徒然草枕

クラシックのコンサートや展覧会の感想など、さらには山城から鉄道など脈絡のない趣味の網羅

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白鷺館アニメ棟

日本センチュリーの「大地の歌」

週末は美術館とライブのハシゴ

 異常に困難な仕事に追われてストレス溜まりまくりの今日この頃、この週末は息抜きに美術館とライブのはしごと相成った。

 まずは美術館の方から。ここも今まで何度も訪問している巨大地下美術館である。ただ大阪に到着した時点でもう既に昼時であるので、昼食を先に済ませることにする。途中のビルの中の飲食店街の中華料理屋「(イーフー)」に入店、「御馥ランチ(1620円)」を注文する。メインは海鮮と肉料理が選べるようだが、私は海鮮を選択、飯物は炒飯、デザートはマンゴープリンを頼んだ。

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中華料理店「御馥(イーフー)」

 最初のサラダからなかなかにうまい。スープはオーソドックな卵スープ。この手のスープはほとんど味がしない店も多いのだが、ここのはしっかりとした味があってうまい。メインはマヨネーズ系ソースのエビ炒めと魚の香味フライ。このマヨソースのエビ炒めがエビがぷりぷりしていて美味。これに変わり餃子とエビシューマイの点心が付いて、ご飯物はミニ炒飯。この炒飯の味は私好み。で、デザートはマンゴープリンがこれは結構ガッチリした量。いずれも中華には結構うるさい私を納得させる味。ランチとしてはやや高めだが、量的にもまずまずだしこれはなかなか良い。東京でこの手の立地の店に入ればおよそまともな料理にはありつけないのだが、さすがに大阪は飲食店のレベルが高い。

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サラダとスープ

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エビのマヨ炒め

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魚の香味フライ

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変わり餃子と海老シューマイ

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炒飯

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デザートにマンゴープリン

 

 

 昼食を終えると目的の美術館へ。

「高松次郎 制作の軌跡」国立国際美術館で7/5まで

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 現代アート系の芸術家・高松次郎の作品を集めた展覧会。

 高松次郎の作品と言えば、影だけを切り出した一連の作品が一番私には馴染みがあるのだが、これは影だけがリアルにありながらそこにあるべき実体がないというアンバランスさが妙に印象に残る作品。

 これ以外にも様々なシリーズが展開されているが、私的には一番興味を感じたのは遠近法のシリーズ。これ以外にもいろいろなデザイン的な作品もあるが、どうも幾何学的形態に対する固執のようなものが見られ、これが現代アート系の作品も関わらずなぜか私にも共感できる部分があった理由ではないかと思われたのである。

 

 美術館の見学を終えた時には1時半。今日のライブはザ・シンフォニーホールで3時開演。まだまだ時間があるし、肥後橋から大阪で乗り換えて福島に行くのもやけに遠回りな気がするので、歩いて直接にホールに向かうことにする。ちなみにグーグル先生にお伺いを立てたところ所要時間は18分とのことだが、グーグル先生は以前からとにかく健脚すぎると感じているので実際はそれ以上はかかるだろうが、それでも開演時間には余裕綽々であろう。

 結局は20分ちょっとでホールに到着する。開場が2時なのでまだその前、結局はホールの周辺をプラリと視察してから入場することに。今回の座席も先々週にこのホールに来た時の座席とほとんど同じ位置である。

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ホールに到着

 

 

日本センチュリー交響楽団 第200回定期演奏会

[指揮]飯森範親
[ピアノ]小山実稚恵
[テノール]福井 敬
[バリトン]与那城 敬

和田 薫: 祝響~日本センチュリー交響楽団のためのファンファーレ~(委嘱作品、世界初演)
シューマン:ピアノ協奏曲 イ短調 op.54
マーラー:大地の歌

 一曲目はファンファーレとなっているように金管大活躍、というか金管のみの作品である。スターウォーズか何かかと思うような格好のいい曲。金管優位のこのオーケストラ向きでもある。

 ゾロゾロいた金管部隊がほとんど退場してから次の曲。小山実稚恵のピアノは力強くはあるのだが、やや音色が硬質に感じられる。もう少し叙情的に奏でる部分があれば演奏にさらに深みが出るように思われる。これはアンコールで演奏したトロイメライでももろに感じた。

 三曲目はマーラーの迷いの曲。そもそもは交響曲9番に当たるはずだったのに、交響曲9番を書くと死ぬというジンクスを恐れたマーラーが逃げて番外編にしてしまった。しかし結局はそのせいで交響曲10番の作曲中に亡くなってしまうという羽目になったといういわく付きの曲。この頃からマーラー自身に死の影がちらついているのか、やや重めの曲調から最後は消え入るように終わる曲である。そのような曲だけに、飯盛の指揮も先々週よりはやや抑え気味。福井のテノールと与那城のバリトンは悪くはないのだが取り立てての特徴もないというのが本音。日本センチュリーの相変わらずの弦の弱さもあって、やや精細を欠く部分があったように思われた演奏であった。

 

 ちなみに大地の歌の最後でまだ曲が終わっていないのにフライング拍手をする馬鹿が。拍手は余韻を楽しんで指揮者が腕を下ろしてからで良いのに、一番早く拍手をすれば偉いとでも思っているのだろうか? それもラストに向けて盛り上がるような曲なら感極まってということもあるだろうが、この曲の場合はそれとは対極である。こういう馬鹿は少なくともプログラムに「悲愴」があるような時には来てもらいたくないものだ。またどんな演奏でも「ブラボー」を絶叫する者がいるが、本当にこの演奏がブラボーかと疑問を持つ場面も多々ある。まあブーイングをしたくなるほどひどい演奏に当たったこともないが。

 コンサートを終えるとJR大阪まで歩いて帰る。歩ける距離ではあるが、福島から列車に乗ることと比べた時に時間的メリットはなさそうだ。結局この日はなんだかんだで意外と距離を歩いて疲れたのであった。