徒然草枕

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どうする家康 第4話「清洲でどうする!」

白兎家康はビビリながら清洲のクレイジー信長の元へ

 さて、織田に付くと決めたものの未だに信長が恐くて仕方ないらしい家康。いきなり部下連中に「一応対等な同盟なんだから舐められてはいけない」とばかりに面接のリハーサルを受けさせられているという意味不明シーンから。相変わらず初っ端から家康のへたれっぷりを強調する展開になっている。

     
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 で、一行が目指したのはCGバリバリの無意味に巨大な清洲城。恐らくお登りさんの三河一行が精神的に気圧されていることを象徴する意図があるのかと思うが、どう見てもあれだと日本の城ではなくて、中国の紫禁城とかの雰囲気。もしくは京の大内裏。時代考証大丈夫か? 信長時代の清洲城があんなに巨大な上に防御施設が皆無な構造しているとは思えんのだが。

 相変わらずのヤンキー度全開の信長の前で家康は少々ビビリ気味。それでもどうにかこうにか同盟締結という話になって一安心。宿舎に案内するのはパシリ感半端ない木下藤吉郎。まあ秀吉ってお調子者というところはあるが、さすがに描き方が軽すぎ。まあ今のうちから「腹の底で何を考えているか分からない」という底意地の悪さのようなものは臭わせてはいるが。

 

 

ヤンキーお市と接近遭遇

 とりあえず一息ついてヤレヤレの家康だが、いきなり信長から相撲に呼び出される。かつてボコボコにいじめられた悪夢がフラッシュバックしている模様。まあそれに相撲といっても、今の大相撲のようなのどかなものではなく、蹴りもパンチもなんでもありの実質ヤンキーの喧嘩。この作品の信長の描き方ってとことんヤンキーで一貫している。その挙げ句に信長に続いて戦うことになったのが謎の相手で、これが実はお市だったというとんでも展開。この作品のお市は深窓のお嬢様ではなくて、もろにヤンキーです。織田家ってヤンキーしかいないのか? どちらか言えばこのキャラクターは、お市ではなくて帰蝶の方が一般にシックリくるような気がするが。

 さらに信長が家康とお市を結婚させようとするという大胆すぎる歴史改変。「自分には既に妻子がいるから」と断ろうとする家康だが、信長に押しきられた挙げ句に今川を滅ぼすことを命じられるということに。この作品の家康は主人公アゲの一環で明らかに愛妻家に描写されてるんだが、現実はもともと瀬名との結婚は政略結婚だった上に、明らかに織田に付いた時点で完全に見捨ててます。だからこの作品のように信長からお市との結婚を持ち掛けられたらホイホイと乗った可能性大。そういう事実がなかったってことは、まずこういう提案はなかったろう。

 

 

残された瀬名は今川ゲス真のせいでとんでもないことに・・・

 一方見捨てられた瀬名はと言えば、ややヒステリックな氏真に関口一族の助命を条件に夜伽を命じられるというとんでも展開。そう言えば第1話で氏真が瀬名を側室にすることを義元に願い出るという「?」イベントがあったが、それが一応の伏線か。要するに氏真が裏切り者である家康の妻子を殺さずにいた理由を、氏真の横恋慕というゲスい理由にした訳か。まあ分かりやすい理由ではあるが、これもあんまりって感じだな。恐らく現実は氏真の計算だと思う。見せしめとして家康の妻子を処刑するのは簡単だが、それをすると家康を完全に織田方に追いやることになるし、その後の交渉カードもなくなることになる。だからあくまで交渉カードとして置いておいたと考えるのが妥当だろう。だから実際にその後に石川数正が乗り込んで捕虜交換が成立するんだが・・・って思ってたら、次回予告によるとどうも本多正信が服部半蔵けしかけての奪還作戦やるっていうこれまた大胆な歴改変をする模様。もっともこれが成功したら数正の活躍がなくなってしまうわけだが・・・。

 それにしても義元はかなり立派な描かれ方をしていたが、馬鹿ボン氏真については単純な馬鹿ボンではなくて猟奇的な描き方になっている。何か家康に対する思いも「可愛さ余って憎さ百倍」って雰囲気があり、夜伽にやってきた瀬名を押し倒して血文字で「たすけて」メールを書かせるという変態っぷりを発揮。このゲス真の仕打ちにさすがの家康も動揺してお市との縁談を断る決意を。しかしそれは事情を察したお市の方が気を回して向こうから断ってくれると。そして分かるのは、お市が昔家康に命を助けられていて、その時から家康に惚れていたという究極の主人公アゲ・・・。何か大胆っていうか、滅茶苦茶って言うか。で、信長がお市を家康と結婚させようとしていたのも、単に政略だけでなくお市の気持ちを知っていた上でという、良く分からんがこの信長、ツンデレ属性も持っていそうである。

 まあ主人公アゲのための歴史改変は大河ドラマの常とは言いつつも、かなり豪快に歴史改変してきたな。特に瀬名こと築山殿との関係は、明らかに政略結婚だったから実質的にはこの時点で夫婦関係は終わっていたに等しく、人質交換で奪還した後も築山殿とは別居状態って話もあり、その挙げ句に最後は殺してしまうんだが、その辺りをどう描くのやら。今回の話で瀬名の気持ちが段々と家康から離れていく伏線は張っているような気はしたが、主人公アゲの一環で家康の方はあくまで愛妻家描写だから、そのあたりのギャップをどう片付けるつもりやら。

 

 

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