徒然草枕

クラシックのコンサートや展覧会の感想など、さらには山城から鉄道など脈絡のない趣味の網羅

トゥガン・ソヒエフ指揮 トゥールーズ・キャピトル国立管弦楽団

 昨晩は比較的早めに就寝したのだが、今ひとつ眠りが浅い。と言うのもやはりこのホテルはうるさい。裏のJRの音はまだ良いんだが、どうも同じフロアに夜中になってもドアをけたたましく開け閉めする輩がいて、夜中に突然大きな音で起こされることが数回。やはりこの手のホテルは客層の影響が大きい。安いホテルほど客同士の阿吽の呼吸で成立している部分が大きいから、ドアを静かに閉めることさえできないような馬鹿がいたら万事休す。

 朝も6時頃には各部屋がバタバタし出したので一旦目が覚めてしまうが、そのまま意地でも9時まで最就寝。9時に起き出すとさっさと荷物をまとめてチェックアウトする。

 とりあえずは朝食を摂りたい。昨日新世界をウロウロした時にジャンジャン横町で「ミックスジュース発祥の店」と看板を掲げた喫茶店があったので、その店「千成屋珈琲」を訪ねる。注文したのはミックスジュースと厚焼き玉子サンド

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ミックスジュース発祥の店

 この店は元々は果物店を経営していて、そこでの売れ残った果物をジュースにしたのがミックスジュースの始まりだとか。ただ当初の経営者も高齢化と後継者不足で一旦店を閉めていたのだが、それを惜しんだ人が経営を引き継いで再開したのだとか。

 バナナを基本として、そこにリンゴなどをベースにした典型的な関西式ミックスジュース。関西人の私には非常に懐かしい味という印象を受ける。またサンガリアの缶入りミックスジュースも明らかにこの味をベースにしているのがよく分かる。

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懐かしいミックスジュース

 サンドイッチの方は卵焼きがフワフワでなかなかに美味。メニューはこれ以外にも関西喫茶店の定番・ナポリタンスパゲティなどもあるようで、結構使える店であると感じた。いずれまた再訪するだろう。

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厚焼き玉子サンド

 朝食を終えたところで大阪駅に移動するが、ここではたと困った。今日の予定が全くない。今日はPACで開催されるトゥールーズ・キャピトル国立管弦楽団のコンサートに行くのであるが、その開演は午後2時。現在はまだ午前10時半。この間をつぶす予定が全くないのである。美術館の出し物もちょうど入れ替え期なのか大阪も兵庫も皆無。早めの昼食と言っても、さっき朝食を食べたばかりだし・・・。結局はこのまま大阪でブラブラしてても仕方ないので、とりあえず西宮に移動してしまう。

 西宮に着いたもののやはりどうしようもない。仕方ないので西宮ガーデンをブラブラ。その内に11時半過ぎになったので、もうここで昼食にしようとレストラン街に行くがどこも長蛇の列。仕方ないのでその内の一軒「京おばんさい・麺処 つるはん」で待つことに。

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西宮はいつも大混雑だ

 結局は30分ほど待っただろうか、入店すると鴨うどんの御膳を注文する。うどんは細身のいわゆる稲庭うどん系。温うどんにしたら太いうどんになるらしい。

 うどんはツルッとして腰もそれなりでまずまず。付け合わせている海鮮丼もシンプルだが味は悪くない。これで1396円というのは、CP的に良いとは言えないものの場所柄を考えると仕方のないところか。こういうところの飲食店としては良い方だと思う。

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稲庭うどん

 それにしても今回の遠征は、コンサート以外は飲食店で行列に並んでいたばかりだったような気がする。どうも最近は大阪も京都も無駄に人が多すぎる。結局ここでも昼食を終えた頃には何だかんだで1時前になっていたので、そのままホールへ移動する。

トゥガン・ソヒエフ指揮 トゥールーズ・キャピトル国立管弦楽団

指揮 トゥガン・ソヒエフ
フルート エマニュエル・パユ
管弦楽 トゥールーズ・キャピトル国立管弦楽団

グリンカ:オペラ「ルスランとリュドミラ」序曲
ハチャトゥリアン(ランパル編):フルート協奏曲(フルート:エマニュエル・パユ)
チャイコフスキー:バレエ「白鳥の湖」より

 音色が派手で明るく、精緻なアンサンブルよりもパワーと勢いで押していくオケである。そういう点ではラテン系か。一曲目のグリンカから細かいところには諸々怪しいところがあったもののトータルでは元気で気持ちの良い演奏である。

 フルート協奏曲はやはりパユの演奏が上手すぎるの一言。難しい曲だと思うのに、それを圧倒的な技術で難なく演奏してしまう。この凄い演奏に場内もやんやの喝采である。

 凄かったのは三曲目の「白鳥の湖」。16編成という大編成のパワーを駆使してグイグイと強烈に押していく演奏。派手な金管もなかなか聞かせるし圧倒される演奏である。その一方で随所にあるソロ楽器演奏の安定感も抜群、ダイナミックな演奏ではあるが決して雑というわけではない。

 もっともチャイコフスキーのバレエ音楽と言うよりは、何やら映画音楽のように聞こえてきたというのも事実であるが。いわゆるロシア的哀愁の類いはほとんどぶっ飛んでいた。ラテンなチャイコと言うところだろうか。

 

 ピョートル・チャイコフスキー原作の愛の名作を、鬼才・トゥガン・ソヒエフ監督が描いた今世紀最大の恋愛映画の大作「スワン・レイク」。全米を感動の涙で満たしたこの名作がいよいよ日本上陸。この春全国ロードショー。「・・愛は世界を変える・・・・」

 と言う調子のハリウッド映画の宣伝が頭に浮かんでしまったぐらい。アンコールの「カルメン」がまたいかにもオケの十八番という感じで非常に良かったが、正直なところ私としては「スターウォーズ」でも演奏して欲しかったように感じた(笑)。

 これが本当にチャィコの曲か?という疑問はないでもなかったが、この曲ってこんなに面白かったのかと再発見したというのも事実。正直なところプログラムを見た時に、なぜメインに交響曲とかを持ってこないんだろうとやや不満だったんだが、終わってみたらこれで正解だったという次第。

 結局はこの週末のコンサート連チャンのキーワードは「ラテン系」ということになるんだろうか。あまりドボルザークらしくないドボルザークとか、チャイコらしくないチャイコとかもあったが、これはこれでありと言うところか。クラシックは演奏家が変わるとここまで変わるから面白くもある。