徒然草枕

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白鷺館アニメ棟

青天を衝け 第20話「篤大夫、青天の霹靂」

家茂の突然の死で、将軍位を押し付けられる慶喜

 前回、「長州を倒すぞ」と大阪まで出張ってきた将軍・家茂ですが、そもそも病弱だったらしいこともあり、突然に倒れてしまいます。慶喜が駆けつけるが「後はお願いします」の類いの事を言い残してあっさりと死んでしまう家茂。慶喜にしたら「今更押し付けられてもどうすりゃいいねん」状態ですが、他に誰も人材がいないというのが現状、天璋院辺りは慶喜を嫌っているのか、別の将軍を立てようとしたようですが、まだ幼すぎると言うことでこの難局には荷が重すぎる。挙げ句に和宮などは「上様は将軍になったことによって不幸になった。次は慶喜が不幸になればよい。」と完全に将軍位は呪いのアイテムになってしまっている。まあどう考えても火中の栗を拾うことになるのは間違いない。

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 当然ながら栄一も猛反対で「今、将軍になったらもう限界の幕府のすべての責任を負わされることになる」と慶喜に反対を奏上するが、慶喜にしてみたら「そんなことは分かっているが、俺が受けないと誰が将軍になるの?」状態。そもそも慶喜の本音も「俺が将軍になっても絶対に回りの奴が付いてこないから、幕府は家茂に任せて、自分は朝廷対策に専念したかったのに。」というところ。貧乏くじを引かされたのは慶喜自身が一番痛感していそう。

 

栄一も不本意ながら幕臣になってしまう

 結局は慶喜は将軍になることになり、栄一は一橋家の家臣から幕臣になることに。単純に「出世だ、出世だ」と浮かれる回りの連中の中で、幕府はもう限界だから慶喜を中心に新しい政権を立てて欲しいと考えていた栄一にとっては極めて不本意な状況に。

 しかも「将軍になる以上は長州征伐をしないといけない」と栄一もいきなり軍に割り振られることになり、「やっとソロバンの方に生きがいを感じていたのに・・・」と不満タラタラの栄一だが、結局は小倉の幕府軍が惨敗したことで「今更長州征伐なんて無理」と慶喜が出兵を取りやめることに。何か慶喜はどうもこの辺りの見切りが早い。この見切りの早さも優秀なのかやる気が無いのかの評価が分かれるところ。実際に「長州征伐なんて実は誰も望んでいない」なんてこぼしているし。

 

イケメン土方歳三と語り合う

 結局は不完全燃焼の日々を送る栄一は、成一郞と喧嘩したりなど完全に空回り状態。そこにいきなり京都奉行の名代として不審者の捕縛に向かわさせられることになり、新撰組を護衛につけて乗り込むが、「まずは正式に話して進めるのが筋」と妙なところにこだわって、単身乗り込んだ挙げ句に囲まれてあわやという羽目に。昔から、意味のないところに妙に頑固な性分の扱いにくい男である。

 ここは乱入してきたイケメン土方歳三によって助けられ、その後は土方と語り合うことに。佐幕派バリバリの土方に「幕府はもう限界」と言い切ってしまう幕臣・栄一。相変わらず口が軽すぎる男である。土方は一瞬気色ばむんだが、栄一が自分と同じ武州の百姓上がりと言うことを聞いて態度を軟化させる。さすがに瞬間湯沸かし器の土方でもあそこでいきなり栄一を斬りつけないだけの分別はあったか(笑)。結局はそれぞれ考えに違いはあれども日本を良くしたいという意識は同じということで、再会を誓って土方と別れる栄一だが、この二人が再会することは絶対無い。というか、そもそも本当に会ったことがあるかどうかも怪しいところ。

 

そして薩摩の暗躍にいよいよパリ万博の話が

 一方の朝廷側では、中央から追われていた下品な岩倉具視の元に薩摩が接触、薩摩が倒幕の意志を示したことで「王政復古だ」と浮かれる軽薄な岩倉具視。今後、この軽薄男が朝廷を支配していくことになるのであるが、その頃は栄一はパリだよな・・・。

 話の最後にパリ万博のことが出て来ました。パリ万博の話を小栗から聞いた慶喜の頭に浮かぶのが栄一のこと。どうも「あいつは結構優秀だが、使いにくいし、最近はやる気なくしているようだから、いっそのことパリに飛ばすか。」と思いついた模様。恐らく再来週には栄一はパリでしょう。

 と言うわけで話は怒濤のように動き出しました。全く話が動かなかった序盤と比べてまあ動きの激しいこと。このドラマのペース配分はどうなってるんだ? なんかその辺りの設計にまずさを感じるな。やっぱり一橋の家臣になるのが第14話って、どう考えても序盤が無駄に長すぎた。渋沢栄一のドラマはむしろパリから帰ってきてからが本番になるのに、そこを十分に描けるのか? やっぱり私なら、遅くとも第6話ぐらいでは渋沢を一橋の家臣にしてたな。もしかして1年まるまるのスケジュールで序盤を撮り始めたのに、コロナで麒麟がズレたせいで全体の尺が変わって、序盤が無意味に長くなって後は詰める羽目になったか? にしても、1年単位で考えたとしても、あの序盤は3ヶ月もかけるような内容ではなかったよな・・・。実際にあの間に「つまらなすぎて落ちた」という話をよく聞いている。多分私もこのブログのことがなかったら落ちてた(笑)。

 

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