徒然草枕

クラシックのコンサートや展覧会の感想など、さらには山城から鉄道など脈絡のない趣味の網羅

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アニメ関係の記事は新設した「白鷺館アニメ棟」に移行します。

白鷺館アニメ棟

PACの定期演奏会でカーチュンの指揮を堪能した後は新今宮の定宿で

週末のコンサート三連荘へと

 この週末は大阪地区のコンサート三連荘に出向くことにした。初日はPACのコンサート。今回は私も注目している若手のカーチュン・ウォンが登場とのことで西宮まで出向くことにした。明日、明後日は既にコンサートの予定が入っているために、今回は金曜日のチケットを取得。ただここのオケは金曜日でも15時開演のため、今日は午後休をとって駆けつけることになる。なお時間の余裕がないので、到着時間を読めない阪神高速でなく、あえて名神を利用することにする。

 阪神高速だと絶対に途中で渋滞に引っかかるところだが、名神は途中で混雑などはあったものの概ね順調に流れて現地には14時前に到着する。とりあえずホール地下の駐車場に車を置くと公演の前に昼食を摂りに行く。この辺りで飲食店と言えば西宮ガーデンズか。イメージとしては551の中華があったのだが、現地に到着すると持ち帰りには大行列が、イートインにも数人の待ち客。とても並んでいる時間的余裕がないので諦めて4階に移動することにする。何を食べるかが難しいところだが、ガッツリと洋食という元気はないのでやはり和食系。というわけで「さち福や」に入店して「牡蠣フライとあなご飯の定食(1600円+税)を頂くことにする。

西宮ガーデンズの「さち福や」

 まあ可もなく不可もなくで普通に美味い。あなご飯がややあっさり目なのは、牡蠣フライとのバランスを考えるとこれで正解。牡蠣フライ、あなご飯共にこれ以上のものはいくらでも知っているが、ここでそれを求めても不毛。

牡蠣フライとあなご飯の定食

 昼食を終えるとホールへ。もう既に大部分の客が入場済み。平日昼にもかかわらず大入りだが、やはり客層は年齢層が高い。クラシックのコンサート常に年齢層は高めだが、やはり平日夜や土日のコンサートに比べると圧倒的に若者が少ない(そりゃ当然だろう)。私でさえ若者側になりそうな年齢構成である。

まずまずの席を確保できた

 

 

兵庫県立芸術文化センター管弦楽団第137回定期演奏会 ラフマニノフ&バルトーク

指揮:カーチュン・ウォン
ピアノ:三浦謙司
管弦楽:兵庫芸術文化センター管弦楽団

伊福部昭:舞踊曲「サロメ」より 7つのヴェールの踊り
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲 第3番
バルトーク:管弦楽のための協奏曲

 カーチュンのオケ配置は正面最奥にコントラバスをズラリと並べた独自のもの。先日のエメリャニチェフはここで対抗配置を取っていたが、カーチュンはコントラバス以外は通常配置にしている。超低音増強型とでも言うべきか。これの配置が中央から重低音がガンガン出てくることになる。

 早速その効果が現れているのは第一曲目の伊福部。伊福部節全開で何か背後でゴジラが暴れまわってそうなイメージのある曲であるが、非常に鮮烈なオケの音色の背後から低音がグイグイと下支えするバランスとなる。またカーチュンが指揮する場合の常であるが、実にキビキビした演奏となる。

 二曲目の協奏曲はラフマニノフ。よくある2番ではなくて今回は3番。三浦の演奏は先にやけに硬質なシューマンを聴かされて違和感が強かった記憶があるが、今回のプログラムはサッカリンの砂糖漬けの2番と違って、テクニックが前に出てくる3番。そのために彼のテクニック上位のやや硬質な演奏でもさして違和感はなくなる。ピアニスト殺しのこの難曲を難なくさらっと 弾きこなす三浦のテクニックもあってまずまずの演奏。

 最後のバルトークのどんちゃん騒ぎであるが、毎度毎度オケに対して細かい指示を飛ばすカーチュンであるが、今回もそれは行き届いていたが、だんだんと指示を飛ばしているのか踊っているのか分からないような指揮ぶりに。そこから飛び出す音楽は鮮烈かつ煌びやかなもので、これは毎度のカーチュン節。彼が指揮するとオケの色彩度が増すとともにまとまりが極めて良くなる。

本日のアンコール曲

 なかなか盛り上がったコンサートであるが、ここでアンコールがまさかの八木節。いささか俗な感もあるチョイスだが、ノリノリのカーチュンが指揮台で踊りまくって、オケはバリバリ全開演奏、一番の大盛り上がりでコンサートを締める

 というわけで久しぶりのカーチュン節を堪能した感があるが、PACは若いオケだけにパワー増幅度が5割り増しぐらいになっていた感があり、フルパワーでブイブイという印象の演奏であった。

 

 

新今宮の定宿へ移動

 コンサートを終えるとホテルに向かって移動することにする。今日宿泊するのは新今宮のホテルみかど。ホテル中央オアシスと並んで私の定宿になっているホテルである。中央オアシスは個別風呂であるが、こちらは大浴場にトイレは共同タイプ。その代わりに宿泊料は中央オアシスよりも安い。平日のコンサートを終えてからだと大浴場の入浴時間を過ぎることが多いから、そういう時は中央オアシスを使用するが、今回はコンサート終了が夕方なのでこちらを使用した次第。

 ホテルまでは阪神高速で一気・・・のはずだったんだが、高速入口を間違えて名神に乗ってしまったせいで時間と料金を無駄にすることに。しかも阪神高速に乗り換える入口で大渋滞で時間をかなり浪費、ホテルに到着したころには真っ暗である。

真っ暗になった頃にホテル到着

 ホテルの部屋はまた今までと基本構成は同じだがパターンが異なるタイプ。シンプルな部屋である。ベッドはやや硬めだが、逆に体が沈みすぎないので寝やすい。

シンプルな部屋である

 

 

西成界隈へ夕食に繰り出す

 部屋に荷物を置くともう19時を回っているので直ちに夕食のために外出する。しかしここで夕食をどうするかが思案のしどころだ。正直なところ、今は異様に疲れていて新世界まで繰り出すのもしんどい気がするし、さらに串カツなどを食べる気にもならない。そこでこの周辺で済ませることにする。路地を伝ってちょっと歩いたところにお食事処 らいらいけん」があるのでそこに入店する。

らいらいけん

 店名からすると中華料理屋のよう(来々軒?)だが定食屋である。刺身定食の類など定食メニューが複数。私は日替わり定食(750円)を注文。小鉢が一つ付いてくるので、マカロニサラダをチョイスして、料理が届くまでにつまむ。

小鉢のマカロニサラダ

 定食はしっかりしたどんぶり飯におかずが複数。豪華さはないが普通に美味い。特に味噌汁が美味いのに感心した。典型的な日常使いの店であり、CPには納得。私の貨幣価値と見事に合致する店である。さすが観光客相手の店が大半の新世界と違って、西成は生活者の町である。これは良い店を見つけた。

非常にCPの高い日替わり定食

 夕食を終えて戻ってくると、大浴場で体を温めることにする。しっかりと入浴して体を温めて部屋に戻ってくると、強烈にこみ上げてくるのがとんでもないダルさ。こうなってしまうともう何もできないのでベッドでゴロリ。結局はこの日は何もできないままに9時過ぎに就寝してしまう。

 

 

この遠征の翌日の記事

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