徒然草枕

クラシックのコンサートや展覧会の感想など、さらには山城から鉄道など脈絡のない趣味の網羅

びわ湖ホール オペラへの招待 サリヴァン作曲 コミック・オペラ 『ミカド』

 この週末は琵琶湖ホールまで怪作オペラ「ミカド」を聴きに行くことにした。ちなみにこのオペラ、日本をモデルにしたある仮想の国が舞台となっているのだが、欧米では「アジア差別ではないか」と問題になることも少なくないとのことだが、当の差別されているはずの方の日本にはあまりその意識はないとか。まあこれは日本人が差別というものには結構鈍感なのと、欧米崇拝意識があるから「欧米様が日本を扱ってくれた」ぐらいの感覚なんだろう。これが韓国か中国辺りの作品なら「反日作品だ、キーッ!」とヒステリーを起こす輩もいるだろうが。まあ純粋にいわゆるジャポニズムの一種ととらえておくのが無難なんだろう。

 それにしても暑い。家を出たのは日曜の午前中なのだが、既にうだるような暑さである。昨日辺りは熱中症警報が出て、NHKが「表に出ないように」なんて流していたぐらいだったが、今日もその状況はさして変わっていない。思わず車で行くことも考えたが、駐車場代が高いのと行きはともかく帰りの運転がしんどいなと考えて止めにした。

 新快速でまずは京都に向かう。新幹線を使えば楽なのだが料金を考えると無理。とにかく今は金がない。アベノミクスで国民を豊かになんて嘘八百を言っているが、現実は確実に庶民の貧困化政策が着々と進行中である。この次にはサービス残業促進法案と労働基準法廃止で安倍の念願である庶民の奴隷化が完成というシナリオなんだろう。第二次大戦おける日本軍は、兵士および下士官は優秀であったが高級士官は軒並み無能であったというのはよく言われているところである。今の日本の企業も社員および中間管理職は有能でも経営陣が軒並み無能であるから、自分たちを守るために特攻戦略よろしく社員を使い捨てにするような戦略しか浮かばないのだろう。

 到着した京都は相変わらずの灼熱地獄である。毎度の事ながら殺意を感じる暑さ。ただこの暑さのせいか、いつもよりは若干人混みが少ない気がする。

 

京都の東洋亭で昼食

 京都駅で列車を降りると京都駅南側の飲食店街を昼食のためにウロウロする。うなぎ屋だけは土用の丑のせいか行列ができているが、それ以外の店はまだ行列までは出来ていない。とりあえず以前にも訪れたことがある「東洋亭」に入店してハンバーグのランチコースを注文する。

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東洋亭

 ホイルに包んで焼くハンバーグがなかなかうまいが、この店で一番印象に残るのはやはりトマトのうまさか。前に訪れた時も謎だったのだが、なぜかトマトが嫌いな私がここのトマトのサラダ(というよりは丸ごとトマトだが)だけはうまく感じるのである。

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丸ごとトマトのサラダ

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ホイル包みのハンバーグ

 さらにうまいのがデザートの100年プリン。しっかりしていて味も私好みのプリンである。カラメルに苦みがないのがポイント。

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そしてデザートの100年プリン

 昼食を終えると12時半頃。JRと京阪を乗り継いで会場のびわ湖ホールに向かう。今日の会場はびわ湖ホールの中ホールだがほぼ満員である。なかなかの大盛況。

びわ湖ホール オペラへの招待 サリヴァン作曲 コミック・オペラ 『ミカド』

指揮:園田隆一郎
演出・訳詞・お話:中村敬一
管弦楽:日本センチュリー交響楽団
美術:増田寿子
照明:山本英明
衣裳:下斗米雪子
振付:佐藤ミツル
音響:押谷征仁(びわ湖ホール)
舞台監督:牧野 優(びわ湖ホール)

出演:びわ湖ホール声楽アンサンブル
 ミカド     松森 治*
 ナンキプー   二塚直紀*
 ココ      迎 肇聡*
 プーバー    竹内直紀*
 ピシュタッシュ 五島真澄
 ヤムヤム    飯嶋幸子
 ピッティシング 藤村江李奈
 ピープボー   山際きみ佳
 カティーシャ  船越亜弥
 貴族・市民   平尾 悠、溝越美詩、益田早織
         吉川秋穂、川野貴之、島影聖人
         増田貴寛、内山建人、宮城島 康 ほか

 日本を舞台と言うが、実際は架空の国が舞台なのでいかにもインチキくさい服装のキャラが闊歩する作品。演出家の中村敬一による訳詞の日本語版とのことだが、現代語や風俗なども取り込んだ超意訳版であり、台詞などはアレンジがかなり強いようだ。英語の字幕も同時に表示されていたが、私の英語力でも字幕の内容とかなり異なったことを言っている部分が多いようであることは分かった。

 内容は基本的にドタバタ喜劇である。音楽もそれに合わせて軽快な分かりやすいもので、随所に日本のメロディを取り込んである。やたらに首をはねたがる権力者とかは腹切りの国に対する偏見が少々あるのではという気もしないではないが、差別と目くじら立てるほどのものとも感じられない。

 演奏の方だが、声楽陣はなかなかに堂々としたものであった。男性陣に比べると女性陣にやや線の細さを感じないでもなかったが、バランスが崩れると言うほどでもない。またセンチュリーの演奏もなかなか安定しており、マズマズの出来であった。

 それにしてもこの作品、歌の合間の台詞部分が結構あるのと、平易なメロディにさらに日本語の歌詞のせいで、オペラと言うよりはミュージカルに近いという印象をかなり受けた。そう言えば、オペラとミュージカルってどこで線引きをするのだろうか。

 

 公演が終わると満員の臨時バスで大津駅まで移動、そこから新快速で家路についたのである。