徒然草枕

クラシックのコンサートや展覧会の感想など、さらには山城から鉄道など脈絡のない趣味の網羅

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白鷺館アニメ棟

東北旅行 仙台~青葉城~作並温泉 &「岸田劉生と椿貞雄」at 宮城県美術館

 3月の年度末で仕事の方もバタバタと追い込みだったのがようやく一段落。と言うわけでそろそろ春休みを取りたいところ。そこで木金の2日間を有給休暇を取って福島方面に出向くことにした。まず第一の目的は続100名城にリストアップされた三春城を訪問すること。さらにこの地域の温泉でも回ってゆっくりしたいとの考えである。で、温泉を回るとなれば週末だと宿泊料は高いし、そもそもお一人様はお断りになる事例が多いので、あえて平日に休暇を取ることにした次第。温泉を回ってから最後の週末は東京に立ち寄って久しぶりに東京のオケと美術展を楽しんでこようというプランである。

 20日は大阪で仕事があったので、その続きで出かけることにする。大阪での仕事を終えると三ノ宮に移動する。明日は神戸空港から朝の便で飛ぶので、今日はポートアイランドのホテルパールシティ神戸に宿泊する予定。

 

 

 三ノ宮に到着するとホテルに入る前に夕食を摂っておく(何しろポートアイランドにはろくに飲食店がない)。ミント神戸の飲食店に行き「Pasta de Pasta」に入店、「ワタリガニのクリームスパ(1380円)」を注文する。SMLで価格が変わらないというのでLサイズを頂く。

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ミント神戸のPasta de Pasta

 麺などが特に良いというわけでもないが、パスタ自体はなかなかにうまい。とりあえず夕食としては不満なし。まあ場所柄CPは今ひとつだが。

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ワタリガニのクリームスパ

 夕食を終えると地下のスーパーで買い物をしてから、三ノ宮駅からホテルの送迎バスでホテルに向かう。それにしても今日は寒い。ホテルにチェックインすると大浴場で入浴して体を温めることにする。

 体が温まると眠気がやって来る。明日は神戸空港から8時台のスカイマーク便で飛ぶので早朝出発だし、早めに就寝することにする。

 

 

 翌朝は6時頃に起床すると7時前にはホテルをチェックアウトして空港へ移動する。朝食は昨日三ノ宮で購入しておいたおにぎりで済ませる。もう少し後の便だったら、ホテルで朝食ぐらいは摂れたのだが・・・。考えてみるとこのホテルには何度か泊まったことがあるが、いつも出発が早朝便なので朝食を摂ったことがない・・・。て言うか、そもそも早朝便でなければここに前泊する必要もないか。

 今日は生憎の雨である。しかも風があるので、ポートライナーの駅に到着するまでにずぶ濡れである。早朝にも関わらずポートライナーにはそこそこの乗客が乗っているが、医療センター前でほとんど降りたところを見ると病院関係者か。

 

 

仙台へ飛ぶ

 空港に到着するとさっさと搭乗ゲートをくぐってしまうことにする。が、ここでベルトのバックルが反応したとかで止められる羽目に。いちいちベルトをはずさないと行けないとは不便なことである。まあアメリカなんかはその内にパンツまで脱がされることになりそうだが。

 1時間後に予定通りにスカイマーク仙台便は神戸空港を離陸する。気流が荒れているとかで、スカイマークの飛行機はフラフラと何度も気持ち悪い飛行をしながらも定刻通りに仙台空港に到着する。空港から仙台までは鉄道で直接つながっており、非常にアクセスの良い空港である。ただ乗客は多いのになぜか到着した車両は二両編成なので車内はすし詰め。しかもこの駅、それでなくても今日の仙台はひんやりしているのに、シートの屋根があるだけで吹きっさらしの寒々とした構造になっている。

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仙台空港に到着

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鉄道の駅は吹きっさらしで寒々としている

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駅では美女がお出迎え

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なんだかな・・・

 この空港周辺も先の震災では津波に派手にやられたはずである。しかし今見る限りではそんな跡はほとんどない。やはり大都会近郊だけに復興も早いのだろうか。

 

 

 仙台にはすぐに到着する。かなり久しぶりの仙台だが、駅前の雰囲気は何となく覚えている。とりあえずホテルの送迎バスは14時半に仙台駅東口から出ることになっているので、まだ3時間以上の余裕がある。その間に久しぶりの仙台観光でもしたい。ただその前に身軽になることと昼食を摂る必要がある。

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久しぶりの仙台駅

 とりあえずキャリーはコインロッカーに放り込むと、昼食を摂る店を探すことにする。面倒くさいので駅ビルをフラフラしたところ、「SENDAI STATION OYSTER BAR」なる牡蠣料理の店があったのでそこで「牡蠣フライランチ」を頂くことにする。

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駅内の店

 大粒の牡蠣フライがなかなかにして美味。意外だったのは付け合わせの生野菜スティックがなかなか美味かったこと。野菜がそんなに得意ではない私は、こういう手はほぼ駄目なのが通常なのであるのだが・・・。最近は本当にキチンとした野菜なら美味いんだということが分かってきた私。私も大人になったもんだ(笑)。

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大粒の牡蠣フライが良いが、意外に野菜スティックが美味かった

 

 

 さて昼食を摂ったところでこれからどうするかだが、とりあえず久しぶりに青葉城を訪問して、それから宮城県美術館の展覧会を鑑賞したいと思っている。となると移動は巡回バスが便利。と言うわけでループルの一日乗車券を購入する。

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ループル1日乗車券

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るーぷる車両

 

 

青葉城 東北の雄・伊達政宗の居城

 仙台自体が広瀬川の河岸段丘の町であるが、青葉城はその河岸段丘の上にそびえる断崖の城である。ここを訪れるのは久しぶりだが、石垣の立派さと断崖の険しさはなかなか壮観。もっともここの石垣も先の震災で被害を受け、一部はその後に積み直したようである。その積み直しの過程でかつての石垣の構造なども判明したのだとか。

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青葉城の高石垣

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城内の構造

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本丸屋敷の跡

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石垣の構造模型、意外に奥に長い

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高石垣から下を見下ろす

 また以前には見学しなかった裏手の方も見て回るが、こちらも巨大な土塁(と言うよりも削平時に削り残した地形だろう)で築いた搦め手虎口がかなり堅固。表だけでなく裏の守備も鉄壁のようである。

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裏手の搦め手虎口

 さすがに東北の雄、伊達氏の居城である。しかしこの青葉城はいわば伊達政宗にとっては天下を諦めることを余儀なくされた城でもある。その想いや如何に。

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彼の胸中はどうだったんだろうか?

 ここからさらにバスで美術館に移動する。バスは途中で東北大学のキャンパス内を通過していくが、さすがに旧帝大だけあってとてつもない規模である。仙台は東北大学だけでなく学生が非常に多い学生の街なのだとか。なお植物園という名の原生林などは北海道大学などを連想するところ。ちなみにこの中に熊も出たことがあり、植物園がサファリパーク状態になってしまったことも・・・なんて話がバスの運転手さんから。

 美術館では岸田劉生展を開催中。この美術館に来るのも数年ぶりである。

 

 

「求道の画家 岸田劉生と椿貞雄」宮城県美術館で3/25まで

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 椿貞雄は岸田劉生に心酔し、かなりその影響を受けた画家であるらしい。実際に初期の作品は劉生の影響が濃厚であり、当時は岸田劉生の模倣と見なされることに苦しんだとのこと。

 ただその後の展開は劉生とは若干違った方向に向かっていく。ひたすら求道的にストイックな強烈な絵画を描く劉生に対し、椿の作品にはもう少し温かみのようなものが通っている。端的なのが劉生が自らの娘を描いた「麗子像」と同様に椿が娘を描いた作品。色彩やタッチなどは似ているのだが、劉生の作品がグロテスクささえ感じさせるのに対し、椿の作品はそこに対象に対する愛おしさが滲む。椿は良き家庭人であったという話もあるようだし、そのことが創作姿勢に反映したのだろうか。

 劉生亡き後の椿の作品はさらにその方向に向かって進んでいったようだ。初期の厳しさが和らいだ温かい絵画になっており、これが彼らしい世界だったのだろう。

 

 

作並温泉で一泊

 美術館の鑑賞を終えるとそろそろ時間である。バスで仙台駅に到着するとキャリーを回収してから東口に移動。東口には送迎バス用のターミナルがあり、今日泊まるホテルのバスもここに来るらしい。

 しばらくするとバスが到着、予約客がゾロゾロと乗り込む。大型の観光バスがほぼ一杯になっていたから結構な人数。

 メンツを確認した上で時間通りにバスは発車、そのまま西に向かって走って行く。沿線の風景が都会から郊外、さらには山間となってきたところで先ほどまでぱらついていた雨が雪に変わる。さすがに北国、この3月に雪が降るとは・・・。

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途中で雨が雪に変わる

 作並温泉は山間の作並街道沿いに大型温泉ホテルが並んでいるという温泉地。私は夕食付きプランで予約を取ったのだが、どうやらそれは正解だったようである。恐らく夕食なしにしていたら、食べる場所に困っただろう。

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作並温泉ゆづくしSalon-一の坊

 私が予約したホテルは作並温泉ゆづくしSalon-一の坊。作並温泉でも一番奥手に位置する巨大ホテルである。ゾロゾロとバスを降りた連中が一斉にチェックインなので、しばし手続きを待たされることになり、その間はロビーでマッタリ。このホテルの特徴としては、ロビーの隣にくつろぎSalonなるスペースがあり、そこでフリードリンクやお茶菓子などが置いてあること。湯上がりのくつろぎスペースといったサービスのようだ。日帰り入浴なども受け付けている模様。

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ロビーでまったり

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外は完全に雪景色

 しばらく待った後に部屋に案内される。部屋はシングルを予約してたのだが、ツインの部屋に振り替えてくれたようだ。綺麗だし広い部屋でなかなか。

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これは良い部屋だ

 

 

 部屋で着替えると早速入浴に。まずは大浴場に向かったが、ここは内湯だけで露天風呂は別。露天風呂の一つの鹿のぞきの寝湯というのは、昔この辺りの源泉によく動物が現れたことからネーミングされたとか。ただ私には寝湯は体が浮きすぎるせいでうまく入れない上に、私の体型では腹が水面から出てしまうので雪が降る中では少々寒い。

 もう一つの露天風呂の自然風呂は屋根がある露天風呂。雪の風景を眺めながら温めの湯にゆったりと浸かるというタイプの風呂である。温めの湯のためか子供が結構やって来るのでいささか喧しい。。

 露天風呂を一渡り回ったら、再び大浴場を訪れてここでゆったりと体を温める。作並温泉の湯は単純アルカリ泉のようだ。ヌルヌルとした感じがあって肌にしっとりとくるいわゆる美肌泉。加水・塩素消毒などはあるようだが、循環をやっていないからか泉質はなかなか良い。わざわざ山の中までやって来た意味を感じさせる湯である。

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大浴場

 風呂上がりにはSalonでくつろぐ。フリーのコーヒーなどを頂いてマッタリと至福のひとときを送る。こういうゆったりした時間が最近は全くなかったな・・・。

 結局は夕食の時間までは部屋でボンヤリとテレビでも見て過ごすが、それにしても最近はろくでもない番組ばかりなのが嫌になる。かといってニュースをつければ、ろくでもない総理がしどろもどろの言い訳で開き直っているのばかり見せられてさらに嫌になる。財務省が改竄前の文書でも自分や婦人の関与がないのは明らかなどと安倍は言い訳しているが、あれはどう読んでも昭恵夫人の関与は明らかではないか。「李下に冠を正さず」と言うが、安倍の場合は冠の中から桃が出てきたのが見つかっても、「桃が勝手に落ちてきて冠がその上に乗っただけだ」とか言い訳や開き直りをするのだろう。今時の政治家に最も必要な素養は厚顔無恥ということらしい。まさにそれを体現している大統領がアメリカにいるし。

 

 

 夕食はビュッフェ形式だが、これがなかなか豪華。こういうタイプのビュッフェは以前に大江戸温泉系列のホテルで体験しているがそれに近い。同じビュッフェでも伊東園ホテルのビュッフェなんかは悲しくなるが、こういう豪華なビュッフェだと盛り上がる。アルコール類なんかも飲み放題のようなので、酒好きはそっちに入り浸っているようだ。私はいろいろな料理を少しずつ一渡り頂く。

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ビュッフェで食いまくる
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 夕食を終えてしばし部屋でテレビを見ながらマッタリしてから、再び大浴場に入浴に行く。今はまだ夕食の時間中なので大浴場は貸し切り状態。ゆったりと体を温める。このタイプの湯は不思議なことに入っている内に体に疎水性の皮膜が出来たようになり、水をはじくような感じになってくる。実際に風呂上がりに体があまり濡れず、体を拭いたバスタオルがほとんど湿らないということになる。

 風呂から上がると疲れが一気に押し寄せる。この日は結局は普段よりかなり早く就寝したのである。