徒然草枕

クラシックのコンサートや展覧会の感想など、さらには山城から鉄道など脈絡のない趣味の網羅

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白鷺館アニメ棟

佐渡/PACオケのマーラーの九番を聞いてから万葉倶楽部で宿泊

再び兵庫芸文へ

 この週末はPACオケの新春第一弾コンサートに西宮に出向く。今週月曜日のプラハ交響楽団に次いで、この週二度目の兵庫芸文ということになる。内容はここのところ新春恒例となっている佐渡裕によるマーラー。実は昨年度はチケットは購入していたにも関わらず、コロナの問題と私の体調の問題で見送ったということがある。今回はようやくというところ。なお昨年度は7番で今年は9番だが、創立30年の記念イヤーになる来年は、8番(佐渡にとっても初めてとか)をやるとのことである。

 昼前に家を出ると西宮まで、当初は考えていた予定もあったが、途中でひどい渋滞に出くわしたことで予定は吹っ飛ぶこととなる。ただし西宮に直行すると今度は到着がやや早め。仕方ないので昼食を摂る店の物色も兼ねて西宮ガーデンズを覗く。

 しかし状況は先の月曜日とほとんど変わらず。どこも異常な混雑の上に10人以上待ちがゴロゴロ。そんな長時間ここで待っているだけの時間的余裕はない。結局は諦めることに。相変わらず使い物にならないショッピングモールだ。

 ホールの駐車場に車を入れてしまうと駅の北側までプラプラ、結局はこの日の昼食はケンタという情けない結果に。それにしてもケンタのサンドも価格は上がり、大きさは小さくなり、味は落ちた。これもアホノミクスの副作用か。

 とりあえずの昼食を終えるとホールへ入場。それにしても相変わらず佐渡裕は大人気のようで、この三日間の公演も全日程完売御礼の模様。実際に明らかに入場する観客の人数が多い。訓練オケではあるが、入場料を安くした上で名物指揮者を持ってくることで集客を図る。そういう点ではPACオケの営業戦略は成功しているように思われる。

佐渡裕は大人気の模様

 

 

第147回定期演奏会

1階左の遠くというあまり良くない席しか取れなかった

指揮・芸術監督:佐渡 裕
管弦楽:兵庫芸術文化センター管弦楽団

マーラー:交響曲 第9番

 マーラーの完成作としては最後の交響曲である。オケは助っ人を加えての16型巨大編成。なおヴィオラソリストに見慣れた顔がと思えば、関西フィルの中島悦子氏であった。それ以外にも訓練オケらしく、要所要所に名だたるトッププレイヤーを配しているようである。

 さて演奏の方であるが、冒頭からネットリしっとりとなかなかに良い音を出している。そこで佐渡もそのオケの特性を活かしてゆったりとしたスケールの大きい演奏を試みているように思われる。

 のだが、それにも関わらずいささか音楽が冗長に感じられるところがある。美しさはあるのだがどうにも緊張感に欠ける節があるので、音楽が実際以上に長く感じられるのである。端的言えばゆるくて眠い演奏。実際に周囲を見渡すと完全に爆睡状態に陥っていた観客が少なからず見受けられた。

 第三楽章はやや激しさを増す曲調になるのだが、ここでオケの音色は冴えるのであるが、佐渡の音楽自体は相変わらず今一つピリッとしない感がある。結局は一番の美しさを極める最終楽章もその調子。特にラストの消え入るような終幕などは、「まだかいな」というぐらいに長く感じられ、正直なところ退屈してしまったというところがある。

 佐渡の演奏に関しては、今までは概ね可もなく不可もなく、これという強い特徴もなくという印象を受けていたのであるが、今回に関しては何かピリッとしないという印象を強く受けた。これがラトル/ロンドン響などの時は、この長大な交響曲が最後まで「長い」と感じさせることなく高密度の音で押し切られてしまったのであるが、残念ながらそこまでの濃い中身がなかったというのが現実。オケの演奏自体はまずまず良い音を出していたので、なんか最後までかみ合わなくて残念と言うのが本音である。

カーテンコール時のみ撮影可

かなりの大編成

 と言うわけで、今回の内容に関しては私としては、わざわざ遠征してきたのにややネガティブである。なおこれは佐渡とは全く関係ないところで気になったのは、前からよく指摘されるこのホールの観客マナーの悪さ。今回は満席だったこともあり、後ろの方で演奏中にずっと咳をしている者(コロナだったらバイオ兵器だし、そもそもこんな状況でコンサート会場にやってくること自体が根本的におかしい)、ずっと荷物をガサガサとしている者、ウトウトするのは仕方ないが鼾をかく者など、かなりひどい有様であった。

 

 

久しぶりに万葉倶楽部で宿泊

 コンサートを終えると車を回収して今日の宿に向かう。明日は神戸フィルのニューイヤーコンサートに行く予定なので、今日は神戸に宿泊することにしている。宿泊するのは万葉倶楽部。どうせだから温泉で骨休めしたいとの考え。西宮からは30分もかからない。

 契約駐車場に車を置くと万葉倶楽部の方へ。しかし所詮はスパ銭のレストランなんかはそれなりだし、チェックインの前に夕食を済ませておいたほうが良いことに気付く。万葉倶楽部のビルの地下にフードコートがあったはずだが、そこは確かほぼ瀕死の状態。さてどうしたことかと思って見渡すと、南のビルにつながる連絡橋がある。そう言えばこの先はハーバーランドになるはず。飲食店ぐらいあるだろうとそちらに出向く。

立ち寄ったのはumie4階のフードコート

 結局この日の夕食はumieの4階のフードコートの「神座」でラーメンを食べる。こちらのフードコートは向こうの地下フードコートと違って結構にぎわっている。さてラーメンの方だが、ラーメン自体は悪くはないが、場所柄かCPは激烈に悪い。

チャーシューメンのセット(1730円)

 

 

 夕食を終えるとチェックインする。部屋は例によって半個室のグランドキャビン。部屋に鍵をかけられないのが最大の難点だが、それができるようになったら旅館法に引っかかってくるので、規制が厳しくなって料金が高くなってしまうのだろう。

ゲートをくぐって

廊下沿いに個室が

グランドキャビン内部

 部屋に荷物を片付けると、同じフロアにある大浴場で入浴。これが非常に快適。内風呂で体を温めておいてから、炭酸泉で体を芯から温める。心身に相当に疲労が溜まっているので体がガチガチである。しっかりとほぐしておく。

 入浴を終えるとレストランに寄ってあんみつで一服。それにしてもここのレストランも、例のアホノミクスのせいで軒並みメニューの価格が高騰している。政治家がバカだったら庶民が苦労する。

 部屋に戻ってくると毎度の仕事環境を構築するが、テレビの前なのでいささか狭苦しい。しばし原稿入力作業を行っていたが、かなりどうしようもないレベルの眠気がこみ上げてきたので、10時過ぎには寝てしまう。

仕事環境は構築したものの、疲労でさして作業は出来ず