徒然草枕

クラシックのコンサートや展覧会の感想など、さらには山城から鉄道など脈絡のない趣味の網羅

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アニメ関係の記事は新設した「白鷺館アニメ棟」に移行します。

白鷺館アニメ棟

映画を見てから、宝塚市交響楽団の定期演奏会。アマオケなれどレベルの高さに驚嘆

映画のために西宮に繰り出す

 この週末は西宮まで映画のために繰り出すこととした。目的とする映画は「大雪海のカイナ」。以前にテレビで放送され、私はそこそこに高い評価をしていたのに、最後がやや尻切れトンボで終わって「おいおい」といった作品である。この度、完結編となる劇場版が公開とのことなので見に行くことにした次第。

 わざわざ西宮まで出向いた理由は「そこぐらいしか公開劇場がないから」という理由。本来ならイオンシネマで1000円鑑賞したいところだが、残念ながらイオンシネマで本作を扱うのは全国で4館ほどで、しかもすべて僻地で近郊はなし。それどころか兵庫県内の劇場も西宮か三ノ宮ぐらいしかない状態で、三ノ宮の劇場は近くに駐車場がないことから西宮まで来ることになった次第。

 日曜の午前中に阪神高速の渋滞を警戒してやや早めに家を出ると西宮に直行。車はスムーズで予定よりもやや早めにオープン直後の西宮ガーデンズに到着。駐車場入口前には車列が出来ていて入ることが出来ず、通り過ぎてからUターンして、反対側の入口から入場することに。

TOHOシネマズ西宮

 

 

 上映開始は11時過ぎであることから、館内をウロウロしながらしばし時間つぶし。本当は喫茶店でも開いていたら良かったし、飲食店があったら早めの昼食を摂っても良かったのだが、残念ながらレストラン街は11時から。仕方ないので既に開いていたコロッケ店でコロッケを購入して腹に入れる。

とりあえず揚げたてのコロッケを腹に入れておく

 そのうちに入場開始時刻が来る。観客は10人ちょっとというところか。余程の人気作でないとこの程度の模様。なお映画の内容に関しては白鷺館アニメ棟の方に記載することにする。

anime.ksagi.work

 

 

 映画を終えると直ちに移動。隣の兵庫県立芸術文化センターに向かう。西宮くんだりまで来て映画だけで帰るのもしんどいと思っていたところ、本日の14時よりここの大ホールでアマオケである宝塚市交響楽団のコンサートがあるとの情報を入手。チケットを事前に入手していた。ただ懸念していたとおりに駐車場は満車(このホールは3劇場の公演がブッキングする時は大抵満車になる)。仕方ないので近くの別の駐車場に車を置く。これは地味に痛い出費である。

兵庫芸文に到着

 ホールはかなり盛況の模様。3階席まで客が入っていて、ザッと見たところ9割近く入っている。やはり兵庫芸文に来る客はPACなどの安いオケを好む傾向があるようだ。宝塚市交響楽団のチケットは1000円。実のところ、駐車場代の方が高い。

結構の入りになっている

 映画が13時終了でコンサートの開演が14時なので移動で精一杯で昼食を摂る時間が無い。もっともそうなることは最初から分かっていたので、朝の出がけにコンビニで買い込んだおにぎりをホールのロビーで貪り食う私。つくづく怪しい人物になってしまっている。

 

 

宝塚市交響楽団 創立40周年記念 第72回定期演奏会

指揮:佐々木新平

ボロディン:歌劇『イーゴリ公』より「韃靼人の踊り」
チャイコフスキー:バレエ組曲「白鳥の湖」
コルサコフ:「シェヘラザード」

 宝塚市交響楽団はアマオケであるが、12-12-10-8-6の弦楽構成をトラを含んでキチンと組んでいるところを見ると、かなり本格的な楽団である。やはりただ単にオケをやりたいという人物だけを集めたと言うよりも、一応聴かせることを意識しているように感じられる。プログラムに目を通すと各楽器にトレーナーが付いているようで、技倆の向上なども計画的に行っているのだと思われる。

 実際に演奏のレベルの方もアマオケにしては高い。当然どうしてもプロオケよりは劣る部分も散見されるが(例えばホルンが大惨事手前って状況もあった)、なかなかにキッチリした演奏をしてくるという雰囲気だ。もっともそれだけに統制は取れているが、突き抜けたところがない感もなきにしもあらずである。

 一曲目のダッタン人については、金管優位でガンガンと来たという印象。金管に煽られたせいか、弦楽のアンサンブルがやや甘めに感じられる部分もあった。

 二曲目の白鳥の湖はかなり無難にまとめてきた印象を受ける。管楽器陣ソロもなかなか安定していたし、弦もシットリと鳴っていた。

 圧巻はやはりメインのシェヘラザード。決して簡単な曲ではないと思われるのだが、演奏の集中度がさらに一段階上がった印象。弦楽陣のアンサンブルの緻密さがワングレードアップしていた。これは練習においてもこの曲をメインにかなり気合いをいれてのものが行われたのではないかと推測出来る。管楽器陣もバリバリと鮮やかで力強い演奏を行っており、それが緻密さを増した弦楽陣と相まって、なかなかに高密度で迫力満点の演奏を繰り広げていた。まず熱演と言って良いものであろう。


 正直なところなかなか驚いた言うべきである。宝塚市交響楽団はアマオケの中ではレベルが高いという噂も耳にはしていたのだが、そこはやはり所詮はアマオケということでやや侮っていたところが私にあったのは事実。そういう偏見を打破してくれるパフォーマンスを示してくれたのである。