武家屋敷街などの街並みを見学
高梁の市街に降りてくると、武家屋敷の見学をすることにする。
松山城から降りてきたところに武家屋敷街が残っており、往時の面影をとどめる武家屋敷が二軒(旧折井家と旧埴原家)あるのでそこを見学。どちらも特に何らかの変わったところがあるわけではないが、旧折井家の方は往時を再現した人形を置いており、玄関を入ったところに置いてある家臣の像は突然に動くもので驚かされた。私が一回りした後に入ってきた老夫婦も玄関のところで「ヒャッ!」という声を上げていたのでやはり驚いたのだろう。あれは心臓に悪い。
昼食を摂ってから商家街の見学
武家屋敷街の見学を終えるとさらに下ってくる。こちらは街道沿いの商家町になるらしい。観光駐車場に車を置くと町並み見学と洒落込むことにするが、この頃になると雨がぱらつき始める。とりあえず町並み散策の前に腹ごしらえ。町の一角にある「つくしんぼ」で昼食を摂ることにする。注文したのは「おろしそばの定食(850円税込)」。
オーソドックなそば定食だが、天ぷらはサクッと揚がっているし、そばも腰があってまずまず。観光地の店と言うよりも普段使いの店のイメージ。
腹が膨れたところで町並み散策の続き。この辺りは美観地区になっているようで、古い建物だけでなく、それに併せてデザインした新しい建物も入り交じっている。かつてこの辺りは街道の宿場町としてだけでなく、河川の水運でも発展したらしい。あちこちにある路地はその時に船荷を運んだ通路の名残とか。町並み全体は往時の風情をとどめておりなかなか。重伝建以外にもこのレベルの町並みがまだ各地に残っているのはありがたい。
町並み見学の最中に、高梁市歴史美術館で「清水比庵展」を開催中との情報を得たので、町並み見学の後に立ち寄る。
「没後40年清水比庵-ふるさと春秋-」高梁市歴史美術館で9/21まで
高梁出身で日光町の町長の経験もあるという文人画家の清水比庵の展覧会。
画風としては富岡鉄斎を連想させるような、自由で伸びやかな墨絵である。彼の作品は製作三昧の生活となった70歳代後半からのものが多いというが、この辺りも富岡鉄斎と被るところ。感動させるという類いの作品ではないが、どことなく楽しげで自在なその作品は見ていて気分が明るくなってくることは確か。
高梁を後にするとホテルへ
これで高梁での予定は終了。まだ3時頃だがとにかく疲れた。今日はたかだか1万2千歩程度だが、山道を含んでいるので歩数以上にハードである。雨もぱらついているし、これからどこかに立ち寄るという気も起こらないのでホテルに直行することにする。
今日の宿泊ホテルは国民宿舎サンロード吉備路。以前に日帰り入浴を利用したことがある人気施設である。ここで旅行券の残りを使い切る予定。
チェックインを済ませると大浴場に直行する。とにかく今日は汗をかいたのでサッパリしたい。ここの浴場は大理石風呂と岩風呂があり、男女で日替わりの模様。今日は男湯は大理石風呂のようである。雰囲気からしてそもそもは女湯として考えられていた施設のように思われる。こちらは以前に利用したことのある岩風呂よりもやや手狭。しかも人気施設なので大浴場は大勢の日帰り客でごった返している。泉質はアルカリ単純泉の若干ネットリした印象のある湯。肌に良く馴染む上質の湯である。温泉マニアが喜ぶような個性のある湯ではないが、普段使いには最も適したタイプの湯と言えよう。これが人気の秘密だろう。
温泉でくつろぐと、売店で土産物屋やソフト、さらにご当地サイダーの白桃サイダーを購入。桃の味がさわやかな結構いけるサイダー。
夕食は6時からなのでまだ時間に余裕がある。部屋でマッタリしていると急激に疲労が襲いかかってくる。結局はベッドに横になって夕食時間までは半分寝ているような起きているような状態で過ごす。
夕食をガッツリと頂く
ようやく夕食の時間が来たのでレストランへ。夕食は会席メニューだが、私のプランにはそれにステーキが付いてくるというもの。なおご飯についてはご自由にということなので、私のように酒を飲まない人間にはありがたい。
特別に驚くような料理はないが、いずれも味は良く、またステーキが加わったためかボリュームもかなりある。食後にこれもご自由にのアイスクリームまで頂いたところで、かなり腹が重い状態に。久しぶりにかなりガッツリ食べたように思う。
夕食後は部屋でマッタリ。とにかく疲れているので何かをするという気力が湧かない。ボンヤリとネットサーフィンをやっていたら、来年の1月にシカゴ交響楽団が来日という情報が飛び込んでくる。指揮はムーティだとのこと。これは行かなければとさらに調査したら、会場は音響が最悪なことで知られる東京文化会館だし、しかも日程は月曜日と火曜日とのこと。関西公演はなし。これは条件が最悪に近い。さらに料金はS席39000円・・・絶句。さすがにシカゴ響、どんだけぼったくるねん! 一番安いE席でも14000円・・・これって私が今年買った一番高いコンサートチケットの価格と同じである。しかもどうせE席なんて数席しかなくて、発売開始と同時に瞬殺されるんだろう。また運良く入手できたとしても、最上階の一番奥のステージもろくに見えない席だろう。うーん、玉砕覚悟で挑戦するべきかどうかが判断のしどころ。しかしどれだけ無理して頑張ってもせいぜいC席22000円が私が払える限界(これでも清水の舞台から紐なしバンジーするぐらいの決意がいるが)。
部屋でボケーッと過ごすと、日帰り入浴時間が終了して清掃も終わった9時半に再び大浴場に入浴に行く。今度は浴場は静まりかえっていて客も数人でゆったり出来る。これが宿泊客だけの特典。あちこちに疲労が溜まっている体をゆったりとほぐしておく。
部屋に戻るとグッタリと体が重い。そのままさっさと就寝する。
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