徒然草枕

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関西フィルの第9を聴く

 12月に突入、世間は第九シーズンである。私も今日は大阪に第九を聴きに行くことにした。

関西フィルハーモニー管弦楽団「第九」特別演奏会

[指揮]山下一史
[ソプラノ]川越塔子
[アルト]山田愛子
[テノール]藤田卓也
[バリトン]田中勉
[合唱]田辺第九合唱団 
[管弦楽]関西フィルハーモニー管弦楽団

ベートーヴェン:「エグモント」序曲 作品84
ベートーヴェン:交響曲第9番 ニ短調 op.125 「合唱付」

 ステージ上に合唱団のためのひな壇をセットしてあるので、12編成の関フィルでもやけにステージが狭苦しい印象を受けた。

 関フィルの演奏もステージの狭苦しさと同様のどことなくぎこちなさを感じるところがある演奏。弦優位のこのオケらしく相変わらず弦はよく鳴るのだが、その響きにもう一歩の厳しさが感じられないのがやや不満なところ。第九の第一楽章なんかが特にそういう印象を受けた。軽快な第二楽章、のどかな第三楽章なんかはまとまっていたのだが、曲全体がやや緊張感不足気味。

 合唱団についてはかなりの熱演だったと感じられる。第四楽章はこの合唱団の熱演に引っ張られてオケの方もまとまってきた印象。これに随分と救われた。

 第九が難しいなと思うのは、ステージの後方に合唱団を入れたらそれが巨大な吸音材になってしまってオケの音色が痩せて聞こえてしまうこと。特に関フィルはそもそもパワー系のオケではないだけにその傾向に拍車がかかってしまい、元々やや弱めの管の粗がもろに浮上してしまうようなところがあった。