私は今年は読響の大阪会員になっている。その第一回目のコンサートが木曜日。仕事を早めに終えるとホールに駆けつけることになる。
第14回大阪定期演奏会
指揮 シルヴァン・カンブルラン
ピアノ 小菅 優
リスト:ピアノ協奏曲第2番 イ長調
マーラー:交響曲第5番 嬰ハ短調
小菅のピアノは相変わらず堂々としたものだ。曲自体がかなり構成の弱いロマンティックなもので、協奏曲と言うよりは交響詩のようなところがある。下手に弾くとグダグダになりかねない危険性があるのだが、小菅の力強い演奏はこの曲をスッキリとさせた感がある。
マーラーの5番に関しては、カンブルランはおなり抑えめのテンポでゆったりと演奏してきた。朗々とした響きは雄大で明るい。ただそれがこの曲に合っているかどうかは好みが分かれるところに思われる。私個人としては、マーラーの交響曲とはもう少し鬱屈した激しさを秘めているものと思っているので、カンブルランの屈託のない演奏には少々面食らったのが本音。この曲に関してもう少し緊張感が欲しいように感じられた。
華々しい金管が前面に出た演奏で、読響の技倆の安定性を感じさせるものではあったが、その華々しい音色が表面的に響いてしまった感がある。悪い演奏とは言わないが、私の好みには今ひとつ合わなかったというのが本音。