徒然草枕

クラシックのコンサートや展覧会の感想など、さらには山城から鉄道など脈絡のない趣味の網羅

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アニメ関係の記事は新設した「白鷺館アニメ棟」に移行します。

白鷺館アニメ棟

山形交響楽団のサクランボコンサートでバボラークの音色を堪能する

週末ライブ三連荘開始

 この週末も先週に続いてのライブ三連チャンである。正直なところ財布の方が瀕死なんだが、既にチケットを入手している以上は実行しかない。なるべく財布を温存しながら行動するしかない。まあ元々私の遠征は毎回赤貧ツアーなので、そんなに浪費はしないが。

 金曜日の仕事を早めに終えて職場を出ると、そのまま車で阪神高速を突っ走る。今日はいつもよりも交通はスムーズで、高速でスローダウンは数回あったが、完全停止は2回ほど短時間のものがあっただけだった。どちらかと言えば高速から降りてからの方が渋滞がひどい。何だかんだで予想よりは若干早めに大阪に到着、いつもの駐車場に車を放り込む。

 ホールはまだ開場していないようなので、まずは夕食からである。気分としてはラーメンが食べたい。以前はこの界隈でラーメンと言えば鯖6製麺だったのだが、あそこはやけに塩っぱくなりすぎて食べられないなと思っていたら最近に閉店していた。移転とのことだが果たしてどうやら。そういうわけで上等カレーの隣の「まこと屋」に入店する。

上等カレーの隣にある「まこと屋」

 注文したのは背脂醬油ラーメンのチャーシューに半炒飯をつけて。ラーメンは細麺の硬めのタイプ。そのためかスープはかなりしょっぱめ。そのまま飲めるようなものではないが、この濃さがスープが絡みにくいストレート細麺にはちょうどのバランス。なお炒飯はオーソドックスな私好みのもの。

背脂醤油ラーメン

麺は硬めの細麺

半炒飯をつける

 

 

山形交響楽団のコンサートだ

 夕食を終えたところで既に開場時刻となっているのでホールに向かうことにする。

ホールに到着

 さて今日は山形交響楽団のさくらんぼコンサートである。このコンサートでは抽選でサクランボがあたることが有名。ちなみに私は昨年当選している。ちなみの昨年は、チケットを買った時から「今年は絶対にサクランボが当たるな」という予感がヒシヒシとして、結果としてはその通りになったのだが、今年はそのような予感が全くないのでこれはハズレだなと思っていたら、予想通りにハズレだった。

 まだ開演までにはかなり時間があるので、例によって喫茶でアイスコーヒーを頂きつつ、原稿入力作業を行いながら開演を待つ。

いつものように喫茶で時間をつぶす

 15分前ぐらいから山形の観光案内を兼ねたプレトークが始まる。しっかり物産展のことを宣伝している。このコンサートは実はこっちもメインだったりするようだ。なおホール内は3階及びP席、2階バルコニーの前半分には客を入れていないザ・シンフォニー中ホール構成であるが、客の入りとしてはほぼ満席に近い。山形交響楽団の本拠のテルサ山形(私は昨年に訪問している)の座席数が800人ほどだから、それよりは多く入っているだろう。

山形物産展は大盛況

 

 

山形交響楽団特別演奏会 さくらんぼコンサート2023 大阪公演

[指揮&ホルン]ラデク・バボラーク
[管弦楽]山形交響楽団

スメタナ:連作交響詩「わが祖国」 第6曲 “ブラニーク”
モーツァルト:ホルン協奏曲 第3番 変ホ長調 K.447
ドニゼッティ:ホルン協奏曲 ヘ長調
ドヴォルザーク:交響曲 第8番ト長調 op.88

 地方オケの雄、山形交響楽団の大阪公演である。ホルンと指揮がバボラーク。チェコ出身のバボラークによるチェコ音楽中心のプログラムである。

 一曲目は定番の「わが祖国」から。しかし日本でよく演奏されるモルダウでなく、チェコで人気という第6曲のプラニークを持ってきているのが最大の特徴。なおチェコではこれと第5曲を続けて演奏するパターンが多いとか。

 バボラークとしては故郷の音楽に対しての思い入れもあるだろうが、意外に抑制的な演奏である。リズムとアクセントに独特のものがあり、その辺りはチェコ式、及びバボラーク式なんだろうが、祝祭的にガンガンと派手な演奏をする者が少なくない(例えばアルトリヒテルとか)中でバボラークの解釈は抑え気味に聞こえるところがある。10-8-6-6-4の10型の2管編成であるので、ややバランス的に金管優位であり、下手をすると金管ばかりバリバリ前に出かねないバランスのところを、バランスに配慮して抑えているような感もある。

 二曲目はモーツァルト。オケの方も6-6-4-3-2の小型編成に再編成して、室内オケ的な音楽を聴かせることになる。この曲は随所にいわゆるモーツァルト節とでも言うべき特徴的な節回しが出てくるので、初めて聞いてもモーツァルトの曲であることはすぐ分かるような曲。さすがにこの曲になるとバボラークのソロホルンが冴え渡る。とにかく見事という音色を出してくる。やっぱりバボラークの本領はホルンにあるなと思わされる。

 もっともバボラークのホルンが冴え渡ったのは三曲目のドニゼッティ。ドニゼッティの曲だけあってどことなくオペラ的で、バリトン歌手よろしくホルンが歌いまくる曲であるので、バボラークのホルンの音色が響き渡るという印象。まさにその妙技を堪能するにふさわしい曲であり、5分ほどの演奏時間はほとんど一瞬で終わってしまったという印象。

 後半は再びオケを10型に戻して、いわゆるドボ8。チェコ的アクセントは相変わらずで、メランコリックな旋律でも溺れすぎないややクールな演奏は一曲目と同じ印象。もっとも歌わせるところではしっかり歌わせており、10型の2管編成とやや弦楽陣が物理的に負け気味な山響弦楽陣も、ここぞとばかりにしっかりと聞かせてくる。また随所にある舞踏的節回しではしっかり踊ってくるのもチェコの指揮者の特徴。もっともこういうところでもバボラークはかなり「節度」を保っている印象。

 予想以上にバボラークがお上品な演奏をするなというのが全体を通じての印象。私的にはもっと下品な演奏の方が面白かったりするのは本音。なお山響のアンサンブルについては相変わらずなかなかにしっかりしたものを感じる。これからも地方オケの雄として活躍していって欲しいところ。本当は山形にまた聴きに行きたいが、もう私にはそんな余裕は永久に出来ないかも。少なくとも岸田の「庶民からは徹底的に巻き上げて、富裕層に配分」という政策が続く限りは絶望的。

本公演はカーテンコールが撮影可

バボラークもやり切った感が伺える

 

 

宿泊は新今宮で

 コンサートを終えるとおみやげのサクランボを受け取ってから車を取りに行く。後は例によって新今宮のホテルへ。今回宿泊するのは先週と同じビジネスホテルみかど。前回は空きがなかったせいで旧館の方に宿泊したが、今回はいつもの新館を確保してある。まあやはり新館の方が綺麗ではある。部屋の殺風景さは同じようなものだが。

館内は旧館よりはやや綺麗

部屋はシンプルで機能的(殺風景を言い換えるとこうなる)

 部屋に入ると疲れているので軽く夜食。先ほどもらったサクランボを出して来て少しつまむ。かなり美味。さすがに本場ものである。PR用だけにかなり厳選してある気がする。

土産のサクランボ(後ろも土産ののど甜茶飴)

 一息ついたところで仕事環境構築。しかし疲れが強いので作業は進まない。風呂の時間が来るが大浴場まで入浴に行く元気がないので、近くにあるシャワーで済ますことにする。体をザクっと洗ったところで、諦めてこの日は就寝する。

仕事環境は構築したが、仕事ができる体力がなし

 

 

この遠征の翌日の記事

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