徒然草枕

クラシックのコンサートや展覧会の感想など、さらには山城から鉄道など脈絡のない趣味の網羅

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アニメ関係の記事は新設した「白鷺館アニメ棟」に移行します。

白鷺館アニメ棟

八代市内の城郭見学後に熊本に移動する

 翌朝は7時まで爆睡。朝のシャワーを浴びるとバイキングの朝食。ルートインの一番の難点は、朝食のバリエーションがないこと。今回は連泊になるので、明日の朝も同じメニューに対面することになるだろう。

 9時頃にはホテルから外出する。熊本に行く前に八代で回っていくところがある。ホテルから南にプラプラと歩くと、前川を渡って麦島地区へ。ここにあったという麦島城跡を訪ねるつもり。

 

麦島城 小西行長が築いた城郭

 麦島城は1588年にこの地に入った小西行長が築いた城で、現在の前川は後に掘削されたもので、当時はここは入り江だったという。貿易に意欲的だった行長はここに港を築いて南蛮貿易などを行ったとのこと。その後、関ヶ原の戦いの後にこの城は加藤氏の所属となり、一国一城令の際も特例として存続が許されたという。しかし1619年の大地震で倒壊、二代目藩主の加藤忠広はこの城を廃して、かつて松江城があった土地に新しい城を建設、それが現在の八代城だという。

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前川はかつて入り江で、ここに交易港があった

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この地はなぜか河童伝説もあるらしい

 麦島城跡は今では完全に住宅地に埋もれてしまっている。ただその中を歩いていると、路地のうねり具合や地形などからここが城跡であるのは何となく分かる。やはりあちこちの城跡を歩いていると、地形などから城があったところは推測がつくようになってきた。麦島城跡は真ん中に若干小高い地形があり、そこに看板が立っているだけ。遺構はほとんど失われているが、地形を見るとここが天守台跡というのは頷ける。

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麦島城跡は今は完全に住宅に埋もれている

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今や標柱があるのみ

 これ以外の遺構としては、現在シルバーセンターが建っているところから二の丸の石垣等が発見されたそうで、平日は見学可能らしいのだが、残念ながら今日は土曜日なので施設が閉められていて見学不能である。

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近くのシルバーセンター

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残念ながら休日は立ち入り出来ない

 川を防御に使える水城なので、戦国時代に防御するにはこの城の方が都合がよい。しかし江戸時代になって城下町を発達させることを考えた時には現在の八代城の方が好都合なのは明らかなので、こちらが廃城になったのは当然である。

 

八代城近くの博物館へ

 麦島城跡の見学を終えると八代城まで歩く。それにしても暑い。とにかく灼熱地獄である。ライフラインとして赤城の「ガツンとみかん」を買ったんだが、それが見る見る溶けていく。体が火照って仕方ないので、途中でコンビニやスーパーに入店してクールダウンを繰り返しながら歩くことになる。

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灼熱の中のライフラインのガツンとみかん

 数年ぶりに八代城の立派な石垣を堪能しながら、まずはその近くにある博物館に立ち寄る。

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八代城の見事な石垣

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南側に後付けされた入口

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博物館

 博物館の展示は大体お約束のこの地方の歴史。それも原始時代から近代に至るまで。この辺りで出土した土器やら古墳などの紹介もある。やはりこの地域もかなり前から人間が居住していたようである。なおこの博物館内に八代城の復元模型があるが、それを見ているとやはり八代神社の参道になっている南門は後付けのようである。

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八代城の復元模型

 

松浜軒の庭園を見学する

 博物館に立ち寄った次は、近くにある松浜軒を見学する。ここは八代城代だった松井家の邸宅と庭園だという。国の名勝に指定されている。

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松浜軒

 5月頃の花菖蒲が盛りの頃が一番の見所だとか。残念ながら今の季節は蓮の花がいくつか咲いているだけである。そのせいかごく普通の日本庭園という印象で、さして特別なものとも感じない。

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今は蓮の花がいくつか咲くのみ

 

改めて八代城を見学

 松浜軒を見学した後は久しぶりに八代城に立ち寄る。やはりここの石垣は改めて見てもなかなか立派である。北門や東門の構えなども実に見事である。

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八代城の北門と枡形

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こちらは東門

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内部には八代神社

 

熊本に移動する

 八代城を通り抜けると市役所前からバスに乗ってJR八代駅まで。ここから熊本に普通列車で移動することにする。

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市内ループバス

 車窓にはのどかな風景が広がるが、宇土辺りから車窓の風景にブルーシートが増えてくるのが目に付く。比較的新しい家で一見大したダメージを受けていないように見えるものの、屋根にダメージを受けてブルーシートを被せてある住宅が多い。また古い住宅などでは壊滅的打撃を受けているものもある。

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沿線にはダメージを受けた住宅も目立つ

 30分程度で熊本に到着する。久しぶりの熊本だ。この空気は懐かしい。とりあえずは駅前から路面で熊本城まで移動することにする。