徒然草枕

クラシックのコンサートや展覧会の感想など、さらには山城から鉄道など脈絡のない趣味の網羅

お知らせ

アニメ関係の記事は新設した「白鷺館アニメ棟」に移行します。

白鷺館アニメ棟

芦屋交響楽団のアマオケのレベルを超えたブルックナーの演奏

今日も西宮へ

 昨日に続いて今日も西宮である。昨日はロイヤルコンセルトヘボウの名演を堪能したが、今日はアマオケの雄、芦屋交響楽団のコンサートである。プログラムはブルックナーの8番とこれはまたチャレンジングなもの。

 日曜の午前中に家を出ると車で西宮を目指す。車を選んだのは昨日のJRでかなり疲れているのと、今日の内容だと駐車場が満車という事態はないと予測できたためである。なお車で行くことにした段階で立ち寄り先も決めている。

 阪神高速を突っ走って西宮まで。車を乗り換えての一番のメリットは長距離走行時のガソリン負担がかなり減ったこと。デメリットはまだ車の運転感覚に慣れないことである。まだ車の大きさが感覚的に把握できていないし、運動性能も体感で習得できていないので、どうしても運転がギクシャクするのが自分で分かる。これからさらに老化が進めばこういう対応力が落ちてくるんだろうか? 果たして私が運転を続けられるのは後何年か?

 阪神高速を西宮出口で降りると、国道2号線をUターン。最初の目的地はすぐそこである。

 

 

「西宮市100周年 めでたい松展 祝いましょう。松の絵さまざま」西宮市大谷美術館で11/30まで

 昔から松の絵は縁起物の意味もあって多数描かれてきている。そのような松を描いた作品を展示。

 まずは縁起物として蓬莱山を描いたものなどが登場する。やはり松と言えば目出度いものであるのだろう。桃源郷としての蓬莱山は古くより文人たちのあこがれの地でもある。

 本展は題材的に当然のように展示作は江戸期の日本画が中心となる。もっとも松の描き方はかなり定型化されているところがあり、四条派は写生的に精緻に。狩野派は力強く大胆に。琳派は装飾的に簡略化してというのがある。琳派の松に関しては典型的なのが尾形乾山の屏風絵。まさに装飾的な松が描かれていた。なお乾山に関しては本領とも言える器の方も展示あり。

 展示作は様々であるが、松はやはり単独で描くよりも何かとセットで背景的に描かれるパターンが多い。やはり縁起物として高砂図がやけに多かったが、定番は鶴。松と鶴を描いた岸駒の堂々たる作品があり。これ以外では松に亀を描いた若冲のややユーモラスな作品なども。また松と鷹というパターンも結構多いと言うことは初めて知った。

 まあオーソドックスな日本画ばかりであったので、特別に変な作品はなかったことから無難に楽しめたというところ。


 美術展の鑑賞を終えたところで昼食にしたい。コンサートは兵庫芸文なので近いところということで「ダイニングキノシタ」に立ち寄ろうかと思ったのだが、生憎と駐車スペースに空きがない。諦めてガーデンズに行くことにする。

 ガーデンズの駐車場は入庫の際に大行列ができているが、それは南入口がかなり通行量の多い歩道を横切らないと入庫できない構造になっているから。ダラダラと自転車がやってくるたびに警備員が車の進行を止めるので、いきおい入庫効率が極めて悪い。いっそのこと信号でもついた方が良いが、道路でなくて駐車場入口しかない場所なので信号を付けるわけにもいかずというところである。今日は幸いにしてそれほどひどい行列にはなってなかったが。

 ガーデンズに入るとレストラン街へ。洋食をパスしたのでここで洋食・・・という気もしない。そもそも洋食が食べたかったわけではないし、ここの洋食屋にあまり良いところがない。というわけであまり工夫もなく「さち福や」に入店する。昨今の私は和食の方が無難なのと、この店は今日はあまり待ち客が多くなかったことからである。

ガーデンズの「さち福や」

 5分程度の待ちで入店できる。ここのメニューは焼き鮭の定食のようなバリバリの和食もあるが、メインはハンバーグやエビフライなどのなんちゃって和食が多い。私が注文したのも「アジフライの定食」

ふっくらとしたアジフライが美味い

 さっくりと揚がっていて柔らかいアジフライがなかなか。今の私の気分には概ね合致しているというところか。とりあえず無難に昼食を終える。

 

 

 昼食を終えると車でホールの駐車場に移動する。予想通りというか、まだ開演まで1時間半もあるためか駐車場はガラガラである。とりあえず車を置くと開場までにお茶をしたいと考える。ホール近くの喫茶は、アイスコーヒーを頼むとカップを渡されて自分で氷とBossを入れるというようなとんでも喫茶なので、駅の反対側の「珈琲館」まで足を伸ばすことにする。

珈琲館

 ここはタイミングによっては待ち客が多くて入店できないことがあるのだが、今日は幸いにして空席ありでスムーズに入店。メニューをざっと見渡して栗のホットケーキのドリンクセットを頼むことにする。

栗のホットケーキとアイスコーヒー

 ホットケーキはまずまず美味そう。さてアイスをと思ってよく見たら、ホットケーキ用のメープルシロップは付いてきているが、アイスコーヒー用のコーヒーシロップが付いていない。店員を呼ぶのも面倒くさいのでメープルシロップを少し入れてみたら、やはり固まってしまう模様。ただそのまま飲んでみたら、コーヒーがサッパリしているせいか意外といける。どうせシロップ入れてもこの甘いホットケーキ食いながらだと甘みはほとんど感じなくなるだろうから、このままいただくことにする。

 喫茶でしばしマッタリしたところで開場時刻。私が入店してから待ち客が出ているようだし、さっさと退店してホールに向かうことにする。ホールでは観客がゾロゾロ入場中。相変わらず芦屋響はアマオケにしては集客力があるようだ(とは言っても昨日のロイヤルコンセルトヘボウとは比較にはならんが)。1階席から見渡したところでは、この広いホールに6割ぐらいは入ってそう。これはアマオケの有料コンサートとしてはなかなか。

芦屋響は16型

 

 

芦屋交響楽団 第101回定期演奏会

指揮:粟辻 聡
管弦楽:芦屋交響楽団

ヒンデミット:気高き幻想
ブルックナー:交響曲第8番 ハース版

 芦屋交響楽団は16型編成の大型オケである。だからパワーもあるが、そもそもアマオケにしてはアンサンブル能力も高い。

 それがいきなり発揮されるのが一曲目のヒンデミット。とにかく冒頭から弦楽陣の分厚いサウンドに魅了される。これがアマオケの音とは驚きである。その分厚い弦楽陣をベースにしてそこに華麗な管楽陣が乗っかる形で鮮烈にして生命感あふれた音楽を繰り広げている。

 さて次がメインのブルックナー。それにしてもアマオケでブルックナーに挑むとはなかなかチャレンジングというか、場合によっては無謀とさえ言える。ブルックナーはかなり金官などに過酷であるが、往々にしてアマオケは金管陣に難点がある場合が多い。下手をすると金管大崩壊からグダグダになるという危険を秘めている。

 その点、芦屋交響楽団の金管陣はかなり頑張っていると言えるだろう。トランペット、トロンボーンなどには目立つような粗はなく、大抵金管崩壊の引き金を引くホルンも、概ね無難な演奏を繰り広げた。この辺りの管楽陣の安定性が支えとなって、アマオケとしては非常にレベルの高いブルックナーとなった。華々しくも力強い演奏であった。

 ここまでやられるとむしろもっと高い次元を求めたくなってきたりするものである。一つ気になったのは、強音でバリバリやるときはオケが一丸となって突き進むのであるが、どうしても弱音になるとまとまりが若干悪くなる。シーンとならずにザワザワとする感がある。また単純にストレートな音で鳴らすだけでなく、状況に応じて音色にニュアンスが欲しいところ。もっともこれらはオケだけの問題でなく、指揮者の表現も絡んでくるところである。しかもアマオケに対しては明らかに過剰な要求で、実際にこれが出来ればそこらのプロオケを凌ぐことになってしまうが・・・。