今日は福山までハンガリー国立フィルハーモニー管弦楽団の演奏会を聴きに行った。このオケの公演だったら大阪でもあるのでそれに行けばよいようなものだが、あえてわざわざ福山のチケットを取ったかと言えば、大阪公演は指揮者がコバケンで福山公演はコチシュだったから。正直なところコバケン演歌は苦手なので、別の指揮者で聴きたいと感じた次第。
しかし突然のニュース。なんとコチシュが体調不良によって来日できなくなり、急遽コバケンが全公演を指揮することになったとのこと。このニュースを聞いたときには私はズッコケてしまった。何のためにわざわざ福山まで高い交通費を払って・・・。これで払い戻しがないとはいささか納得行かないところ。
木曜日の仕事を早めに終えると、車で山陽道を突っ走る。会場のリーデンローズは福山駅から微妙な距離のある施設。結局は車で行くのが正解だろうと考えた次第。
高速のドライブは思いの外順調に流れ、現地には開演の1時間以上前に到着、とりあえず隣のイトーヨーカ堂で軽く夕食を摂ってから入場する。
リーデンローズの大ホールは3階建ての大きなホール。しかし入りはガラガラ。一階席の後ろ半分はすべて空席であり、前半分にも空席がちらほらある。入りとしては4割以下というところか。かなり寂しい状況。
ハンガリー国立フィルハーモニー管弦楽団演奏会
指揮/小林研一郎
ピアノ/牛田智大
リスト:交響詩「前奏曲」
リスト:死の舞踏
ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」
最初からかなりうまいオケだということを感じる。弦楽の密度は高いし、管は安定していて力強い。コバケンのかなりクセのある指揮に完璧に従いつつ全く乱れないのには驚かされる。
新世界になるともうコバケン節全開。溜めだの揺らしだのと連発されるコバケン演歌の世界。これをオケが完全に再現するから、今回初めてコバケン演歌の完璧版を聴いたという印象。好き嫌いは分かれるがこれはこれで一つの世界かと納得させられるところがある。
とにかくオケの技量が圧倒的であった。これだけで点を付けると余裕で◎。ただ残念ながらコバケン演歌はやはり私の好みではないのが減点要因。
なお牛田は先日の大阪響と同じプログラムだったのだが、力強いタッチに彼の確実な進化を感じさせる名演。将来が楽しみである。
場内はかなり盛り上がり、アンコールはハンガリー舞曲の1番と5番。これがまたさらに濃いコバケン節炸裂で、濃厚なコバケンワールドが展開した。会場内にはコバケンファンが意外といたのか、最後は場内総立ちの盛り上がり。これは驚いた。
ホールを後にすると夜の山陽道を突っ走って帰宅。帰り着いたときにはもう夜中になっていたのである。疲れた・・・。