徒然草枕

クラシックのコンサートや展覧会の感想など、さらには山城から鉄道など脈絡のない趣味の網羅

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白鷺館アニメ棟

東響第102回オペラシティシリーズ&流鉄沿線城郭巡り(花輪城、小金城)

 翌朝は7時前に目が覚めたが、とにかく体全体がだるい。連日1万歩越えだが、昨日は1万7千歩、一昨日が1万5千歩というのがとにかく効いている。明らかに限界越えの状態。理性的判断ではこのまま極力寝ている方が良いのだが、今回は完全に変なスイッチが入ってしまっている私は、実は今日も結構ハードな予定を考えている。

 8時過ぎ頃にホテルを出ると一旦上野駅にキャリーを置いてから、常磐線で馬橋を目指す。今回は流鉄沿線の城跡を回ろうという計画。以前からこの辺りに城跡があることは知っていたのだが、なかなか訪問する時間を割けなかった次第。そこで今日のコンサート前の午前中にそれを済ませてしまおうと考えたわけである。

 

流鉄に乗って城跡散策

 流鉄は二両編成の車両だが、そこそこ乗客はいる。また1時間に3~4本の多頻度運転が行われているのは田舎のローカル線とは違うところ。

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流鉄車両

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流鉄車両は二両編成ロングシート

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流鉄車両

 この沿線にはもろに「小金城趾」という駅もあるが、そちらに立ち寄るのは後と言うことでまずは終点の流山へ。こちらにはその小金城を本拠にしていた高城氏の有する城の一つであった花輪城跡がある。

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流山駅に到着

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車庫内の車両

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流鉄車両

 流山駅を降りると萌え看板とさらに何やらイケメン看板が立っている。どうやら沿線が「薄桜鬼」なるアニメ作品(私もタイトルぐらいは聞いたことがある)とタイアップ企画を実行中とか。歴女目当てか腐女子目当てか知らんが、最近はこんな企画も増えてきた。

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流山駅には謎のイケメン看板

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さらに謎の萌え看板

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そして謎のイケメン幟

 

花輪城 公園化して今はほとんど遺構は残らず

 花輪城へは流山駅を北上すること徒歩20分弱。正直なところほとんど死んでいる私の足にはかなりキツい。ただ救いは昨日までひどかった花粉症が幾分マシになったこと。花粉に関しては東北よりもまだ東京の方がマシのようだ。これは多分単純に花粉だけでなく、PM2.5なんかの影響もあるのだろう。ヘロヘロの体調でフラフラしながら住宅街の中をしばし歩く。

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花輪城はこの山上

 現地は今は公園になっている模様。東側には小さな水路があるが、ここはかつては川か? となると川沿いの丘陵ということで確かに城郭には向いている地形である。現地はもうかなり削られてしまっているようだが、今でも空堀の一部が丘陵上に残っている。これが城郭遺跡としては唯一のものか。

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何やら建物の跡と

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堀跡?

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東側は公園整備されていて

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何もない

 

小金城 住宅地に埋もれた北条配下の城

 花輪城跡を見学した後は再び流山駅に戻ってきて、次は小金城跡を見学。こちらも住宅街の中に完全に埋もれてしまっていて、今ではかつての城郭のごくごく一部のみが歴史公園として保存されているらしい。

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小金城趾駅は看板さえない

 小金城は千葉氏の一族であった高城氏が本拠にしていた城郭だという。高城氏は北条配下として秀吉の小田原攻めで戦うも北条氏と運命を共にしたらしい。小金城はこの辺りの複数の丘陵上に展開した大規模な城郭だったらしいが、確かに今日完全に宅地化している状況でもこの辺りは結構起伏が激しい。恐らくかつては曲輪の一つだったと思われる場所には今では高層マンションが建設されている。

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かつての城域は今はほぼ住宅化している

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現地のこの手の高台はかつての曲輪跡だろう

 小金城跡だが、丘陵の一つの斜面に堀跡などが残っている。なおこの公園の入口は丘陵の下側にある。最初は上側から回り込もうとしたのだが、こちらはフェンスに阻まれて侵入不可。

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正面に見えるのが歴史公園

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下側に回り込んでようやく入口を見つけた

 残っている堀は北条氏お得意の畝堀であるが、現在は埋められているのか畝はあまり分からない。この畝堀は山中城などで典型的なものを見ることが出来るが、関東ロームの地層には実に効果的であったと思われる。堀内で動きを阻まれた敵兵は城からの矢弾にさらされることになるという仕掛けである。

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城跡碑

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障子堀

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畝堀・・・なんだが、ほとんど分からない

 いずれも大した遺構は残っていなかったが、東京周辺の城郭だと仕方ないところだろう。しかしそれにしても疲れた。何だかんだで今日も既に一万歩以上歩いてしまった。もう限界だし既に昼になっているし、今日のコンサートのあるオペラシティまで移動することにする。

 

 昼食はオペラシティ近くの「築地食堂源ちゃん」でランチメニューの「牡蠣フライと刺身の定食」を。特筆すべきことは何もないが、これで1000円強なら東京なら上々なんだろう。なおまだ時間が少し余裕があることから、ついでにデザートも注文。

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牡蠣フライと刺身の定食

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これがデザート

 昼食を終えるとコンサートホールへ。今日は東京交響楽団のコンサートだが、どうも指揮者のジュゼップ・ポンスが急病のため、急遽飯森範親に変更になったらしいということを、ついさっきHPにアクセスして初めて知った。なお帰宅後に東京交響楽団から指揮者交代の旨を連絡する封書が届いていたことを知ったのであるが、どっちしても払い戻し等はなしなのならわざわざ封書で知らせる意味もないような気がするのだが。しかし、よりによって飯森か・・・。それだとわざわざ東京まで聴きに来るまでもなかった。それにしてもそもそもポンスもマーク・ウィグルスワースがスケジュール的に出演不可になったための代演だったはずなので、代演の代演である。どうにもバタバタした話である。

 

東京交響楽団 東京オペラシティシリーズ 第102回

指揮:飯森範親
ピアノ:マーティン・ジェームズ・バートレット

ワーグナー:歌劇「恋愛禁制」序曲
プロコフィエフ:ピアノ協奏曲 第3番 ハ長調 作品26
ベートーヴェン:交響曲 第7番 イ長調 作品92

 一曲目はワーグナーらしくない軽妙な曲。しかも決してメジャーな曲とは言い難いだけに、急遽指揮をすることになった飯森もどことなく手探りで指揮をしている感じがある。もしかしたら飯森もこの曲はよく知らないのではないだろうかと思われた。この曲想だともっとノリノリで持ってきても良かったような。

 二曲目のプロコはバートレットの華麗な音色もあって、プロコらしい泥臭さをあまり感じなかったように思われる。これはこれで面白くはあるのであるが。

 最後は飯森にとっても馴染みのある曲だろうだけに、飯森も落ち着いた演奏となった。ただしどことなく無難な演奏であり、特別な面白味はなかったのが事実。

 結局のところ、飯森らしく可もなく不可もなしといったところ。残念ながら取り立てての魅力も感じなかったのが本音である。やっぱり最初から飯森だと分かっていたらわざわざ東京までは来ていない。もっとも今回はこれのために東京に来たのではなく、ついでであるから別に良いけど。

 

 これでようやく本遠征も全予定を終了となった。後は新幹線で帰宅するのみである。なかなかに充実した遠征であったが、その分、財布と体に結構キツかったのが事実。当初はゆったりと温泉巡りのはずだったのだが、遠出するとどうしてもそうはならないのが相変わらずの私の性分。今回も結果としてはリハビリを越えて無理をしすぎてしまった。実際にこの後は数日は足腰のだるさに苦しめられるのである。