徒然草枕

クラシックのコンサートや展覧会の感想など、さらには山城から鉄道など脈絡のない趣味の網羅

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マリナー指揮のアカデミー室内管弦楽団コンサートに出向く

 この木曜日は大阪出張のついでに、以前からチケットを入手してたコンサートに立ち寄った。

第54回大阪国際フェスティバル2016
サー・ネヴィル・マリナー指揮 アカデミー室内管弦楽団

曲目/プロコフィエフ:交響曲 第1番 ニ長調「古典交響曲」op.25
   ヴォーン・ウィリアムズ:トマス・タリスの主題による幻想曲
    ベートーヴェン:交響曲 第7番 イ長調 op.92

 御年92才の巨匠マリナーが、手兵のアカデミー室内管弦楽団を率いての来日である。マリナーによって設立されたオケだけに、指揮者とは完全にツーカーの関係にあり、それが演奏にそのまま反映されているようである。両者の信頼関係の温かさのようなものが音楽を通じて感じられる。アカデミー室内管弦楽団はことさらにテクニックを誇るようなタイプのオケではないが、非常にまとまりが良いオケである。

 マリナーの指揮は年齢を感じさせない軽やかにして躍動的なもの。非常にキレが良くて明るい音色のベートーベンという印象を受けた。さすがと感じさせるものである。

 

 やはりマリナーの年齢が年齢だけに「これが最後の来日になるのでは」と感じている観客も多く、結構大勢が押しかけていた。実際にプログラムなどにも「マリナーの集大成」などの記述が見られ、どことなく「最後」感を煽っている。しかしステージに登場したマリナーは、歩き方こそややヨタヨタした感じがあるが、指揮台上で立ったまま軽快な指揮を最後まで続けており、まだまだ達者ぶりを披露していた。予定では来年にPACの指揮台に立つことになっているが、そこでまた達者な姿を見せて欲しいものである。