徒然草枕

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どうする家康 第2話「兎と狼」

何やら怪しい関係の信長と家康

 突っ走っている現代劇「徳川家康」ですが、相も変わらずあり得ない事実を次々と捏造してきます。やはり作品的には岡田准一の顔見せが必要と、わざわざ家康の元に現れる織田信長。家康は織田家での人質時代にいじめっ子信長に散々いたぶられて、骨の髄まで信長の怖さが身に染みついている模様。それにしても信長はいろいろな描き方をされますが、今回の信長はヤンキー度が一番高い。親父のライダー1号に刀をぬいて立ち向かうというこれまたあり得ないことをやってくれます。この信長が何やら家康に歪んだ愛情を持っている模様で、かなり歪な形ではありますが、今流行のBLを少し匂わせている。最近のNHKってこういう要素は不可欠なんでしょうか? そう言えば歴代最低視聴率と言われて平清盛でも、平氏の頭領と源氏の頭領がBL的展開をしていた前半は意外と好調でした。あのドラマが視聴率低下していったのはそういうのがなくなって以降。特に後半に清盛が暗黒変して、バニーちゃんこと兎丸あたりまで粛正された頃から視聴率はボロボロになったとか。

     
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 ちなみにNHKでBLといったら外せないのが、一昨年の正月ドラマの「ライジング若冲」。若冲の若き日を描くドラマと聞いていたら、中身はもろにBLそのものでした(笑)。おかげて私のブログにも「若冲 BL」のキーワード検索で来る人が続出で、危うく私のブログがBLブログに分類され掛かったというオチが・・・ん、これ以上触れていたらまたそっちに分類されかねないから、この話はこの程度にしておきますか。

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切腹を考える家康・・・しかし誰も止めない(笑)

 さてとりあえず信長はデモンストレーションだけしてから去り(そういう行動自体があり得ないんだが)、家康は這々の体で岡崎に逃げ帰る・・・と思っていたら、当の家康は「お前らの妻子は岡崎にいるかもしらんが、ワシの妻子は駿府だから、駿府に帰る」などと我が儘を言っております。その挙げ句に「岡崎なんかよりも駿府の方がずっと良い」という家臣達が思わず肩を落としてしまうような本音を。さすが本作の家康はトコトンへたれです。史実では、岡崎の城代が逃げ出したのをこれ幸いと、さっさと岡崎城を乗っ取ったはずなんですが・・・。

 しかし岡崎まで行ったところで、同門の裏切り者が出て、とにかく信じようと言った家康はまんまと欺かれて家臣は負傷を追って這々の体でお寺に立て籠もり。なかなか情けない状況ですが、ここのお寺の住職が里見浩太朗ですから、何かこの住職一人で数百人程度の軍勢なら叩っ切りそうな迫力があるのですが・・・。こんなちょい役にここまでの大御所使えるなんてのはさすがに腐ってもNHK。これで後は家康が「家康です」と北大路欣也にバトンタッチしたら、1万ぐらいの軍勢でも一掃しそうだが。

 史実では岡崎に戻ってきたものの将来の展望がなくなった家康は、先祖の墓の前で切腹しようとするのだが、そこを住職に説得されて翻意することになってる。しかし歴史的事実はドンドンとドラマのために捏造するのが本作。何とここに現れたのが、主君に対してため口で話すというあり得ないホンダム。挙げ句の果てが「介錯してやる」と来たもんだ。何やら石川数正も遠くから様子を覗っているだけで止めようとしないし。いやー数正、あんた家康を裏切るのはまだ数十年早いんと違うか・・・。

 

 

やけくそになって開き直った家康だが

 で、切腹しようとしていた家康だが、介錯してやるとまで言われたらかえって決意が鈍った模様。どう見ても葛藤の中身が「いや、ここは死なないと立場なさそうだけど、これをぐさっと腹に刺したら痛そうだな・・・」って雰囲気がある。さすがに「へたれ家康」。やっぱりこの作品のOPテーマって山本正之の方がピッタリだわ。

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やっぱり今回の大河のOPはこれの方がピッタリ

 結局は死ぬ気になって開き直って、ハッタリで裏切り者共を圧倒して岡崎城入りした家康。家臣連中は「おっ、殿がついに覚醒した」と感動していた模様で、あの単純バカのホンダムなんかも「うん、こいつを主君として付いていっても良いかも」なんてことを考えたのが滲んでいる。それどころかお寺で居候していた榊原康政まで付いていきそうです。後に徳川四天王に挙げられるのが彼ですが、出自は低い身分ということになってます。城に入った家康は、この岡崎を拠点にして三河をまとめるぞと家臣の意気を上げていたが、その裏で例によって「どうしよう」になっているというお約束。

 と言うわけで相も変わらず「軽い現代劇」ってことは否定できないところだが、まあ今のNHKにかつての重厚な大河を求めるのは到底不可能だろう。同じ軽さでも、まだ三谷幸喜に比べるとまともな方ではというのが私の評価。

 

 

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