徒然草枕

クラシックのコンサートや展覧会の感想など、さらには山城から鉄道など脈絡のない趣味の網羅

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アニメ関係の記事は新設した「白鷺館アニメ棟」に移行します。

白鷺館アニメ棟

京都市交響楽団 第636回定期演奏会

 翌朝は6時半に目が覚める。目が覚めると最初にこの原稿の入力(笑)。目が冴えてきたところでレストランにバイキング朝食に赴く。今日は朝から飯が進む。疲労はあるものの体調は悪くはないようだ。

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バイキング朝食

 今日は14時半からの京都市響のコンサートしか予定がないので、チェックアウト時刻の11時までは部屋でグダグダと過ごす。途中で10時になったところでN響のコンサートのチケットを確保。無事に確保に成功したところでまたしばし休憩。

 

錦市場を散歩

 ホテルを11時に出るが、まだしばし時間をつぶす必要がある。ネカフェに籠もるのも手だが、今日はそういう気分でもない。そこでしばし錦市場を散策。

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かなり観光地化している錦市場

 錦市場はそもそもは京都庶民の台所だったとのことで、そういう佇まいは神戸の長田出身で日常的な買い物は市場で行っていた私には郷愁を誘うところがある。ただ今日の錦市場はかなりインバウンド需要を想定して様変わりをしつつあり、CPの悪さを感じさせる店や、私の目から見ても明らかに「?」な店も増えている(いくらなんでも京都で海鮮丼はなかろう。確かに観光客受けはするかもしれないが。)。

 結局はグリーンティー一杯飲んだだけでフラフラと錦市場を通り抜けるだけになってしまった。いかにも観光地している場所は、近場の人間にとってはかえって価値のない場所になってしまう。インバウンドも結構だが、そのために破壊された本来の京都というのも少なくないようだ。この辺りが京都市民の中から「もう観光客はいらない」という声が出てくる原因にもなっているようだが。

 

四条周辺で昼食&お茶にする

 寺町の辺りまで行って戻ってくることになる。そろそろ昼食を摂る必要があるが、朝食をガッツリ食べたせいかそんなに腹が減っていない。そこで四条の「一休庵」に入って「ざるそば」を一杯食べることに。

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四条の一休庵

 オーソドックスなそばで特に可もなく不可もなくという印象。悪いそばではないのだが、これという印象もない。

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実にオーソドックスなざるそば

 

 昼食を終えたがまだ12時過ぎ。もうしばし時間をつぶす必要がある。そこで四条駅の星乃珈琲に立ち寄るが、生憎と禁煙席は満席とのことでしばし待たされることに。覗いたところでは喫煙席の方はガラガラの模様。もう既に喫煙席を設けることは飲食店にとって経営上の無駄になりつつあるようだ。最早喫煙者の方が少数派になっているので、喫煙席がないことで逃す喫煙客よりも、喫煙席のせいで逃す禁煙客の方が多くなってきている。経済の原理から考えると、今後は全面禁煙の店の方が増えていくだろう。さらに迫害が強化された喫煙者の中には喫煙原理主義者のような雰囲気の輩の比率が上がってきているので(もう既にライトな喫煙者はほぼ禁煙してしまっている)、そのうちに喫煙原理主義者のテロが心配される。私自身は「人は誰でも一つか二つぐらいの悪癖は持っているもの」という考えなので、他人に迷惑をかけない限りは喫煙は自由と考えているが(ただし他人に迷惑をかけないという点は厳格に運用するのが原則だが)。

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アイスコーヒーと死ぬほど甘いフレンチトースト

 星乃珈琲ではアイスコーヒーと死ぬほど甘いフレンチトーストを注文。このフレンチトースト、さらにガムシロップが付属して出てくるのだが、ここにさらにガムシロップをかける猛者がいるのか。さすがに私がそれをしたら死にそうだ。その死ぬほど甘いフレンチトーストから生クリームを半分ほど除けて、ちびちびつまみながらこの原稿を入力している(笑)。これが私のなかなか止められない悪癖。正直なところ自分の命を削っている自覚はあるのであるが。もし世の中が禁砂糖になれば、私も甘物原理主義者となってテロを起こす(笑)。

 13時を回ったところで星乃珈琲を後にする。ホールに到着した時には当日券購入の行列が出来ていた。

 

京都市交響楽団 第636回定期演奏会

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[指揮]高関 健

スメタナ:連作交響詩「わが祖国」

 冒頭、ヴィシェフラドではやけにアンサンブルがゴチャゴチャしている上に、金管の音程はやや不安定、さらに弦の音が飛んでこないという状況で、今日の京都市響はどうなってるんだろうとやや不安になる。

 ただアンサンブルの問題は曲が進むにつれて解消していった。次のモルダウの頃にはもう綺麗な合奏を聴かせるようになっていた。ただややアップテンポで飛ばす高関の演奏には今ひとつチェコ風味が感じられない。非常に美しくて躍動感溢れる演奏なんだが、どうしても「モルダウ」と言うよりは「鴨川」という雰囲気である。

 演奏自体は後半になるにつれて気合いが入っていき、特に休憩後のターボルからブラニークにかけては力漲るような演奏となった。堂々たるフィナーレを迎え、この曲はチェコではさぞかし民族意識の高揚につながったであろう事が想像できた。高関自体がこの曲に対する思い入れがあるようなことをプレトークで語っていたが、それはこの気合いのこもった演奏につながっていたように感じられる。

 若干首をひねる部分がないでもなかったが、トータルとしてはマズマズだろうと思う。この曲の全曲をチェコ以外のオケで聴くというのもなかなかに貴重な経験ではある。ただやはり私の好みとしては、アルトリヒテルなどのコテコテのチェコ風味の方が合うようではある。京都市響の音楽はやや美しく洗練されすぎているように私には感じられた。


 これでこの週末の予定は終了。後はいつものごとく激混みの新快速で家路へとつくのであった・・・。