徒然草枕

クラシックのコンサートや展覧会の感想など、さらには山城から鉄道など脈絡のない趣味の網羅

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アニメ関係の記事は新設した「白鷺館アニメ棟」に移行します。

白鷺館アニメ棟

大野和士指揮 プッチーニ「トゥーランドット」

 この週末は京都方面にオペラ&コンサート。土曜の午前中に家を出るが、運の悪いことに台風が接近中とのこと。実際に地域によっては豪雨が降っている模様。

久しぶりに東洋亭で昼食

 京都駅に到着したのは昼頃。この天気にもかかわらず観光客は多い。よくよく考えると台風が来ているといっても海外からの遠距離組には関係ないことだった。近場組は「今日はやめとくか」になっても、遠距離組は自身の運の悪さを嘆きつつもスケジュールをこなすしかないだろう。

 昼頃に京都に到着するとまずは昼食を摂ることにする。立ち寄ったのは「東洋亭」「ビーフカツ」を注文する。

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京都駅の東洋亭

 相変わらず奇妙に美味いトマトから始まり、メインのビーフカツは柔らかくて美味い。ソースがなかなか良い味である。デザートはアイスティーだが、やけに薄くて妙な風味があるのはアール・グレイだろうか。そしてこの100年プリンは実に私好みの懐かしい味。相変わらずホッとするランチである。

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妙にうまいトマト(実は私はトマトは嫌いなんだが)

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ビフカツは柔らかいしソースが美味い

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この100年プリンが私の好物

 

 昼食を終えるとJRと京阪を乗り継いでびわ湖ホールへ移動する。生憎と雨がぱらつく天候となっているが、大ホールはほぼ満員。

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大ホールは大混雑

東京2020公認プログラム プッチーニ「トゥーランドット」

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指揮:大野和士
演出:アレックス・オリエ

トゥーランドット  イレーネ・テオリン    
カラフ       テオドール・イリンカイ  
リュー       中村恵理         
ティムール     リッカルド・ザネッラート
アルトゥム皇帝   持木 弘
ピン        桝 貴志         
パン        与儀 巧         
ポン        村上敏明         
官吏        豊嶋祐壹

合唱:びわ湖ホール声楽アンサンブル/新国立劇場合唱団/藤原歌劇団合唱部
児童合唱:大津児童合唱団
管弦楽:バルセロナ交響楽団

 びわ湖ホール・東京文化会館・新国立劇場・札幌文化芸術劇場 提携オペラ公演とのことであるが、なかなかに派手な舞台という印象。特に合唱陣が気合いが入っていることを感じさせる。独唱陣ではカラフのテオドール・イリンカイとリューの中村恵理が目立つ。演出面で中国舞台の作品にもかかわらず、衣装やセットに中国っぽさは出さずに、むしろヨーロッパのどこかの国のように見せているのが特徴。欧米のオペラハウスの上演などではインチキ臭い中国っぽさを強調するような演出が多いので、それとは対極にある。しかしそもそもプッチーニは中国を全く知らないでこの作品を書いているので、これもありだろう。

 バルセロナ響はかなり元気のあるメリハリの強い演奏であったが、元気がありすぎて歌手の歌をかき消してしまう場面が何度かあったのがやや気になったところである。トゥーランドットのイレーネ・テオリンの声にややか細さがあり、特にしょっちゅうかき消されてしまうのが気になった。

 なお一番最後の演出については「蛇足」と感じた。確かにこの作品の終盤の展開はそもそもかなり強引で不自然であるとは感じるが、この話の肝としては、愛を拒んでいたトゥーランドット姫がカラフによって「愛」というものを理解して目覚めるということ。俗な言い方をすれば、処女的な男性に対する潔癖症が、本当に素晴らしい男性と出会ったことで崩れていくという話である。しかしこの演出だとトゥーランドットは明らかに男性恐怖症であり、結果としてカラフは単なる迷惑男で終わってしまっている。これではいくら何でもちゃぶ台返しが過ぎるというものだろう。

 

公演途中の思いがけないハプニング

 なお公演の途中でハプニング発生。トゥーランドットが1つめの謎を出した途端にステージが真っ暗になる。一瞬演出かと思ったが、館内の非常口灯がともったのでおかしいなと思っていたら「停電」とのこと。どうやら台風の影響でこの一帯が停電したらしい。非常電源が尽きたらホール内が真っ暗になってしまうとのことで、全員一旦ロビーにまで出される。

 しばし後に電源は復活したものの、続きの上演が可能か検討中とのことでホールに戻る者、ロビーで過ごす者など様々。そんな中でオケピでフルート奏者がいきなりビゼーのメヌエットを演奏しだして場内で拍手が沸き起こるなんてことも、

 1時間以上グダグダした後にようやく第1の謎のところから再演ということになる。終了時刻を早くするために2幕後の休憩をなくすとのことだが、それでも終了は当初予定より1時間遅れになる。また2幕終了後の場面転換が出来ないためか、演出に若干の変更があるとのこと。いっそのこと最初の謎も変えるか。

トゥーランドット姫「吹き荒れる嵐に煌めく電光、突如辺りを覆う漆黒の闇。これは何だ?」
カラフ「それは停電だ!」

 一番盛り上がってきたところで水を差された挙げ句の仕切り直しとなったが、公演自体はかなり盛り上がって無事に終了する。とりあえず払い戻しの事態を回避できた関係者もホッとしたことであろう。もし払い戻しになっていたら、被害額が洒落にならなかったところだと思われる。

 

京都に戻って夕食&宿泊

 公演が終了すると京阪で京都に戻ることにする。今日はいつもの定宿チェックイン四条烏丸で宿泊するつもりである。京阪で烏丸御池まで移動すると、そこから一駅である。ただホテルに入る前に夕食を摂っておきたい。気分はラーメンなので「一風堂」を覗いたが、例によって店の前には長蛇の行列で、とてもそんなところで待ってられない。それで近くの行列のない「魁力屋」に入店することにする。味玉ラーメンに炒飯をセットする。

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四条の魁力屋

 ここのラーメンは醤油ラーメンであるが、よくあるダダ辛いだけの醤油ラーメンと違い、なかなかに旨味やコクがあって美味い。炒飯も私好みの味付け。この炒飯は一風堂にはないプレミア。

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醤油ラーメンと炒飯

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麺は普通の麺

 夕食を終えるとホテルにチェックインする。結構疲労が溜まっている。この時期は蒸し暑いので表をうろつくだけで体力を消耗する。とりあえず大浴場で汗を流すと一休み。

 この後は持参したBDプレーヤーをテレビにつないで「偉人たちの健康診断」を視聴。眠くなってきたところで早めに就寝する。