徒然草枕

クラシックのコンサートや展覧会の感想など、さらには山城から鉄道など脈絡のない趣味の網羅

PAC第93回定期演奏会&「ポンペイの壁画展」at 兵庫県立美術館

 翌朝は7時頃に起床、8時頃にレストランで朝食を摂ると、朝風呂を浴びたりなどマッタリしながら、チェックアウト時刻の11時ギリギリまでウダウダとする。今日の予定は西宮でのコンサート以外にはほとんどないので、急ぐ理由がない。

 ホテルをチェックアウトするとコンサートの開演時刻までの間に美術館に一カ所立ち寄ることにする。

「世界遺産 ポンペイの壁画展」兵庫県立美術館で12/25まで

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 ヴェスヴィオ火山の噴火によって一夜にして火山灰に埋もれたローマの都市ポンペイ。多くの犠牲者を出した未曾有の惨事であったわけだが、この町が火山灰に埋もれたことによって、ローマの都市のありのままの姿を後世に伝えるタイムカプセルの役割を果たすことになった。本展はこのポンペイで発掘された建造物を飾っていた壁画を通して、当時のローマ人の生活に迫る。

 驚くべきは色鮮やかな壁画がかなりの部分そのまま残っているということ。鉱物系の顔料を使用して壁画が描かれていたことから、火山灰の熱を受けても壁画が消えることがなかったようである。そこに描かれているのは神話の世界を題材にしたものが多いが、中には部屋を広く見せるためのトリックアートのようなものや、単なる幾何学模様など意外に多彩である。

 ローマ人は人生を楽しむことを知っていたと言われているが、確かにこれらの壁画にもその精神は現れているようである。多神教による多様な神々の世界は、後の一神教支配下の息が詰まるような中世社会とは異なった、自由さを感じさせるものである。

 壁画を通して、ローマ時代の人々の息吹のようなものを感じられるような気がした。なかなかに興味深い展覧会であった。

 

 美術館を出てきた時には昼時を大分過ぎている。ホールに行く前に昼食を摂っておきたい。石屋川駅の近くの「とんかつ富義」とんかつA定食を頂く。老夫婦が経営している店なので万事がゆったりしたところがあるが、とんかつ自体はなかなかうまい。町のとんかつ屋としては上々だろう。ただこの店、果たして何年後まで営業しているだろうか。私もこの年齢になると、行きつけの店が店主の引退で廃業などという例にいくつも直面している。そんなところに寂しさを感じる今日この頃である。

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駅前のとんかつ富義

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とんかつA定食

 昼食を終えたところで阪神と阪急を乗り継いで西宮に移動する。このコンサートは12月には珍しく第九ではない。

 

第93回定期演奏会 アルミンク&クンウー・パイク 華麗なる第3番

指揮 クリスティアン・アルミンク
ピアノ クンウー・パイク
管弦楽 兵庫芸術文化センター管弦楽団

ハイドン:交響曲 第70番 ニ長調
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲 第3番 ハ短調
ブラームス:交響曲 第3番 ヘ長調

 万事がオーソドックスに終始した印象の演奏である。アルミンクの演奏はメリハリをつけようとしているように感じられたのだが、そうなるとPACの粗さのようなものが表面に出てきてしまって、今ひとつ雑な印象の演奏になってしまった。ブラームスなどはもう少し緻密さとネットリした感触が欲しいところ。

 どことなくPACの弱点が現れたかなという印象を受けた演奏であった。オーソドックスすぎるドイツナンバーというプログラムも、PAC向きではないのかもしれない。

 

 これでこの週末の予定は終了、帰宅と相成ったのである。