徒然草枕

クラシックのコンサートや展覧会の感想など、さらには山城から鉄道など脈絡のない趣味の網羅

プッチーニ 歌劇「蝶々夫人」《新演出》

 昨年からオペラに目覚め、今年のコンサートラインナップはオペラを大幅に増やした私だが、今日は今年のオペラ第一弾。フェスティバルホールで開催される「蝶々夫人」に出かけることにした。

 やはりオペラはオケのコンサートよりも所要時間が長いため、開演は6時半とやや早い。そこで木曜日の仕事を早めに終えると大阪に駆けつける。近畿はここのところ降雪のせいでJRのダイヤが滅茶苦茶になることが多く、そのことを心配したのだが、今日は幸いにして天候の不安は全くなくダイヤも通常通り。予定通りの時間に大阪に到着する。

 大阪に到着すると例によって駅内の「えん」で出汁茶漬けを夕食に摂る。最近は胃腸が疲れているのか、こういうあっさりしたものを食いたくなることが多い。

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夕食は出汁茶漬け

 夕食を軽く終えるとホールに駆けつける。客の入りは1階は8割以上だが、2階は3割程度というところか。私の席はフェスティバルホールメンバー優先予約で確保したので、2階席とは言うものの最前列中央という絶好のポジション。高所恐怖症を懸念したが、3階席と違って2階席は意外と恐くないので安心した。

 なおオペラの客層はオケコンサートとは若干異なっているのを感じられる。どうもセレブなおばさま方が多いのだが、ペチャクチャ喧しいのと化粧品の強い臭いには閉口。

 

プッチーニ 歌劇「蝶々夫人」《新演出》全幕・日本語字幕付原語上演

指揮/ミヒャエル・バルケ
演出/笈田ヨシ
出演/中嶋彰子(蝶々夫人)、鳥木弥生(スズキ)、サラ・マクドナルド(ケイト・ピンカートン)、ロレンツォ・デカーロ(ピンカートン)、ピーター・サヴィージ(シャープレス)、晴雅彦(ゴロー)、牧川修一(ヤマドリ)、清水那由太(ボンゾ)、猿谷友規(役人)、熊田祥子(いとこ) ほか
合唱指導/清原浩斗、清原邦仁
管弦楽/大阪フィルハーモニー交響楽団

 新演出とのことなのだが、残念ながらどの辺りが新なのかはオペラ新参者である私には判断が付きかねるところだ。ただ受けた印象としては、オペラと言うよりは演劇的な演出だなというものだ。ピンカートンと蝶々夫人の絡みのシーンなど、オペラにしては表現が結構生々しい感じがして大胆に見えた。

 歌手陣は堂々たるものでそちらに不安はなかったのだが、ケイトだけが他の歌手に比べて極端に声量等が劣るなと気になったのだが、どうやら演じたのがオペラ畑の人ではなかった模様。これは仕方ないところか。

 襖を巧みに使って変化をする舞台構成はなかなかに面白かった。ラストの蝶々夫人の心理的葛藤を示す演出など、やはり演劇的な構成が結構凝っていて、この辺りが恐らく独自性なのだろう(と思う)。物語の輪郭が明確に浮かび上がる効果をなしていたと感じた。

 音楽的にはプッチーニが日本のメロディを随所に取り込んでいたのが印象的。この辺りが向こうでは受けたんだろうなと妙に納得。

 私の生涯でのオペラ3作目なのだが、なかなかに楽しめた。しかし「蝶々夫人」はぶっちゃけてしまうと、遊び人のアメリカ人が日本女性を勝手に捨てたというだけの身も蓋もない話。意外と内容自体は単純なんだなと妙なところに感心した次第。

 

 終演は9時半頃。結構遅くなった。楽しかったけど疲れた。