徒然草枕

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青天を衝け 第22話「篤大夫、パリへ」

「予習」の通りのストーリーが展開します

 今回のストーリーは以前に「歴史探偵」で紹介していた内容そのまんまですね。やっぱりああいう歴史番組は見事なまでに大河の予習を兼ねてるな。しかしここまでまんまだと、こりゃ大河見なくても良いってことになりかねん。

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 いきなり船上で胸がムラムラ・・・じゃなくて、胸がムカムカすると言っている栄一(これって今までのパロか?)。そこに現れる爽やか好青年なイケメン外人がシーボルト。例のオランダ商館にいたシーボルトの息子です。しかし予習していたら分かっているように、こいつがもろにイギリスのスパイ。そんなことは露とも知らずに、シーボルトのことを信用してしまう幕府使節団一行のあまりの脇の甘さ。この時点で先の展開は予測出来る。

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 パリに到着する栄一達一行であるが、しっかりとスパイのシーボルトがついています。何やら裏で画策していたのはあの番組でも紹介していた通り。それに比べると栄一の脳天気なこと。攘夷だったことなんて完全に忘れてパリを満喫してます。もっともあれだけの技術力を見せつけられて、それで攘夷なんてことが実現可能だと考えるのなら、それは相当アホというもの。

 

炸裂する薩摩の陰謀に対して、全く使えない同僚達

 とは言うものの、徳川昭武はなかなか名君の風がありますが、やっぱりそれを取り巻く水戸藩士は確かに懸念していた通りの狂犬並の連中。あの連中の監視も栄一の任務とされてますが、最初から盛大に衝突しているようです。パリの進んだ事物を目にした栄一は完全に商売人モードになっているので、武士というものの融通の利かなさやダメさが散々と身に染みているようです。まあ商売人の常識として、プライドが邪魔をして値切りさえ出来ないよう奴らは役にもたたんわな。

 そして薩摩の陰謀が炸裂。幕府一行はモンブランに丸め込まれてまんまと出し抜かれます。栄一は「モンブランには注意しろ」と最初に吹き込まれてましたが、権限は何もないのでどうしようもないところ。にしても幕臣連中って融通が利かないだけでなく、この手の謀略も全く駄目ですね。本来は戦国時代の武士なんかだったら、謀略は必須だったのですが。どうも泰平の時代の間に武士はとことん役立たずになっていた模様。

 結局はここで幕府が中心権力ではないという認識を持たれたことで、最終的に借款の件は流れてしまいます。モンブランを使って謀略を仕掛けた五代にしたら「してやったり」でしょう。この五代友厚は明治になると実業界で大活躍することになる人物ですので、いずれ栄一の前に現れることになるでしょう。

 

 パリで垣間見える栄一の正体とその頃の慶喜は

 パリでどうも浮かれている感のある栄一達は舞踏会でさらに浮かれている模様。何やら鼻の下を伸ばしいる栄一の様子には、後の「二桁の愛人に子供が50人ぐらいいる」と言われている女狂い外道の片鱗がすでに現れているようです。まあこの作品で描かれている「嫁さんを大事にする栄一」なんての嘘っぱちもいいところですから。ところでこの舞踏会、なんで音楽が選りに選ってベルリオーズの幻想交響曲なの? 確かにあの第2楽章は舞踏会のシーンではありますが、この曲自体はとてもではないが舞踏会には合わないおどろおどろしい曲なんですが。ここは普通にヨハン・シュトラウス辺りで良かったのでは?

 一方の慶喜はと言えば、島津久光の思惑を相変わらずのすっとぼけた様子でサラッとかわしてしまいました。切れ者と言うよりは意外とタヌキという姿を見せています。うーん、タヌキ。そうかこれこそ神君家康公の再来だな(笑)。で、次週はこの「出来る人」があっさりと大政奉還をしてしまうようです。

 一方の血洗島では平九郎が栄一の養子になっているようです。しかし結局はこのことが平九郎を幕末の動乱に巻き込むことになり、彼の命を奪うことになってしまいます。これは来週以降の話でしょうが。

 

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