徒然草枕

クラシックのコンサートや展覧会の感想など、さらには山城から鉄道など脈絡のない趣味の網羅

びわ湖ホール オペラへの招待 モーツァルト作曲 歌劇「ドン・ジョヴァンニ」

 翌朝は目覚ましを8時にセットしていたが、就寝が早かったこともあってさすがにその時刻まで寝通す睡眠力がなく、7時頃には目が覚めてしまう(一旦夜中の3時に目が覚めたが、意地でその時刻まで引っ張ったのが実態)。

 ただ目は覚めたものの体は鉛のように重くて体調はかなり悪い。体のどこかが悪いと言うよりも単純に疲労が蓄積してしまったいるようだ。しかし今日はびわ湖ホールまで「ドン・ジョバンニ」を見に行く予定。とりあえずチェックアウト時刻の10時までゴロゴロとして体を労ってからホテルを後にする。

 ここからJRで一気に京都まで移動することにするが、それにして人が多い。大阪駅から乗り込んだ新快速は寿司詰めだし、ようやく降り立った京都駅も相変わらずの異常な人出。しかも今日はその上にやけに蒸し暑い。

 京都に到着したのは12時前。これからどうするかだが、びわ湖ホールでの開演は14時からなので、今からホール直行では時間が余るし昼食を摂るにもあの辺りには店がほとんどない。ザッと調べたところ、今京都では近代美術館で東山魁夷展を開催中とのこと。東山からだとびわ湖ホールへは地下鉄から京阪直行で行ける。東山魁夷展に立ち寄ってついでに東山で昼食を摂るというところで考えをまとめる。

 

京都での昼食で思わぬ落とし穴が

 地下鉄で東山に到着すると、まず先に昼食を摂ることにする。目当てのそば屋は満席だったので近くの「京とみ」に入店。「エビと穴子の天丼(1296円)」を注文する。

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落ち着いた風情の京とみ

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料理は実に申し分なかったが

 しかしこの選択は結果としては失敗だった。別に料理が不味かったとかでなく、ここの店は時々京都にある「異様に雅な時間が流れている店」だったのである。京都と大阪の飲食店で大きく異なる点は、まず価格が一つであるが、もう一つは料理が出てくる時間。大阪ではあまり客を待たせると客がぶち切れてしまうが、京都はもっと雅な方々が多いのか非常にゆったりとした店が多いのである。この店がその類い。たかだか天丼だったら大阪だったら10分以内に出てくるのが常識だが、この店は店内の客数が10人ちょっとにも関わらず、天丼が出てくるまで優に30分以上待たされた次第。ゆったりと出てきた天丼は、天ぷらの揚がり具合もサクッとしており、添えられただし巻きの味も文句なしと料理には難がなかっただけに残念。まあ時間に余裕がある時に利用するには良い店か。

 昼食に想定を遥かに超える時間を要してしまった。そのせいで美術館にかけられる時間は20分から最大で30分ぐらい。ただ東山魁夷展については再訪の予定もあるし、恐らく展示作の中のかなりの部分は一度は見たことのある作品だろうから、鑑賞対象を絞ればこの時間でも回ることは何とか可能。このようなことを頭で練りながら美術館へ向かう。しかし美術館前に到着した時点で、私がここまで練り上げた戦略は根底からガラガラと音を立てて崩れてしまう。何と美術館のチケット売り場の前に数十人以上の大行列。これでは美術館に入館する前に時間切れである。東山魁夷の人気を侮っていた。東山魁夷は特に日本人なら万人に受ける画家として不動の人気があり、人気の点では他の日本画家とは桁違いなのを忘れていた(単純な人気だけなら横山大観をも凌ぐだろう)。

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チケット売り場の絶望的な光景

 この時点で「東山魁夷展」は後日に再訪することにして東山駅にUターンすることにする。地下鉄から京阪に乗り入れてホールに到着したのは、開場時刻の10分ほど前だった。

 

びわ湖ホール オペラへの招待 モーツァルト作曲 歌劇「ドン・ジョヴァンニ」

指揮:園田隆一郎
演出・お話:伊香修吾
出演:びわ湖ホール声楽アンサンブル
管弦楽:大阪交響楽団

 びわ湖ホール主催の初心者向けオペラ公演。今回は女たらしの主人公が自業自得で地獄に落ちるという「ドン・ジョバンニ」。遊び人モーツァルトの自虐作品とも言われている。

 歌唱陣は圧倒的とまでは言わないまでも、ほぼ過不足のない歌唱でなかなかに聴かせる内容であった。個人的には騎士団長にはもう少し凄みの欲しいところではあったが、堂々としたゲス男のドン・ジョバンニの存在感は見事。おかげで全編がなかなかに引き締まっていた。

 
 これで今回の予定は公私共に完全終了。満員の新快速で帰宅することに相成ったのである。それにしても蒸し暑かったり人が多すぎたりでなかなかに疲れてしまった。あまり無理のある予定は組むもんではないな。