徒然草枕

クラシックのコンサートや展覧会の感想など、さらには山城から鉄道など脈絡のない趣味の網羅

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アニメ関係の記事は新設した「白鷺館アニメ棟」に移行します。

白鷺館アニメ棟

仙洞御所など京都風情を堪能してから、京響で広上によるアメリカンプログラム

京都御苑を散策する

 翌朝は目覚ましで7時に起床。本当はもう少しゆっくりしたかったんだが、今朝は予定があるので仕方ない。とりあえず目を覚ますとまずは朝食に。しかし相も変わらずここの廊下は寒すぎる。

 朝食会場は戦場のようになっている。やはり部屋数が結構多いのでどうしても混雑するようである。朝食の内容は例によっていささか貧弱。しかしそれでも燃料を腹に入れておく必要はある。

シンプルというか、やや貧弱な朝食

 朝食を終えるとシャワーでしばし体を温めてから出かける準備。今日は以前から気になっていた京都御所を見学しようと思っていて、仙洞御所の見学予約を9時半から押さえている。そこでそれに間に合うように8時半にはホテルから外出する。

 

 

 丸太町で地下鉄を降りると京都御苑内をしばし散策。それにしてもだだっ広い。ここだけが京都の町中で別天地となっている。

京都御苑に到着

厳島神社の池

とにかく中はだだっ広い

仙洞御所を見学

 プラプラと散策しつつ仙洞御所に到着したのはちょうど見学受付時間。予約票と身分証明書(運転免許書)を提示すると待合室でしばし待機。見学はガイドの引率の元で園内を周遊することになる。参加一行は十数人というところ。

仙洞御所の壁が見えてきた

北側のこの門が入口

 仙洞御所はそもそも上皇の屋敷として建てられたもので、後水尾上皇の住まいとして建造されたものだという。しかし幕末の1854年に火災で焼失、その時にここに居住している皇族は存在しなかったことから、そのまま再建されることなく今日に至っているとか。現在の敷地の南西の今は松林になっている一角が仙洞御所の跡だという。そもそも現在仙洞御所として一括りにしているエリアは、北半分は今でも皇族が京都に来た時には使用することがあるという大宮御所、南半分が仙洞御所で中央に壁があって庭園も2つに分かれていたという。それが仙洞御所がなくなった後、両庭園を接続して今日に至るとか。

園内Map

 見学コースは大宮御所を外から見学してから、庭園を一周するコースになっている。大宮御所は外観は純和風の建築であるが、迎賓館が建設されるまでは国賓の宿泊所にも使用されたことから、エリザベス女王訪日の際に内部を大幅に洋風に変更したことから、和洋折衷の建物になっているという。

外観は純和風の大宮御殿

しかしカーテンの引かれた室内は洋風だとか

 庭園は北池と南池に二分され、間を後に築いた水路がつないでいる。全体が巨大な周遊型庭園となっている。

北池

この水路で南池とつながっている

 北池を回りながら撮影をしていたのであるが、この時に大トラブルが発生。なんと持参した一眼レフの電池が切れてしまった。久しぶりの持ち出しなので、事前に残量をチェックしていたはずなんだが、持ち出したときはフル表示だった電池がみるみる残量低下してしまった。長期間放置で自然放電していた上に寒さによる性能低下もあったか。これは想定外。わざわざ持参した一眼レフはこの時点で単なるウェイトになってしまう。

紅葉山方面を撮ったこの写真で電池切れ

 やむなくiPhoneでの撮影となるが、私のiPhone7はもう既に様々な限界が来ており、特に電池の劣化が著しく、撮影をしていると目に見えて電池残量が低下する。結局は外付けバッテリーと常時接続した状態にせざるを得なくなり、機動力が低いこと著しい。結局こういう「なんだかなあ」という状態での見学を余儀なくされたのである。

iPhoneの写真はやはりいろいろと劣る

 

 

 流石に御所の庭園だけあっていろいろと計算されていて、また起伏に富んだ変化の多い庭園となっている。ただこのシーズンはやはり風景がどうしても殺伐としていて見どころが少なくなる。やはり桜のある5月や紅葉のシーズンが一番の見ごろだとのこと。ただしそのシーズンは観光客が殺到するので、ガイドによると「遠隔地の方は早めの予約をお勧めします」とのこと。

南池を雄滝方面を向いて

これが高さ2メートルの雄滝

砂浜を模して11100個の玉石(一升石)を敷き詰めた州浜

この手の凝った燈楼も立っている

 つまりは現在は庭園は完全にシーズンオフである。そのためかあちこちで工事がされており、八ツ橋は藤棚の整備とかで足場が被されているし、南の醒花亭も屋根の吹き替え工事とかで完全に覆われている状態。

醒花亭は屋根の吹き替え工事中

左手奥に見えている八つ橋も藤棚の整備工事中

茶室・又新亭

 

 

御所もついでに見学していく

 1時間かけて仙洞御所を一回りすると隣の御所も見学することにする。こちらは予約なしでいつでも見学可で料金は無料。ただテロリストに対する警戒か入口での荷物チェックがある。

荷物チェックを受けて入場後にすぐに見える宜秋門

参内者の控の間だった諸太夫の間

鶴の間の襖絵

南の建礼門

紫宸殿

 広大な敷地内を一周しながら、御殿を外から眺めるという形の見学となる。時々内部の襖絵などが見えるのだが、なかなかの名品もある模様。とは言え、皇族とは一切無関係の由緒正しいド平民である私としては、内部の見学などは不可である。

紫宸殿裏手の清涼殿

壁画らしきものが

北の御三間

ここにも壁画らしきものが

これも

 御殿が大きすぎて、どこをどのように見ているのかがよく分からないまま一周して出てくることになる。言えるのはとにかく疲れたということ。既にこの時点で今日は1万歩を遥かに超えていて、おかげで既にかかとに痛みが出始めている。この後、承天閣美術館に立ち寄ろうと思っているのだが、果たして足が持つだろうか・・・。

 

 

昼食は学生街の飯屋で

 京都御苑の見学を終えると承天閣美術館に向かう前に、もう既に昼時でもあることだし昼食を摂りたい。ザクっと調べたところ「松乃家」なる定食屋があるようなので、そこに立ち寄ることにする。いかにも町の定食屋というたたずまいの店に多くの客が押しかけている。私はとりあえずかつ丼(1050円)を注文する。

学生街の飯屋「松之家」

 出てきたカツ丼を見た途端に絶句する。「果たして食べきれるだろうか」というのが最初に頭に浮かんだ言葉。とにかくボリュームがあり、カツなどは大きさといい厚さといい専門店のとんかつ定食をも凌ぐ。20年前の私なら驚きつつも完食し、40年前の私なら狂喜したろうが、現在の老化と病気で食事量が激減している私では完食は無理だろう。

す、すごいボリュームだ

 ご飯の味付けはやや甘めでつゆは薄味の分ややつゆだく気味。これは私の好みとは微妙にずれるところ(甘目の味付けは良いが、私はつゆが濃い目の少なめが好み)。結局は何とかカツは完食したが、ご飯は半分ぐらい残す羽目になってしまったのである。流石に学生街の定食屋。甘く見ていた。40年前にこういう店が私の行動範囲内にあれば・・・。

このカツの厚さ

 とりあえず昼食を終えると承天閣美術館へと向かう。足が既にかなり痛いので労わりつつトボトボ歩く感じになってしまう。

 

 

「屏風ー黄金の調度」承天閣美術館で3/8まで

 

 日本独自の調度として間仕切りなどの実用と、装飾の目的に使用されてきた屏風。中でも金屏風は最も華やかで高価な調度となる。相国寺が所蔵する屏風作品を展示した展覧会。

 作品としては絢爛豪華なものなのであるが、意外と地味で様式的であることも感じさせる作品が多い。彩色作品は華麗で、墨絵は幽玄というところ。呉春の竹林を描いた水墨画が長谷川等伯の松林図屏風などを思わせる幽玄さで心惹かれた。

 狩野派などは定番の松の絵などもあったのであるが、やはり永徳の力強さには及ばないところがあるのは仕方ないところか。

 屏風ではないが若冲の「虎図」なども展示されており、その辺りは流石に相国寺か。こういうのを見るとまた「動植綵絵」を見たくなってくる。

 

 

やっぱり京都は「お茶」したいよね

 美術館の見学を終えたところで12時半ごろ。コンサートは北山で14時半開演なのでまだ時間に余裕がある。こうなるとどこかでお茶をしたいところ。そこで正真正銘言葉通りの「お茶」をしていくことにする。「俵屋吉富」の京菓子資料館に立ち寄ってお茶を一服頂いていくことに。菓子は雲龍ばかりも芸がないので、今回は変化をつけて季節の生菓子の「雪中梅」を選択する。

季節の生菓子の雪中梅

 餡が主体の生菓子の甘さと抹茶の苦みが心地良い。またこの両者の色の取り合わせが目にも心地良い。これぞまさに和の風味。こういう時には私は日本人であることを実感する。そもそも愛国心なんてものはこういう風に自然にわいてくるものであり、居丈高に掲げて他国を罵倒するのは愛国心なんかではない。

 お茶を終えて資料館を一回りしたところで13時を回ったのでホールに向かうことにする。ホールはちょうど開場直前。結構大勢が押しかけているが、それでも入りは7~8割というところか。広上が人気がないというわけではないので、ややマニアックに過ぎるプログラムが敬遠されたか。

京都コンサートホールへ

 

 

京都市交響楽団 第707回定期演奏会

[指揮]広上淳一
[ピアノ]三浦謙司(ピアノ)★

バーンスタイン:スラヴァ!(政治的序曲)
バルトーク:ピアノ協奏曲 第3番★
コープランド:交響曲 第3番

打楽器陣が非常に多彩

 一曲目は亡命していたロストロポーヴィチがワシントン・ナショナル交響楽団の音楽監督に就任したことを祝って作曲された曲。祝典的な曲ということでかなり陽気な曲であり、曲調はいかにもバーンスタインらしいところがあり、非常にミュージカル的である。

 どの辺りが「政治的」なんだろうかと思っていたら、途中で政治集会の演説や歓呼の録音が流されるので、これを指しているんだろう。もっとも音楽的には政治的メッセージは一切感じられず、とにかくユーモア溢れる華やかな曲である。

 で、こういう曲になるとやはりお祭り男広上は徹底してお祭りにする。華やかかつ元気溢れる演奏で、京響もノリノリというところ。とにかく楽しい演奏である。

 二曲目は昨日に続いてバルトーク。この3番の協奏曲は、それまでの2曲と違って奥方に捧げることを想定していたのでテクニック上位になる曲と違って、やや甘いメロディなどもある曲であり、バルトークとしては非常に聞きやすいという印象。

 ピアニストの三浦謙司は以前に数回その演奏を聞いたことがあるが、やや硬質なタッチでテクニックを前面に出したかなりガツンガツンとした演奏をするという印象を持っている。

 ただこの曲の場合、甘いとは言ってもバルトークである。ラフマニノフの2番のようにメロメロになるわけでなく、それなりにガツンガツンとしたところはある。というわけで三浦の明快でテクニカルな演奏がバランス的にはピタリとはまる。それに三浦もガツンガツン一辺倒ではなく、それなりに歌わせるべきところでは歌わせていた。その結果としてなかなかに魅力的な演奏と相成っていた。

 最後はアメリカの交響曲。やはりアメリカの作曲家らしく非常に明快な音楽であり、曲調的にも活気がある。なおこの交響曲の作曲されたのは第二次大戦末期とのことで、それ故に愛国的要素があるとされている。その辺りが曲調の活気に満ちているところと関係しているのであろう。

 当然のようにこのような曲になるとお祭り広上はノリノリとなる。京響も極めて鮮やかな演奏で広上とのコンビネーションは相変わらずバッチリである。流石というべき華麗な演奏となったのであった。

 

 

夕食はなぜか京都でマグロ丼

 コンサートを終えるとホテルに戻ることにする。ただ途中で夕食は摂っておきたい。実は九条駅からホテルまでの間に以前から気になっていた店がある。

 その店は「朱色まぐろ」。ミナミマグロのマグロ丼を出す店のようである。いつもここを通るのは夜も遅くになってからなので立ち寄る機会がなかったというところ。

ホテルの道すがらにある「朱色まぐろ」

 メニューはマグロ丼で大は5000円近くという強気の価格設定。ミニが2500円なのでこれを注文。マグロ丼だからすぐに出てくるかと思っていたら意外と待たされる。

ミニの割にはボリュームはまずまず、マグロは上質

 ミニではあるが思っていたよりはボリュームはある。とはいえ、多分これだけだと夜が更けたころに腹が減るだろうから、その時には夕食第2弾が必要か。マグロはなかなか上質で美味い。こうして食べてみると強気の価格設定ではあるが、大阪の近大マグロ食堂の価格などを考えてみると、決してボッタクリではなくて妥当な価格ではあると感じる。とはいうものの、高いのは間違いないので今の高市不況下では大丈夫か? まだ夕食時には若干早いとはいえ、私のほかに客が全くいなかったのが気にはなる。

 

 

 夕食を終えるとホテルに戻ってくる。それにしても疲れた。結局今日1日で何だかんだで2万歩突破。完全に限界突破している。

 部屋に入るとしばしベッドでダウン。とにかく足が痛くて仕方ない。しばし休息をしてからようやく大浴場へ。浴槽で体をしっかりと温めながら、重点的に足をほぐしておく。そうでないと明日動けなくなりそうだ。特にかかとの痛みが洒落にならない状態。

 風呂から戻ってくるとしばし執筆作業。そうこうしているうちに9時が近づいてきたのでレストランに向かう。ここのホテルは朝食だけでなく夕食もついているのが最大の特徴。結局これが今日の夕食第2弾ということに。まあ給食レベルであるが腹を満たすには十分である。

本日の夕食第2弾はホテルのレストランで

 夕食を終えて部屋に戻ってくると再び執筆作業。しかし腹の皮が張ると目の皮がたるんでくるもの。疲れたので作業をやめてベッドでゴロゴロしながらタブレットでゲームをしていたが、途中でタブレットを顔面に落下させる事態となって、諦めてこの日は就寝することにする。

 

 

 

この遠征の翌日の記事

www.ksagi.work

この遠征の前日の記事

www.ksagi.work