスが半端ない状態(多分に自らプレッシャーを抱え込みやすい自身の性格に起因していることは分かっているのだが・・・)で、このままだといずれは病むなという確信(笑)があったことから、まあちょうど良い現実逃避の骨休めかという判断である。そう言えば先日の「ヒューマニエンス」で「疲労と疲労感のズレ」ということを扱っていたが、特に精神的な疲労というのは肉体疲労よりも分かりにくい上にたちが悪いものである。私のように心身共にキャパがかなり低い人間は先手を打って休むぐらいでないと命に関わる。
あああぁ、長崎は今日も晴れだった
などとグダグダ言い訳をしているが、要は金曜日に休みを取って長崎まで飛ぶことにした次第。荷物をまとめて昼頃に出発すると神戸空港まで車を飛ばす。毎度のことながら阪神高速は万年渋滞。全くいつものことながら何のトラップだと言いたくなるぐらいの時間を浪費するが、そもそも十二分に時間の余裕を取って家を出ているので焦りはない。ただ生憎結構の雨が降っているのが鬱陶しい。それにさらに判断に困るのが服装。昨日までは半袖のTシャツでウロウロしていたのに、一晩で急に冷え込んだので、今日は一応念のために薄手のダウンまで羽織ってきている。しかしこの服装だと空調のある場所だと暑い。それにしても日本の気候のデジタル化もいよいよ本格的で、夏の翌日はもう冬である。どうやら春や秋という曖昧なものはリストラされたようだ。
車を空港の駐車場に置くと空港へ。とりあえず昼食を摂る必要があるが、本当にこの空港は飲食店の選択肢が少ない。結局はしばし待って「神戸洋食キッチン」に入店してハンバーグと海老フライのセットを注文。例によってCPは激烈に悪いがこれは仕方のないところ。まあ場所代1000円というところである。さっさと食事を済ませると、お代わり自由のホットコーヒーを飲みながら、この原稿を現在書いている次第(笑)。
そのうちに搭乗時刻が近づいてくるから荷物チェックを受けて搭乗ゲートへ。例によって私は怪しい機械類を大量に持ち込む不審者なので、荷物の再チェックを受ける羽目に。カバンの中がワイヤリングインフェルノ状態だから、今まで荷物チェックを一度でパスしたことがない。
スカイマークは到着便遅れとのことでややドタバタとした搭乗。目の前にポケモンジェットが現れるが、どうやらそれが私の乗機のようだ。ちなみに隣にはAir Doのこれもポケモンコラボ機が。
それにしても今日は客が多い。乗り込むときはてんやわんやである。どうやら団体客などもいる模様でほぼ満席に近い。もうこの三連休から世間は完全に「コロナは終わった。旅行に行こう。」モードになっているようである。こりゃ反動が来るはずだが、どうせ徹底した検査拒否で実数は隠ぺいする気だろう。
毎度のように機体が飛び立ったら眠気が襲ってくるのでうつらうつらしている間に長崎空港に到着する。神戸は結構な雨だったが、こちらは晴れている。とりあえずオリックスレンタカーでたびらい予約で確保していたレンタカーを調達。やはり経験的に九州地区ではたびらいが強い(そもそも全国展開以前は「九州ツアーランド」と名乗っていた)ので、ここを通した方が大抵レンタカーは安くなる。なお貸し出されたのはノート。私も比較的慣れている車だし、運転し勝手も良い車である。
嬉野温泉入船荘へ
さて今日であるが、明日が福岡でのコンサートなのでこのまま一気に福岡まで行くことも考えたが、それではあまりに芸がない。というわけで、福岡までは行かずにそのずっと手前の嬉野温泉で宿泊するつもり。何せ嬉野温泉は全国の温泉の中でも私のトップ5に入る好きな温泉なので、やはりできれば立ち寄りたいところ。
嬉野温泉までは高速道路を使ったらすぐである。大村ICに乗るまでの途中で、最近開通した長崎新幹線の新大村駅が見える。新○○駅と言えば市街からはなれたとんでもないところに作るというのが相場ではあるが(「新」というのは実は「なんちゃって」と同意)、この新大村駅も本当にとんでもないところにある。
30分ちょっとぐらいで嬉野温泉に到着。最早私には懐かしささえ湧くような土地になっている。私が今回宿泊するのは入船荘。嬉野温泉の難点はとにかく未だにお一人様宿泊不可のホテルが多いこと。さらにこれが週末となるとまさに絶望的。今回は週末前の金曜日ということで何とか見つけたお一人様宿泊可のホテル。私もできるなら和多屋別荘のような高級ホテルに泊まりたいところだが、さすがにそれは昨今さらに厳しさを増している私の懐事情からはとても許されないところ。
入船荘は基本的に古い宿のようであるが、ロビーは改装されていて、フリーの喫茶スペースやら読書スペースが作られていて洒落た雰囲気。あちこちに英語の表記も見られることはインバウンド需要もあるのだろう(今は時節柄日本人しか目にしていないが)。まあ私が泊まるような宿は昔から大体アジア人観光客とバッティングするんだが。
部屋などは設備的にいささかくたびれた感はある。もっとも不潔感はないので良いか。ただ空調が集中管理なのはいただけないところ。まだ現在はドライ設定だったようなので助かったが、これが暖房に切り替えられていたら死ぬところだった。
極上の湯を堪能する
部屋に荷物を置くと何はともあれ入浴。内風呂があって、その外に露天岩風呂があるという構成だが、驚いたのは内風呂が畳敷きであること。腐らないのだろうかと心配になるが、畳は意外と水を通すようである。それにタイルのように滑らないし、素足に感触が優しいというのは確かにメリット。
湯は嬉野温泉のトロトロのアルカリ泉。pHは8.3で高温泉なので冷まして使用しており、加水は「ほとんどしていない」との解説。確かにかなり上質の湯であるのは入浴したらわかる。肌にしっとりとまとわりつく体が溶けそうな湯(笑)。露天風呂は内風呂よりも湯の温度がやや低いので、長湯したい時はこっちのほうが良い。
風呂を堪能して部屋に戻ってくるととりあえず仕事環境の構築。温泉旅館には珍しくWi-Fi装備(これもインバウンド対応だろう)なので、快適な仕事環境構築が可能。マシンの設定が出来たら、書きかけの原稿の続きを執筆である。そうこうしている内に部屋に布団を敷きに来て夕食の時間なので食堂の方に出向く。
美味い夕食を堪能する
夕食はまあありきたりの会席料理でメインはすき焼き。内容はありきたりだが料理は美味い。
小鉢類にソースを漬けて頂く生野菜のスティック。この生野菜が予想外に美味い。野菜類は基本的に嫌いな私が言うのだから間違いない。
さらに刺身とローストビーフサラダ。このサラダ、普通の野菜サラダと思っていたら豆腐サラダだったという隠し玉。中からトロトロの豆腐が出てくる。
さらに新ジャガの饅頭。温かいこの饅頭がまた新ジャガのホッコリした味で実に美味。
そうこうしている内にメインのすき焼きが煮えてきて、ご飯も運ばれてくる。子のすき焼きで大満足である。
デザートはゴマの羊羹だそうな。コクがありながらスッキリしていて後味が良い。
なかなかに夕食を堪能したのだった。実はこの後、コンビニに買い出しにでも出ようかと思っていたのだが、夕食に満足したのでそういう気は失せてしまった。そこですぐに再び入浴に行くことにする。今度はさっきよりもじっくりと体を温める。実に快感であるが、ただこうやって入浴していると、今まで蓄積していた疲労が一気に出てくるような感覚もある。
部屋に戻るとテレビをつけるが、例によって呆れるほどに見るべき番組がない。この旅館はテレビでBSが映らないのが一つの難点だが、かといってBSが映ったとしても見るべき番組があまりないのは実は変わらなかったりする・・・。仕方ないので結局はネットをチェックしたり原稿執筆したりでこの夜は更けていく。
この遠征の翌日の記事