徒然草枕

クラシックのコンサートや展覧会の感想など、さらには山城から鉄道など脈絡のない趣味の網羅

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白鷺館アニメ棟

関西フィル定期演奏会は原田慶太楼の大熱演で盛り上がり

今日の夕食は少しパターンを変える

 さてこの週末だが、久しぶりの週末コンサート三連チャンである。金曜日の仕事を早めに終えると、車で大阪まで直行する。しかし毎度の阪神高速の渋滞で、大阪に到着したのはちょうど6時ごろ。幸いにして目をつけていた駐車場は空いていたので、そこに車を止めるとホール方面へ急ぐ。

 ホールは開場直後で、まだ本格的に入場が始まっていない状況。とりあえずその前を足早に通り抜けると、入場前に夕食を摂っておく必要がある。ここはいつものように「やまがそば」・・・ではあまりに芸がない。ゴルゴに待ち伏せされて狙撃されそうである。今日は少しパターンを変えよう。「イレブン」に入店することにする。

将棋会館の「イレブン」

 さて注文だが、あまりリッチな夕食は懐事情が許してくれないので、注文したのは「バターライス(900円)」。ここの名物の一つである。

サラダとスープ

バターライス

 しばらく待つと、サラダとスープに続いて熱々のバターライスが登場。見た目はチャーハンというイメージだが、味は明らかに洋風。またいわゆるピラフと違ってしっかり炒めてある印象。バターの塩気が実によく効いている。それに具として入っている刻んだエビと玉ねぎが適度な歯ごたえもあってなかなかのアクセント。実に美味である。

 夕食を堪能するとホールに移動する。もうそろそろ皆が入場している頃である。

ザ・シンフォニーホールへ

 

 

関西フィルハーモニー管弦楽団 第338回定期演奏会

関西フィルは14型、今日は打楽器が多彩

[指揮]原田慶太楼
[ヴァイオリン]服部百音
[管弦楽]関西フィルハーモニー管弦楽団

ヴェルディ:歌劇「運命の力」序曲
ファジル・サイ:ヴァイオリン協奏曲「ハーレムの千一夜」
吉松 隆:交響曲 第3番 op.75

 原田の指揮は若さ溢れるというか、メリハリを効かせすぎぐらいに効かせている。指揮の仕草はまるで痙攣でもしたような奇妙なものなのだが、その指揮で関西フィルを完全に統率しており、最強音からパシッと全休符につなげる。

 ただメリハリを効かせすぎたせいで、音楽がどこなくギクシャクした感も受ける。この曲はそのドラマチックで悲劇的な内容を象徴するように、実に変化の激しい曲なのであるが、原田の演奏は剛と柔、強と弱の対比は出来ているのだが、残念ながらこの曲に不可欠の「哀」がない。私がかつてムーティー/ウィーンフィルでこの曲を聞いた時は、まさにその切ないまでの美しさで涙を誘われたのだが、そういう情緒がなくブイブイとぶっ飛ばすという印象。

 とりあえず熱演であることは間違いなく、原田の指揮の元に一丸となって乱れなく演奏する関西フィルも見事ではあった。後は原田にもう一段の円熟味が加わればというところか。

 二曲目は最近注目を浴びているトルコのファジル・サイの曲。彼の曲らしくいかにも不可解という曲ではなく、現代音楽系にしては比較的聞きやすい。ちなみにこの曲は演奏者にコパチンスカヤを想定して作曲したとのことで、ソロヴァイオリンは非常にアクロバティックである。

 演奏する服部百音は技術面では鉄壁で全く揺らぎがない。ただコパチンスカヤほど変化自在という印象はなく、圧倒的技量で意外に正攻法で弾きこなしているという印象。もっとも無機質な演奏ではないので表情はしっかりついている。

 演奏中はヴァイオリンソロの時は照明を落として服部にスポットライトを当てるなどといった演出も行っていた。そう言えば服部の衣装も、どことなく「ハーレムの女性」を連想させなくもないような気もした。

 技量でねじ伏せてくるような服部の演奏に場内は大いに盛り上がる。服部はアンコールのイザイでもその技量を見せつけてきたのである。

 

 

 休憩の後の後半は吉松隆の交響曲。吉松は現代音楽作曲家でありながら、いわゆる無調性音楽とかの奇怪な曲ではなく、もっと聞きやすい普通の曲を作曲している人物。吉松の曲は今まで藤岡が積極的に取り上げていたが、今回は原田が取り上げていることになる。

 さて原田のアプローチだが、やはり最初の「運命の力」と一緒で、とにかくガンガンと行く。ティンパニなんてホールを揺るがさんばかりの叩き方なので、ややうるさめの音楽である。ここまでメリハリを強くすると曲の印象も変わりそうだが、実際に今まで藤岡の演奏で聞いた時の吉松の曲に比べると「ん?こんなに激しくて荒々しい曲だったっけ」という印象である。

 もっとも例によっての大熱演。第4楽章のラストになると楽団員も全員立ち上がっての全力演奏。派手派手のノリノリで曲を締めくくり、場内大盛り上がりというお祭り状態になったのである。

 原田の演奏については、やっぱり「若いな」という印象が最初に立つ。とにかく熱演のノリノリなのは良いが、もう一段の深みも欲しいところもある。盛り上げのための演出なども考えているようであるが、それは良いとしてノリで押し切るだけでなくて、音楽としては陰影も必要なのではという気はする。なお原田のやや変則的な演奏に完璧に対応していた関西フィルには感心した。

 

 

新今宮で宿泊

 コンサートを終えると今日の宿泊ホテルに車で移動する。今日の宿泊先は例によって新今宮、いつもの定宿「ホテル中央オアシス」・・・と考えていたのだが、部屋が塞がっていたのでその向かいのホテルを取ることにした。ビジネスホテルみかど。風呂トイレ共同の新今宮ではミドルクラスぐらいのホテル。なおいつもは新館を取るのだが、今回は新館が塞がっていたので、初めて旧館の方に泊まることになる。

ホテルみかど

 建物の雰囲気はいかにもこの界隈のホテルの典型的なもの。やや古びた感じはあるが、とんでもなく不潔という感覚はない。まあ普通に汚い(笑)。

廊下はこんな雰囲気

 

 

 部屋は設備的には新館と変わらないが、部屋が一回りくらい狭い印象。ベッドを置くとデスクが脇に押しやられている。

やや狭い部屋

室内装備は標準的

 とりあえず近くのコンビニに夜食と明日の朝食を買いに行くと、夜食をつまみながら仕事環境構築。

デスクがいささか狭い

 なんだかんだでこの文章を入力したりしていたら23時になったので、大浴場で汗を流すことにする。で、体が温まると眠気が押し寄せるので、今日は適当なところで就寝することにする。

 

 

この遠征の翌日の記事

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