徒然草枕

クラシックのコンサートや展覧会の感想など、さらには山城から鉄道など脈絡のない趣味の網羅

名古屋フィル第452回定期演奏会

 この週末は名古屋まで名フィルの定期を聴きに出かけた。

第452回定期演奏会〈トリノⅠ/トリノの聖骸布〉

下野竜也(指揮)
ヤン・リシエツキ(ピアノ)

ペルト: シンドーネ(トリノの聖骸布)
モーツァルト: ピアノ協奏曲第20番ニ短調 K.466
ブラームス: 交響曲第3番ヘ長調 作品90

 一曲目は珍曲マニア下野らしい知名度の低い現代音楽。しかし正直なところ曲自体は私には面白味が感じられない。

 リシエツキは女性ファンが多そうな若手のイケメンピアニスト。ただ演奏が始まった途端に驚かされたのは、完全に自分の世界に入ってしまったのか、この曲で今まで聴いたことのないような高速テンポで突っ走るかと思えばいきなり目一杯の溜を作ったりと、とにかく振幅の大きな演奏。しかも途中で目をつぶって演奏をしていたところを見ると、指揮者をほとんど見ていない状態。これには後でオケがてんやわんやしており、名フィルの演奏も崩壊寸前のスリリングなものになってしまった。そのせいで明らかにオケとの掛け合いがズレていることも数度といった状態。下野はかなり大変だったろう。

 ラストのブラームスは序盤はややグダグダした印象があったが、尻上がりに名フィルのアンサンブルもまとまっていき、下野の熱い指揮もあって盛り上がる演奏となった。

 ソリストにあんなに派手にテンポを揺らされたら、オケとしては相当に苦労しただろう。下野の姿はピアノの影になって見えなかったが、コンマスが時々「えっ?マジ?」というような表情を浮かべていたのが印象に残った。

 名フィルの定期公演は、現在は芸術劇場コンサートホールが改修中とのことでフォレストホールで開催されているのだが、このホールは典型的な昭和の多目的ホール。いろいろなところに古さが滲んでおり、以前に呆れた姫路の文化会館を思い出した。音響的にも姫路文化会館とドッコイドッコイ。これは早く芸術劇場の改修が終了することを祈るのみ。名フィルは来年度、中部フィルと合同でマーラーの8番をやるそうだが、その会場がここというのはいささかゲッソリさせられる。

 

 コンサートを終えるとこの日は久しぶりに「しらかわ」でひつまぶしを夕食に頂いて帰宅したのである。