徒然草枕

クラシックのコンサートや展覧会の感想など、さらには山城から鉄道など脈絡のない趣味の網羅

ロシア国立交響楽団名古屋公演

 翌朝最初に気がついたのは5時過ぎだった。昨晩購入していたパンなどを腹に入れるが、まだ早すぎることもあってしんどい。そこで二度寝。ウツラウツラと浅い眠りを続けながら次に気がついた時には8時を回っていた。目覚ましを8時にセットしていたはずだが、鳴ったらしき表示があるにもかかわらず私に聴いた記憶はない。どうなっているのか分からないが、とにかくシャワーを浴びて慌てて出発準備をする。

ぷらっとこだまで名古屋へ移動する

 今日の予定は13時から開演の名古屋でのロシア国立交響楽団のコンサート。大阪公演もあるのだが、その日はびわ湖ホールオペラとぶつかっていることと、プログラムの内容から名古屋公演に出向くことにした。10時前のぷらっとこだまで名古屋に移動することにしているので時間厳守である。9時過ぎにはホテルを出て新大阪に向かう。

 台風が接近しているとのことで新幹線の遅れが心配だったが、新幹線は定時通りに運行している模様。こだまの指定席は狭っ苦しいが時間通りに名古屋に到着。

 

昼食は名古屋名物「みそカツ」

 ここからは栄に移動、昼食は栄の山本屋本店に立ち寄ろうと思っていたのだが、この店があったはずの中日ビルは閉鎖中。調べたところ別のビルに移転した模様。そこでやむなくキャリーを引きずりながらガラガラと歩いて行ったのだが、いざ現地に着くと長蛇の行列。人数と動き具合を見ていると、とても公演に間に合いそうにないので向かいの「矢場とん」に入店する。しかしこっちも店内に行列が出来ている。これはマズいと出ようとしたら、お一人様と言うことでカウンター席に案内された。

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私が店を出た時には表に行列が出来てました

 成り行きで味噌カツ店に入店してしまったが、正直なところトンカツ、ましてや味噌カツという気分ではない。せめて少しでもあっさり目のものと言うことで「ヒレカツセット」を注文する。

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味噌だれのかかったヒレカツセット

 濃厚な味噌だれがかけられるが、意外にしつこくなくてなかなかいける。これなら食えるというか、体調が良ければ美味いだろうと思う。

 とりあえず昼食を終えると灼熱地獄の中をホールに向かう。今日はショスタコの「革命」&チャイコの「悲愴」という重量級プログラム二本立てだが、ポリャンスキーの芸風から考えてかなりの暑苦しい演奏かなりの熱演が期待できそうである。チケットの売れ行きは今ひとつというように聞いていたのだが、最終的にはホールはほぼ埋まっていた。

 

ロシア国立交響楽団

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指揮:ヴァレリー・ポリャンスキー

ショスタコーヴィチ:交響曲第5番「革命」
チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」

 初っ端のショスタコから気合いが漲っている演奏。ポリャンスキーはよく爆演型指揮者と言われるが、実際はそんな単純なものではない。むしろ抑えるべきところは徹底して抑えてメリハリをつけ、謳わせるべきは非常に美しく謳わせる。初めて来日した時に比べるとポリャンスキーの演奏スタイルも若干変わってきているようであり、以前のようにとにかく緊張感が前面に出てくるスタイルから、段々と曲の美しさも表現するスタイルになっていることを感じさせる。

 二曲目の悲愴はまさに絶品。一楽章から切々とした旋律が美しいのであるが、圧巻だったのは最終楽章。身を切られるような切なさに満ち、まさに息絶えるような最後まで完全に呑まれてしまい涙が出てきた。ここまで緊張感に満ち、切なさに満ちた悲愴はなかなか聴けるものではない。これだけで名古屋くんだりまで遠征した価値はあったというものである。


 非常に満足の出来る演奏であった。毎度のことながらポリャンスキーの公演はCPの点では最強であると言える。

 夏の昼の暑苦しい素晴らしいコンサートを終えると、この後は新幹線で直帰するのである。