徒然草枕

クラシックのコンサートや展覧会の感想など、さらには山城から鉄道など脈絡のない趣味の網羅

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白鷺館アニメ棟

大山崎山荘美術館の松本俊介展を見学してから、尾高によるブルックナーのロマンティック

数年ぶりの美術館と大フィルの定期演奏会

 この土曜日は大阪フィルの定期演奏会に出向くことにする。ただその前に、今まで場所的に立ち寄りにくかった美術館に一箇所立ち寄る予定。

 土曜の午前中に家を出るとJRと阪急を乗り継いで目指すは大山崎。つい先日も山崎を訪問したところだが、あちらは西播磨の山崎、こちらは京阪間の山崎で、かのぼっちの明智光秀と豊臣秀吉率いるその他大勢の天下分け目の合戦のあった地。今回目指すのは大山崎山荘美術館。アサヒビールが運営する美術館である。大山崎駅に到着すると、登山客らしい大型リュックを背負った客が続々と降りていく。彼らに続いて私がトボトボと降りてくると、ちょうど駅前に送迎バスが来ているのでこれに乗車する。美術館までの距離は大したことはないのだが、この地らしく非常に急傾斜の道を登っていくことになるので、これはありがたい。大山崎からは私を含めて4人、次のJR山崎で1人、いずれも年配客ばかりが乗車している。

目的とする美術館は山の中腹

 数分で美術館に到着(平地だったら走ってでも行ける距離である)すると、ゲートをくぐって散策がてら美術館まで歩くことになる。この一帯が別荘地だったんだろうか。間もなく美術館に到着するので入場する。

トンネルを抜けると

公園になっている

その先に別荘である美術館が

 

 

「松本竣介 街と人 -冴えた視線で描く-」大山崎山荘美術館で4/6まで

看板が出ている

 東京生まれで2才で岩手に移ってから17才で上京、本格的に絵を学んでから戦時下の日本で画家として都会の絵や人物の絵を描き続けたが、36才という若さで早逝してしまった松本俊介の展覧会。大川美術館の所蔵品で松本の生涯の画業を伝えている。

 同郷で友人であった彫刻家の舟越保武は彼の死に際して「類いなく冴えた画家だった」との言葉を残しているが、確かに静謐な中に深い情緒を感じさせる彼の絵画は、独自の冴えを見せて、それが非常に印象的な魅力につながっている。

 本展では彼の一つのジャンルとも言って良い自画像や、都会の風景、人物画などの分野別に彼の作品を紹介している。人物画には彼独得のクセのようなものが現れているが、風景画も何となく超現実的な静寂さを感じさせるのが特徴。実際のところ彼の風景画は風景をそのまま描くのではなく、モチーフを再構成したイメージ的なものであったとのことで、何となくそれが頷けるところである。

 晩年に研究していた作品はどことなくキュビズムを超越したその先を目指していたように感じられ、それだけに早逝が惜しまれるところでもある。

 

 

 松本竣介展を見学の後は、喫茶で少しマッタリしていくことにする。リンゴのケーキとアイスコーヒーで。山崎の風景を眺めながらユッタリと原稿執筆(笑)。

ベランダから山崎の風景を眺めながら

アップルケーキと大人な?アイスコーヒーを

 大人な私はアイスコーヒーにはミルクとガムシロをタップリだが、どこかのスライムと違って「それだとコーヒー牛乳でしょ」と突っ込みを入れてくる女聖騎士はここにはいない(笑)。

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 喫茶でマッタリとしばし時間をつぶした後は所蔵品の方を見学することにする。河合寛次郎の地味な秀品を楽しんでから、地下展示室のモネの睡蓮を堪能。なお併せて松本が影響を受けたというルオーの作品「貴族的なピエロ」やモディリアーニの「少女の肖像」なども展示してあり、これらも非常に印象深い作品である。

 

 

 美術館を一回りした後は、ちょうど送迎バスが昼休みということもあって徒歩で大山崎駅まで下る。散策にはちょうど良い雰囲気の道だが、如何せん傾斜がきつすぎて、下りでも足には結構キツい。この界隈は別荘地には良いが、日常生活の場としてはしんどかろう。辺りにやたらに「無断駐車禁止」の看板が多いのは、やはり日頃からそれで困っているのだろう。山荘美術館には障害者用の駐車場が2台ほどあるだけなので。多分それが送迎バスをわざわざ出している理由だとも思える。

散歩にはちょうど良い小径だが、如何せん傾斜が・・・

 ちなみに美術館の隣には宝積寺なる寺院があり、そこの三重の塔が美術館からも見えている。なおこの塔は秀吉が山崎の合戦の勝利を記念して一夜で建立したという言い伝えがあるそうだ。まあ流石にこれは誇張だろうが、秀吉はとにかく仕事の早い奴ではある。

宝積寺の三重の塔

なお美術館裏手のこの白雲楼は山荘建築の際に敷地を見渡すために建てられたとか

 

 

昼食は大山崎でお洒落中華

 大山崎駅まで降りてきたところで昼食を摂っておきたい。ちょうど駅前に中華料理屋「味彩」があるので、ランチメニューを注文することにする。料理は4種から選択となっているので、私は酢豚を選ぶ。

住宅街の洒落た中華料理店「味彩」

 洒落た店内は結構混雑している。やはりこの界隈はこのおしゃれ感が重要なのだろうか。いわゆる町中華屋の印象とは少々違う。出てきたランチも野菜サラダが付いていてご飯の盛がやや抑えめという辺りも、明らかに有閑マダムのお洒落ランチイメージか。休日ということもあってか客層は家族連れが多い。

お洒落めの酢豚ランチ

 味は良い。やや酢が効き気味の酢豚もまずまず。スープも美味い。最初に懸念していたボリュームの方も、若い頃ならともかく今の私にはちょうど。町中華よりはどうしても価格は高めだが、トータルで見ると悪くないところだ。

 昼食を終えると阪急で大阪へ。ここから地下鉄乗り換えのために西梅田だが、これは結構遠い。ホールに到着した頃には何だかんだで今日は8000歩近く歩いている。疲れた。

 

 

大阪フィルハーモニー交響楽団 第585回定期演奏会

今回の大阪フィルは16型編成

指揮/尾高忠明

曲目/松村禎三:管弦楽のための前奏曲
   ブルックナー:交響曲 第4番 変ホ長調「ロマンティック」
          (ノヴァーク版:1878/1880年第2稿)

 一曲目は私にとっては知らない曲。実際のところ聞いても良く分からなかったというのが本音。やたらに爆音でがなった後に急に静かになってそのまま終わる。プログラムによると松村がアジアの音楽をイメージして作った曲とのことなのだが、果たしてこれが本当にアジアなのかは私にはよく分からない。

 休憩の後の後半はブルックナーの大曲。尾高のブルックナーの毎度のアプローチであるが、重厚さよりも華麗で躍動感のある演奏である。大フィルの演奏も弦楽陣がなかなかにしっとりと良い音色を出していた。金管陣もまずまず分厚くてなかなか。例によってホルンに若干の不安定さが垣間見えたのがやや残念なところ。やはりホルンという楽器はかなり難しいようである(アマオケとかだったらホルンがヘロヘロなんてのはしょっちゅう)。

 もっとも躍動感のある分、やや軽めに感じるところがある。ブルックナーの重厚なサウンドを好む向きにはやや不満が出るかも知れない。私のように特にブルックナーファンというわけではなく、往々にしてブルックナーのアダージョが眠気を誘う「魔のアダージョ」になってしまうタイプにはむしろ聴きやすい演奏なのであるが。