徒然草枕

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青天を衝け 第7話「青天の栄一」

なんとなくまとまりの悪い感じがつきまとう

 相変わらずの初っ端からの北大路欣也の無駄遣い。今回なんて「これから出てくるのは実は漢詩なんですが、そのままだと皆さんは意味が分からんだろうから、あえて現代語訳で読みます」と言っただけ。「何じゃこりゃ」。こんなものわざわざ徳川家康に言わせる必要もないし、もう既に世の中が完全に徳川家康と関係ない世界になってる。いつまでこの北大路欣也の無駄遣い続けるんやら。初っ端から力抜けること甚だしいんだが。

 さて本編の方は相変わらず世の中の動きに全く無関係に、今時あり得ないようなラブストーリーをやっている主人公の渋沢栄一と、さすがにそれだけだとあまりに大河ドラマでなくて単なるホームドラマになるから、世の中の動きに連動する慶喜がダブル主役の形で進行しています。しかしこの互いのドラマがまだ全く絡んでこないのがこのドラマが今ひとつ締まらない原因となっています。

 

急に分別を持ち始めた人々

 で、慶喜周辺ですが、相変わらず「ジョーイ、ジョーイ」の斉昭ですが、初めて少しは分別のあるようなことを言いました。これには驚いた。さすがの攘夷バーサーカーも、盟友であった阿部正弘を過労死に追い込んだらさすがに少々懲りたか。初めて「英雄たちの選択」で登場していた斉昭像と少し被ったな。

 そしてヌボーの草薙慶喜ですが、初めて「少しは何か考えているらしい」という様子が見えました。自分の器量では無理と言いつつ、実際は「こうなってしまったら、自分が何とかしないといけないのかも」という気が少しはして来たようです。そのうちに「逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ」とか言い始めるかも(笑)。今までは「あえて火中の栗を拾いになんか行きたくないよな・・・」って感じだったのですが、ついに「もしかしてこの状況を何とか出来る可能性のあるのって、俺だけ?」って認識が出て来つつあるような。

 で、それを何となく促したのが、前回に完全にキ印になっていたあの嫁さん。何か急に落ち着いて分別を持ち始めたようです。相変わらず夫婦としては異常によそよそしいですが、とりあえず何やら落ち着いた模様。

 というわけで今までどちらかと言えばバカを晒していた人物達が唐突に分別を持ち始めました。これは違和感全開ですね。阿部正弘が過労死しただけでそんなに急に目覚めるものですかね?

 

対称的にバカを極めつつある方々

 その一方で対称的にバカを晒しているのが、13代将軍の家定。絵に描いたような「阿呆」として表現されてますね。家定は病弱だったとされているが、これだと身体の病でなくて頭の病だ。松平春嶽のことを「私を見下したような態度をしているから嫌いだ」なんて言ってましたが、そりゃ春嶽もこんな将軍だったら見下すわ(笑)。斉彬の意向を受けて家定をコントロールしようとしている篤姫でしたが、亭主のあまりのバカっぷりに持て余している感が。

 で、この馬鹿殿が大老を誰にするかで悩んだ挙げ句に、「こいつで良いんじゃね」って目をつけたのがワンコの井伊直弼ですか。しかしこの井伊直弼、描き方がひどすぎますね。あれだともろにワンコです。ワンコが将軍の権威を笠に着て安政の大獄をやらかしたってことにするの? それだと桜田門外で討たれるのは自業自得って感じになっちゃうんですが・・・。これだと彦根市からかなり苦情が出そう。実際は井伊直弼は彼は彼で考えがあり、それなりの政治家だったんですが。

 家定が自分で菓子を作ったりしていたというのは本当らしいですね。wikiによるとそのために春嶽などからは「イモ公方」と呼ばれていたって・・・あっ、やっぱり馬鹿にしているわ(笑)。

 

世間とは無関係に恋愛驀進中の栄一

 そんな幕府中とは無関係に、栄一は青春ドラマ驀進中。喜作が千代を嫁にもらう宣言したことでわっさもっさ。しかしそりゃお前が煮え切らん態度取るからだろうというツッコミが日本中から殺到しそうな雰囲気。

 結局は悶悶としていた栄一だが、実は栄一と千代が両思いらしいってのは、江戸に行っている長七郎は感づいていたようだし、弟の平九郎も何となく感じている模様。結局は分かっていないのはそういう機微にはいかにも鈍そうな長兄の惇忠だけか? 喜作も実際はうすうす感じていたから先手を打って動いたような感じもあるし。

 で、悶悶としていた栄一は長七郎からの手紙と、商いのために行った先での山越えで、番組タイトルの「青天を衝け」となって、気持ちが盛り上がったままお千代に突撃して「お前が欲しい」と直撃プロポーズ。何か回りくどい。これでようやく史実通りに納まると言うことか。あまりに栄一周辺にエピソードがないので無理矢理に取って付けた話って感がありありだな。だけどこのエピソードって、栄一の人物を描くのに何か意味があったろうか? まあ相変わらずの口だけヘタレって印象は強くなったが(笑)。

 そして振られた形の喜作はNHK公式HPによるとよしなる女性と結婚して、見事に尻に敷かれる模様。この女性って、話中に出ていた縁談が持ち上がった相手だろうか? とにかく向こうの方が喜作を気に入ってアプローチしたとのことになっている。まあ喜作のようなタイプは実際には尻に敷かれるぐらいの相手の方が上手く行くのは事実。このことは栄一も言ってたな(笑)。

 というわけで何か急にキャラが変わったり何だかんだでドタバタしてますが、栄一周辺は相変わらず平和な日常。もっとも長七郎はどうも江戸でテロリストになりそうな気配ですが。

 

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