加古川まで出向く
最近は金銭的問題もあってアマオケ巡りが増えている私だが、今日は加古川フィルの定期演奏会に出向くことにした。場所は加古川市民文化会館とのことで、開演の1時間前に間に合うように車を飛ばす。駐車場は隣に立体駐車場があるが、私の到着時には次々と車が到着している状況。かなり盛況な模様である。
車を置くと陸橋でホールに向かうが、既に入口前には大行列が出来ている。かなりの人気の模様。これはいささか侮っていたか。なお私はここに並ぶのが嫌なので、あえて数百円をプラスして指定席を確保している。そこで大行列を横目に2階に向かう。ここのレストランで昼食を摂っておきたい考え。
実は今日は昼前まで爆睡してしまっていて、慌てて家を飛び出しているので朝食も昼食もまだである。とにかく何か燃料を入れておかないと公演途中でガス欠は必定。ここはCPに目をつぶってもとりあえずの燃料補給は不可欠である。ビーフカレーとサラダ、ドリンクのセット(950円)を注文。
カレーはまず出来合だろうが、まあまあ悪くはない。自家製とかで妙にクセの強いカレーを出されるよりはむしろ無難か。
昼食を終えたところで開演30分前ぐらい。ホールに向かうことにする。加古川市民文化会館は典型的な地方都市の市民会館。この手のホールとしてのお約束で、音響効果はあまり良くない。やや古びたかなりレトロな風情のあるホール。大ホールは2階席まである構造で1524席とのこと。1階席はほぼ埋まっており、2階席も半分近く埋まっている。結構な入りである。
加古川フィルハーモニー管弦楽団第45回定期演奏会
【指揮】八木 裕貴
交響曲第6番 ヘ長調 作品68「田園」 / ベートーヴェン
組曲「牝鹿」作品36 / プーランク
歌劇「ナブッコ」序曲 / ヴェルディ
加古川フィルは昨年に創立50周年を迎えたとのことで、なかなかに伝統のあるアマオケである。編成は10-10-8-8-7型の3管編成とやや管が優位な構成になっている。
一曲目はヴェルディのナブッコであるが、編成の管が優位というのとホールの響きが良くないことが相まって、弦楽がかき消されてブラスバンドのように管楽器ばかりが正面に出てくるきらいがある。さらにはその管楽器が端的に言えば所詮はアマチュアの音であるので、全体的に演奏に深みがない。結局はそのまま力押しだけで押しきった印象の演奏となった。
二曲目のプーランクはプレトークでも言っていたように、所々にジャズ調の部分がある小洒落た曲。やはり加古川フィルのブラスバンド的な管楽陣は、こういう曲調の方がマッチするようで活き活きと演奏していた雰囲気である。
休憩後の三曲目がメインの田園なのだが、やはりこういう曲になるとこのオケが抱える弦楽陣の貧弱さというのがもろに弱点として浮上することになる。弦楽陣が主役として最前面に出張ってこないといけない場面でも、どうしても前に出張って来れずに後の管楽陣の方が前に顔を出す傾向がある。特にメインとなるべき第一ヴァイオリンがコンマスの音しか聞こえて来ない感じがあり、これはいかがなものか。結果としてやや残念な演奏になった感がある。
アンコールはクリスマスソングを演奏していたが、やはりこういう曲の方が活き活きとする。何となく加古川ポップスフィルという雰囲気があるように思われたのである。