週末コンサートに繰り出す
さて週末三連休であるが、私はコンサートの連荘に出向くことにした。まずは金曜夜の日本センチュリーの定期演奏会である。
今回は以前から考えていたようにJRを使用することにした。今まではコロナを警戒して車で移動していたが、これはとにかく何かと金がかかる上にとにかく大阪に到着してからの動きを取りにくい。おかげで昨今の貧困化に拍車がかかっていた。と言うわけで、主に経済的理由によりJRを使用しての移動と相成った。
とは言うものの、やはりまだ厳戒態勢ではある。マスクは手放せないし、ゲホゲホ言っている奴がいたら自然と遠ざかる。実際のところ、バイオテロリストはどこに潜んでいるか分からない。
大阪駅に到着。夕食を摂るために数年ぶりにエキマルシェを訪れる。さて今日立ち寄ろうと思っていた店は決まっているのだが、果たしてコロナ禍を生き残ることが出来ただろうか・・・などと思いながら訪ねた店は健在であった。今回立ち寄ったのは「牛たん利久」。仙台牛たんのチェーン店である。私は「タンシチュー定食(税込1595円)」を注文する。
数年ぶりのタンシチューはなかなか美味い。それどころか、元々はあまり好きではない塩っぱいテールスープまで美味しく感じる。うーん、牛肉に飢えていたかも。そう言えば最近は困窮のせいで鶏肉か豚肉ばっかりだったような・・・。
夕食を堪能するとホールへの移動。通常なら歩いて行くのだが、今回はキャリーケースを引きずっているし、日本センチュリーが定期公演の時に運行している送迎バスを利用することにする。非会員も100円払えば乗車可能である。ただ乗り場はホテルの送迎バスなんかも頻繁に到着する場所なので、どこで待てばよいのかは初めての私には分からない。とりあえず行列の最後尾に「これは何の行列ですか」と聞き回る羽目に。
送迎バスはすぐに到着する。使用しているのはMKの観光バスの模様。多数並んでいた客を乗せると出発。大阪駅周辺は一通地獄なのでかなり大回りする上に、乗客が高齢者ばかりのせいかやけにバスはゆっくりと慎重な運転をするので予想以上に時間を要する。結局は20分ほどかかって開場直後のホールに到着する。
開場待ちの客が一段落ついたホールに入場。この公演は電子チケットなんだが、なぜかその電子チケットがうまく反応しないというドタバタが。これが開場待ちの大行列が出来ている時だったら顰蹙ものだった。何度かページの再起動なんかをした後にようやくチケットが反応、なんとか入場できる。それにしても何だかんだ言ってもやっぱり紙チケット最強のようで。今回のようなスマホが反応しないという事態や、サーバダウン、回線障害などトラブルの種はいくらでも想像できる。そういう時はどうするんだろう。もっとも後でチケットの紙ゴミがでないと言うことで、確かにエコではあるが。なお私はチケットの半券を記念に取っておくというようなことはしない。というか元々はそういうことをするタチ(なんせオタなんで)だったんだが、流石にきりがないので断捨離である。昔はプログラムも残していたのだが、最近はこれも断捨離している。
ホールに入場すると重たいキャリーと上着はクロークに預けて、喫茶でアイスコーヒーで一服。老化とともに体力が落ちて堕落した私は、最近はこれが定番になってしまった。フェスティバルホールの喫茶と違い、シンフォニーホールの喫茶は椅子席があるので、席さえ確保できたら原稿の執筆にちょうど良い。なお今日は久石の公演とのことでチケット完売で入場客が多いので、喫茶はほどなく満席になる。今回の公演のチケットを私が購入したのは発売されてからかなり経ってからだったのだが、その時点で空席は多く、今回のプログラムは久石の曲がないからチケットの動きが鈍いのかと思っていたが、最終的には完売とのことだから、やはり久石人気は未だ衰えずか。
開演10分前ぐらいで座席に向かう。私が購入したのは最安席なので3階の後列である。予算を考えずに良い席をザクザク確保できるだけの軍資金が欲しいところである。
日本センチュリー交響楽団 第279回定期演奏会
[指揮]久石 譲
[管弦楽]日本センチュリー交響楽団
ドビュッシー:小組曲
ドビュッシー:交響詩「海」
ムソルグスキー(ラヴェル編曲):組曲「展覧会の絵」
さて一曲目は私の知らない曲。ドビュッシーとのことだが、どうも彼らしくない。どうやら若い頃の曲のようである。普通に非常に分かりやすい曲で、それを久石指揮の日本センチュリーはかなり煌びやかな音色で艶っぽい演奏をする。オケは10型の二管編成で本来のセンチュリーのコアメンバー構成のようなので、そのためか非常にまとまりが良い。
正直なところこの曲を久石が演奏するとジブリに聞こえてくる。もし私が曲名を知らずにコンサートに臨んだら、指揮は久石だし何かジブリの曲だろうと思ったのではないかと考える。非常に馴染みやすい曲であり、普通に綺麗で楽しめる曲。これには驚いた。
二曲目はまさにドビュッシーが彼のスタイルを確立した代表曲であり、正直なところ私にはあまり得意ではない曲である。今度はエキストラを加えての14型の三管編成に拡大されている。それでパワーでグイグイ行くのかと思ったら、そうはせずに出力は8割程度に抑えてあくまで煌びやかで小洒落た演奏をするのがいつもの久石流。確かに久石の演奏はフランス系の音楽には合っているようで、今回のプログラム編成も理解できるところ。私はこの曲は大抵眠気を誘われるのであるが、今回は煌びやかな音色を追いかけていたら眠気が湧くこともなかった。
休憩後の後半が「展覧会の絵」。フランスもので来ているのになぜここでムソルグスキーなのだと思ったら、ラヴェル編曲という方に力点を置いているようである。実際に久石の演奏もムソルグスキーのアクのある旋律よりも、オケの魔術師ラヴェルによるキラキラとしたオーケストレーションの方に焦点を当てた演奏である。いろいろな楽器が代わる代わる様々な音色を出してくるというオケのデモンストレーションか何かのような演奏。
まずまずの名演だと思う。場内も結構な盛り上がり。アンコールはどこかで聞いたことのあるようなないような曲。ジブリかとも思ったが該当する曲がないし、どことなく雰囲気が違う。後で確認したらラヴェルだった模様。
新今宮でかつての定宿に宿泊
コンサートを終えると新今宮のホテルに向かう。今回宿泊するのはホテルサンプラザ2ANNEX。ホテル中央オアシスが高級ホテルだとすると、ホテルみかどは中の上、今回のサンプラザが中の中ぐらいである。風呂トイレ共同で宿泊料金はみかどよりも安い。コロナ以前にはよく利用したホテルだが、コロナ以降は駐車場がないことから敬遠していた。今回は移動をJRにしたことで数年ぶりの利用である。
部屋はベッドとテレビと冷蔵庫のシンプルな構造。ただ以前からこの部屋の難点はデスク部分が狭い上に高さが高いので、仕事環境を構築しても立って作業をすることになってしまうと言うこと。今日は1万2千歩ほどを歩いていて、足が時々攣りそうになるような状態なのでこれはキツい。
とりあえず入浴しようと思うが、ここで重要なことを忘れていた。安ホテルでのあるあるなんだが、このホテルで支給されるアメニティにはバスタオルが含まれていないことを忘れていた。そう言えば昔はこのホテルに宿泊する時はバスタオルを持参していたんだったっけ。何年も前なのですっかり忘れていた。こうなると体を支給されたタオルで拭くしかないが、なんせ体表面積が広いので完全に体が乾く前にタオルがビショビショである。そこは開き直って、とりあえず浴槽で手足をしっかりとほぐしておく。足は攣りかけている上に、手は重い荷物を引っ張って歩き回ったせいで変な凝り方をしている。気をつけないと明日にダメージが残りそうだ。なおこのホテルは隣のジパングと一体営業(実際にフロントは接続している)なので男性浴場がジパングの大浴場で、ANNEXの大浴場は女性浴場となっている。
入浴を済ませるとしばしテレビを見てからベッドでゴロリ。立って文章入力はキツいので、結局はベッドに転がりながらpomeraで文章入力になる。そう言えば以前もこのホテルでの作業はこうやってたっけ。段々と昔のことを思い出してきた。
結局はこの日はある程度疲れてきたところで就寝することとなった。
この遠征の翌日の記事