徒然草枕

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青天を衝け 第16話「恩人暗殺」

リクルートに関東に出向く栄一だが、水戸での大混乱の煽りが

 関東に人材リクルートに向かう栄一と成一郞。しかしなぜか円四郎が見送りに現れる。そしてそこで円四郎は栄一に「お前はお前のままで生き抜け」と一言。完全に自ら死亡フラグを立てる遺言となっています。もう今回は円四郎が死ぬのはバレバレなので、もろに段取りを踏んでそこまで持っていきます。歴史ドラマはどうしても事前にネタバレしているツラさはある。

 で、慶喜の方はというと水戸藩に人材派遣を依頼するつもりだったのが、水戸藩は尊王攘夷派が暴走した天狗党の反乱でてんやわんやで慶喜の元に兵を送るどころではない。結局は歴史的には水戸藩はここで内部分裂が祟って、幕末の中心から外れてしまってその後は全く歴史に関与出来ないことになります。それにしても尊王攘夷派って短絡的な奴ばかり。まあ「夷狄を武力で討伐しろ!」ってのはいかにも脳筋で頭悪い考え方ですから、馬鹿ほど染まるんだろうな。面従腹背で力をつけてから寝首を狩ってやれという、したたかな発想になれないもんなんだろうか。まあ井の中の蛙だったんだろうな。

 この反乱の煽りはリクルート活動中の栄一達にも影響が。栄一達がスカウトしようとしていた真田範之助は既に天狗党に合流準備中。一橋に仕官した栄一達を裏切り者扱いする始末。結局、真田範之助とはこれが生涯の別れになるでしょう。とにかく頭に血が上って無駄に命を捨てたがる奴が多すぎ。

 その煽りで栄一の故郷は例の陰険代官のがさ入れを受ける羽目に。で、あの馬鹿兄貴は天狗党の誘いを断ったにもかかわらず、一味の可能性があると牢に放り込まれている模様。弟の平九郎は手鎖にされたようだが、なんか栄一の妹と良い雰囲気に。しかし歴史的には手鎖の刑罰にはあったがこういう展開はなかったはず。なおこの事件のおかげで栄一は故郷に帰れずで、例によって嫁さんは放ったらかしです。

 

一方の京では円四郎がカウントダウン状態に・・・

 京では池田屋事件が起こって、これの黒幕が慶喜だという話に水戸藩士が「佞臣平岡円四郎の仕業に違いない」と勝手に円四郎殺害計画を進めている模様。段々と秒読み段階へ。

 そして慶喜は円四郎に「自分はなぜかいつも回りから勝手に期待されるが、実際のところはそれだけの器ではない」という類いのボヤキ節を。慶喜がこんなことを言ったという記録は当然ないのですが、実際に慶喜の本音はこうだったのではという気は私もしますね。「こんなオワコン状態の幕府託されてもどうすりゃいいねん」ってのが本音だったのではという気がしてなりません。とにかく結果として慶喜は異様に諦めが良かったような気がしますから。

 この慶喜のぶっちゃけのボヤキに対して円四郎は「殿は家康様に似ていると思う」という超ヨイショをした挙げ句に「最後まで付いていきます」という完全にとどめの死亡フラグを自ら立てている。さらば円四郎・・・。

 そして円四郎は門前で護衛が離れた一瞬の隙を突かれて斬殺。まだまだ見届けたいことがたくさんあるだけに「まだ死にたくない」と呟く円四郎の最後の姿がなかなかに胸を打ちます。そして円四郎の死の知らせに冷静さを失う慶喜。ドタドタと円四郎の死体に駆け寄ると号泣。異常に感情が薄かった慶喜が初めて見せる激しい感情でしょうか。実際に腹心の少ない慶喜にとっては円四郎を失うのは痛恨事でした。それにしても水戸藩士って、結果として慶喜の足を引っ張ることしかしてないな・・・。どうもジョーイの鬼だった親父の悪しき遺訓が残ってしまっているようです。なんか慶喜って、結局は親父の亡霊につぶされたのではという気がしてならない。

 この頃、栄一は寄せ集め軍勢を率いて意気揚々と帰還中。栄一達が円四郎の訃報を知るのは半月後になるという話。相変わらず天下の動乱についてはことごとく避けていく栄一である。

 

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