徒然草枕

クラシックのコンサートや展覧会の感想など、さらには山城から鉄道など脈絡のない趣味の網羅

新日フィル ルビー第7回&東京交響楽団第650回 定期演奏会&「雪村-奇想の誕生-」at 東京藝術大学美術館

 翌朝は7時過ぎまで爆睡していた。やはり最近は疲れているようだ。

 今日の予定だが、今日はコンサートのダブルヘッダーになっている。午後2時からトリフォニーホールでの新日フィルのコンサートに出向き、それが終了後に午後6時からミューザ川崎での東響のコンサートである。ただその前に、やはり東京まで来たからには美術館は外せない。上野に出向いて東京藝術大学美術館に立ち寄る。

 

「雪村-奇想の誕生-」東京藝術大学美術館で5/21まで

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 戦国時代の画僧・雪村は雪舟の絵画の流れを汲む革新的で大胆な水墨画で知られる。その雪村の作品を展示。

 初期の作品がかなり圧巻である。画面に動きがあり流れがある。カクカクした岩の表現やこれまたカクカクした松などは確かに雪舟の流れを汲んでいると感じるが、画面に風を感じる大胆な躍動感に満ちた構成などは雪村独自のものだろうと思われる。とにかくその画面からあふれ出てくるパワーに圧倒される。

 晩年になると心境が落ち着いたのか、今度はかなり静寂感に満ちた作品が現れてくるようになる。するとこちらは幽玄という言葉がピッタリの、奥行きの深さと無限の広がりを感じさせるような絵画。若き頃の大胆な絵画に比べると平凡に見えるのだが、どうしてどうして実のところ侮りがたい作品群である。

 雪村という画家に対しては今までは特にイメージを持っていなかったのだが、本展によって雪村という画家の力量を見せつけられたような気がする。非常に面白かった。

 

 展覧会の見学を終えたところで昼過ぎ、トリフォニーホールに移動することにする。ここのホールの難点は周囲に良い飲食店がないこと。結局はやむを得ず向かいのやよい軒で昼食を済ませることに。

 

新日本フィルハーモニー交響楽団 2016/2017シーズン
定期演奏会ルビー<アフタヌーン コンサート・シリーズ> 第7回

ジャン=クロード・カサドシュ[指揮]
ギュヘル&ジュヘル・ペキネル[ピアノ・デュオ]

フランク/交響詩『呪われた狩人』
プーランク/2台のピアノのための協奏曲 ニ短調*
サン=サーンス/交響曲第3番 ハ短調『オルガン付き』 op.78

 いきなり華々しい音色で始まるのがこのコンサート。一曲目のフランクはかなり騒々しい派手な曲である。カサドシュはこれをバンバンと鳴らしてくる。

 二曲目はペキネル姉妹の息の合ったピアノデュオが圧巻。変幻自在といった華麗な演奏がコンサートを盛り上げる。

 メインのオルガンも同様の演奏。深刻にも重くもならず、あくまで軽快で華々しいのが信条という演奏。ただそれでも正直なところ、カサドシュにはパイプオルガンの音色はやや重すぎるかという感もあり。むしろ彼の真骨頂が発揮されたのはアンコールピースのファランドール。エスプリの効いた軽快な演奏で曲を大いに盛り上げていた。

 実のところ、トリフォニーホールのオルガンの音色を聴きに行ったというのが主目的のようなものだったのだが、カサドシュのいかにもフランスらしい演奏がなかなかに楽しかった。この組み合わせでビゼーとかラヴェルなんかを聴いてみたいところ。

 

 コンサート終了後は直ちに川崎にJRで移動。ただここで私は総武線快速に乗ったのは良かったのだが、品川で乗り換えるのを忘れてそのまま横須賀線経由で横浜まで行ってしまい、慌てて東海道線で川崎に戻る羽目に。とんだ時間ロスだが、先のコンサートが2時間きっかりで終了していたために遅刻はせずに済んだ。ただコンサート前に夕食を摂っている暇はなく夕食はコンサート終了後に摂ることにするが、入場した途端に空腹を感じることになる。結局は中で高いサンドイッチを買って空腹を誤魔化すことにする。無駄な出費である。

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ミューザ川崎

東京交響楽団第650回 定期演奏会

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指揮:ジョナサン・ノット
ピアノ:小曽根 真

モーツァルト:ピアノ協奏曲 第6番 変ロ長調 K.238
ブルックナー:交響曲 第5番 変ロ長調 WAB 105

 一曲目のモーツァルトは彼の初期の曲らしく、軽快で美しい曲ではあっても特に印象に残ることなくサラッと流れてしまう。ピアニストの小曽根はそもそもはジャズピアニストとのことだが、確かにそれらしい軽妙さを感じさせる演奏。ただし心にガツンと来るものはない。アンコールでかなりジャズ的な即興性の強い小品を演奏したが、こういう演奏が彼の真骨頂なのだろう。

 メインのブルックナーであるが、昨日のロジェストヴェンスキーのブルックナーはかなり独自性が強く人によっては邪道とも感じるだろう演奏だったが、ノットのブルックナーは至って正攻法で音を積み重ねていく演奏。ブルックナーらしいブルックナーと言える。音の溶け合いがなかなかに美しく、非常に聴かせるブルックナーの演奏となった。

 昨日のとどちらが好みかというのは人によると思うが、私としては、これはこれ、あれはあれでどちらもありというのが本音。共に非常に楽しめる演奏であった。

 

川崎のショッピングモールで夕食を摂ってホテルに戻る

 夕食は川崎駅近くの巨大商業施設のレストラン街をウロウロ。夕食時なのかどこの店も行列であるが待つ気はしない。そこでたまたま客が途切れていたイタリアン店「カプリチョーザ」に入店して「ワタリガニのトマトクリームパスタ」を注文。

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カプリチョーザ

 カニ肉は感じないが、カニの風味は感じられるスパ。私好みのやさしい味でなかなかに美味。東京飯の常でCPには若干疑問があるが、味の方は申し分なかった。

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ワタリガニのクリームスパ

 まずまずの夕食を摂ってホテルに戻ることにする。明日は朝から羽田から飛ぶので、本来は川崎か蒲田辺りにホテルを確保したかったのだが、どうも安くて良いホテルがなかなかなかったので、結局はホテルNEO東京に連泊することにしたのである。川崎から南千住まで往復してもこっちの方が安いというのが現実。私がカプセルホテルでも熟睡出来るぐらい神経が太ければ良いのだが、カプセルホテルはうるさいのはともかくとして、大抵はカプセル内の暑さでまいってしまうので私には無理。常に冷房を寒いぐらいに効かせるというエコロジーに反したタイプなので、カプセル内の狭さは気にならないが気流がないことによる蒸し暑さは我慢できない。もっと空気の流通を考えたカプセルはないんだろうか?

 ホテルに到着した頃には10時を回っていた。慌てて入浴すると翌日に備えてすぐに就寝するのである。