徒然草枕

クラシックのコンサートや展覧会の感想など、さらには山城から鉄道など脈絡のない趣味の網羅

ボローニャ歌劇場「リゴレット」

 今日はボローニャ歌劇場の「リゴレット」を聴きにびわ湖ホールまで遠征。一昨日の「セヴィリアの理髪師」がなかなか良かったのでこれは期待できそうである。

 仕事を早めに終えると新快速で山科、ここで乗り換えて膳所へ。午前中に事故があったとかでJRのダイヤが乱れていたので心配だったが、私が出発する頃にはダイヤも回復していて問題なく予定通りに膳所に到着した。後はここから京阪で一駅だが、その前に夕食を摂っておくことにする。今日は長丁場だから燃料補給は重要。膳所の駅前をウロウロして、「や台ずし」なる寿司屋を見つけたので入店する。

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や台ずし

 注文したのは寿司のセットと卵焼き。寿司は可もなく不可もなくの回転寿司レベル。江戸前寿司を謳っているが、寿司飯が甘くなくてサッパリしているのが江戸前と言うことだろう。卵焼きもいかにも量産型ではあるが悪くない。これにドリンクでコーラをつけて支払は2000円程度だからこれも悪くはない。

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寿司のセット

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これが卵焼き

 

 夕食を終えると京阪で隣の石場に移動、ホールに向かう。私がホールに到着した時には既に開場していた。なおホールの企画ではなく貸館企画であるためか、ホールのクロークは閉まっていて、会場内に臨時のクロークが置かれていた。恐らくホール職員の勤務時間等も絡むのだと思われる。

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びわ湖ホール

 私の席は4階の奥。いわゆる天井桟敷の安席であるが、辛うじて見切りではない。さすがにオペラを連チャンとなると、それをS席で見に行けるような財力は私には全くない。それでも今週の出費はかなり手痛いものとなっている。オペラとはつくづくブルジョワの道楽である。

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辛うじてステージ全体が見える

ボローニャ歌劇場 G.ヴェルディ/リゴレット(全3幕)

指揮:マッテオ・ベルトラーミ
演出:アレッシオ・ピッツェック
演奏:ボローニャ歌劇場管弦楽団/合唱団
出演:セルソ・アルベロ(マントヴァ公爵)
   アルベルト・ガザーレ(リゴレット)
   デジレ・ランカトーレ(ジルダ)

 正直なところ釈然としないストーリーではある。主人公のリゴレットはそもそも虎の威を借りて他人を愚弄するなどして恨みを買っていたので、自分が被害を蒙ってから「復讐だ」なんて言うのも虫の良すぎる話で、謂わば過酷な運命も半ばは自業自得である(彼の娘だけはあまりに気の毒だが)。ただその女ったらしが原因で諸般の問題を起こしていた公爵が、結局はその女ったらしであるおかげで難を逃れるということになっている。別にドン・ジョバンニのように相応の罰を食らえとまでは言わないが納得しにくいところはある。女ったらしの最低野郎にもかかわらず、なぜか女に本気で愛されるというタイプの男は確かにいるから、要するにそういうタイプと言うことか。作品中でも公爵のことは何度も「感じの良い若者」というような表現がされているから、恐らく一見好青年風の人物なんだろう。それがポイントか。要するに「ただしイケメンに限る」というやつだ。

 さて公演の方であるのだが、公爵のアルベロは「感じの良い若者」というよりはスケベなオッサンに見えてしまい、奇形の道化師のリゴレットのガザーレは逆に堂々としたダンディ親父に見えてしまうというオペラ特有のビジュアル上の問題は少々ありはしたものの、この両者の歌唱はまさに圧倒的であった。テノールが響き渡るアルベロ、ドスの利いたバリトンのガザーレ、この両者は見事の一言。ただこれに絡むジルダのランカトーレの歌唱は声量はあるのだがやや不安定さを感じさせるところがあった。音程が揺れたり、声がこもったりという場面が何度かあり、それは少々気になった。

 演出については極端に奇をてらったものではない中庸なところなのだろう(と思うが、私はこの作品を他に見たことがないので比較しようがない)。所々私には演出意図が理解できなかった場面はあったが、いわゆる独りよがりななんちゃって斬新はなかったように思われる。

 


 かなり堪能できるオペラであった。わざわざびわ湖くんだりまで遠征してきた価値はあったというものである。公演後はカーテンコールもそこそこにバス停にダッシュして、大津駅行きの臨時バスに飛び乗る。もう既に9時をとっくに回っているので、これから帰るのはあまりにしんどすぎるということで、今日は京都に宿泊して明日の仕事は昼から出るように手配してある。

 宿泊するのは私の京都での定宿、四条のチェックイン四条烏丸。ただ結構小腹が空いてきているので、ホテルにチェックインする前に「一風堂」に立ち寄って、「白丸元味」を一杯腹に入れていく。夜のラーメンとは決して健康に良いものではないが、その一方で実に魅力的でもある。まさに背徳の味(笑)。

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開いてて良かった「一風堂」

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オーソドックスな白丸元味

 小腹を満たしたところでホテルにチェックインする。テレビをつけたと思ったら地震のニュースばかり。どうやら新潟を中心に大きな地震が起こって津波注意報も出ているのとのこと。全チャンネルが通常番組をすっ飛ばしてニュースをやっている中、ただ一局だけ「武則天」を放送しているKBS京都。我が道を行くというか、よってないというか・・・。昭和天皇崩御で各局が大騒ぎしている中、一局だけ将棋を流していたテレビ東京を思い出した。

 この後は大浴場で入浴し、明日に備えて早めに就寝することにした。明日は仕事だ。